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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第21話 そして悠司は途方に暮れる


 翌日……



 今日は遠足に行く日である。そしてアリサを小鳥と二人で置いてきた。お弁当は小鳥が朝4時起きをして作ったらしい。俺は朝5時に起きてアリサに『先に学校に行く』っという置き手紙をして光ちゃんの家のポストに同じ手紙をぶちこんで小鳥と家を出た。そして学校で朝食を済まし、1時間待ったところで光ちゃんがお母さんと一緒に学校にきた。


「ふあぁ……」

「イリスちゃん眠そうだね。」

「あまり寝てなくて……」

「(もしかして楽しみで眠れない性格なのかな?)イリスちゃん、眠れないならこれ使う?」


 ん? なんだこれ? 薬?


「なにこれ?」

「睡眠薬」

「はい?」


 光ちゃんは闇の人でしたか?


「冗談だよ。ただの睡眠薬だよ」

「全く持って冗談じゃないけど!?」

「本当はただの酔い止めだよ」

「ほっ……」


 良かった……まさか小1でその世界に顔を突っ込んでるのかと思ったぜ。


「はぁ……」


 ん?


「蒼真くんどうしたの?」

「いや、今日行く研究所は悪魔たちの家の近くでね。よくそこに来るんだよ。だから多分今日も……」


 ちょっと見てみたいな。悪魔とやらを見せて貰おうか。この俺が本当に悪魔がいるのか確認してやる!…まあ、幽霊すら居るし実際に居そうだが


「まあ、頑張って! なにかあったらイリスちゃんが助けてくれるよ!」

「え?」


 光ちゃんは助けないのか? 光ちゃんって意外と俺たちみたいな(頭のおかしい)人間だったのか?


「ちょっ! 冗談だからその顔はやめてよ! そんな可愛い顔しないで! 反則だよ! 光が悪者になっちゃうからやめてよ!」

「イリスちゃんの顔見てたらなんか悪魔とかどうでもよくなってきた……」

「蒼真、その娘たちは? あっ、どうもこんにちは、蒼真の母の小林 葵といいます。いつも蒼真がお世話になっています。よろしくお願いします」


 蒼真くんのお母さんを名乗る人物は光ちゃんのお母さんを名乗る人物に挨拶をした。

 ……いや、二人とも本物のお母さんだろうけど。うちの今日のお母さん(小鳥)は偽物のお母さんだから一応な。


「こちらこそお世話になっております光の母の五十鈴 美香です。よろしくお願いします」


 葵さんと美香さんか。なるほど……どうでもいいな。


「ところで聞いた? 最近……」

「えええっーー!! そうなの!」


 ……仲良くなるの早くないか? なんで話して二言目でため口になってんだよ。コイツら何者だよ。さてはコイツらリア充だな! いや、結婚してるしそうなんだろうけどさ……


「イリスちゃんだよね? 光から聞いてるよ。お母さんいるかな?」


 ……どう答えればいいんだ! 今朝置いてきたなんて言っていいのだろうか!


「イリスちゃん、お待たせ! やっと職員の朝礼から解放されたよ! まさか逃げないように縛られるなんて思わなかったよ。なんでだろうね」


 小鳥ナイスタイミング! 何故縛られたのかはお前が悪いことをしまくったからだろうが、とにかくあとは任せた!


「えっと、小鳥お姉ちゃん……」

「あっ、どうもイリスちゃんのお母さんの変わりに来た小鳥です。よろしくお願いします」

「えっと、お母さんは今日はどうしたのですか?」


 ん? なんか小鳥を俺の姉と勘違いしてないか?


「今日は都合がつかなくて来れないみたいなので私が変わりに来ました」

「そうなんですか。ところで妹さんとは髪の色とか随分違いますね」

「もしかしてお父さんが再婚されたんですか?」


 あっ、これ勘違い確実にしてるわーそしてこの後小鳥が取る行動も分かったわー俺って天才だなー


「(面白い感じになりそうだし、せっかくだからイリスちゃんのお姉ちゃんに成り済まして置こう)私は父親似でイリスちゃんは母親似なんですよ」


 嘘は言ってないな。確かに小鳥は小鳥の父親似で、俺はアリサ似だ。どこも間違ってはないな。


「そうなんですか。これは失礼なことをすいません」

「いえいえ気にしないでください。よく言われるんで」


 うん、土日に小鳥と買い物しに行くと確かによく言われるな。俺と小鳥ってそんなに似てるのか? 確かにアリサと小鳥は顔立ちとかは意外と近いかも知れないな。そう考えると姉妹に見えるのか? 時たま親子に間違えられて、小鳥が悲惨なことになっているのは気のせいだ。


 ちなみにアリサと買い物に行くとよく姉妹と勘違いされる。アリサの表情がおもしろくて笑いを堪えるのが大変で……店員さんはそんな俺を見て気づいたのかすぐにお母さんですか? と聞き直していたな。


「1年3組の皆さんはこちらに集まってください!」


 悠司が呼んでるな。でも誰も移動しようとしてないところが面白いな。


「呼んでますね。行きましょうか?」

「そうですね」


 あれ? コイツらさっきまでのため口はどうした? まあこれが普通なんだろうけど……


「いえ、もう少し待ちましょう」

「「え?」」


 おい、お前はなにを言ってるんだ。


「見てください、他のクラスの親御さんたちは集まってますけど、うちのクラスのところだけ誰も集まってません。それに生徒すら誰もいません。もう少し様子を見てみたくありませんか?」

「確かに様子も見てみたいですし、誰も居ないところには行きにくいですね」

「そうですね」


 悠司どんまい……お前の元には誰も来ないようだ。


「1年3組の皆さんはこちらに集まってください!!」


 ……あっ、やべ目があった。ここは……無視だな。


「……1年3組の皆さんはこちらに集まってください!」


 ……誰か行ってやれよ。っていうか気づいたら俺たちの近くに全員いるし……まさか誰かが最初に行くのかを待っているのか? けど、まだ集合時間まで30分はあるしゆっくりしようじゃないか。



 30分後……



「1年3組の……皆さんは……集まってくださ……ア゛ーハーア゛ァッハアァーー!」


 うわっ! 汚っ! 号泣とかドン引きだわ!

 つーかマイクの電源は切って泣けよ! 体育館中に響いてるぞ!


「私はゴノ! 世の! なkあ"ーー世の中を! ゥ変えだい! その一心でええ!! やっど教師になったんですぅ!!」


 お前は野◯村か! その会見は久しぶりに聞いたぞ!


「……どうします?」

「誰かが行くのを待ちましょう。さすがに行きにくいです。最悪子どもたちでも構いませんので誰かに行って貰いましょう。あー誰か行ってくれる子ども居ないかな~」


 ……俺か。だが俺もいつまでも小鳥のいいなりじゃないんだぜ?


「小鳥お姉ちゃん、おトイレ」

「仕方ないわねーほら、こっちよ。すいません……」


 小鳥は他のお母さんたちにお辞儀をして体育館から出て行った。そしてその後何があったのか、もちろん小鳥は予測していた。


「ママ、光もおトイレ」

「仕方ないわねーすいません……」

「蒼真はおトイレ大丈夫?」

「「「おトイレ行きたくない?」」」


 そう、一斉に体育館から出ていくという事態が発生したのであった。




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