表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
21/155

第20時 イリスの疑惑とアリス


 あれ? なんで俺は光ちゃんに膝枕されてるんだ?


「起きた? イリスちゃん、寝ちゃったから家に連れて来たんだよ。でもイリスちゃんの部屋暑かったからリビングで寝かせてたんだ」

「んっ……ありがとう光ちゃん……」


 俺は光ちゃんから起き上がった。


「イリス、光ちゃん、ご飯よ」


 アリサが俺たちを呼んだ。

 え? なぜ?


「私が誘ったんだよ」

「あっ、ストーカー」


 俺は小鳥に向かって指さした。


「人に指さしていいと思ってるのかな?」

「痛い痛い痛い!! ごめんなさい!! ごめんなさい!! もうしません!! もうしませんから!!」

「分かればいいのよ」


 指を折ろうとするな!!


「イリスちゃん、気づいてたんだ……(涙目も可愛いな……)」

「まあね。それよりもおやつ買いに行けなくてごめんね」

「ううん、気にしないで。先生から貰ったから」


 小鳥があげたのか……ならいいか。それよりも最近悠司より小鳥の方が担任っぽく感じるのは気のせいだろうか……


「(ところで小鳥お姉ちゃん、ママはどうするの?)」

「(置いてくに決まってるでしょ! 向こうに迷惑なんて掛けられないのよ!)」

「(光ちゃんが情報を漏らした時はよろしくね)」

「(おう、ガッテンでい!)」


 こうして俺と小鳥の密会は終了した。


「イリス、小鳥、なにしてるの。早く食べなさい」

「「はーい」」


 俺と小鳥は夕飯を食べ始めた。今日の夕飯は焼き鮭を主食とした和食だった。焼き鮭って上手いよな。ちなみに我が家の夕飯は基本的に和食だが、たまにロシア料理が出る感じだ。そしてごく稀にイタリア料理やフランス料理その他諸々が出てくる。


「イリスちゃん、箸持ちにくくないの?」


 ああ、手袋のことか。


「大丈夫だよ? 手袋くらいいつもしてるからこれくらいは余裕だよ」

「そうじゃなくて鉛筆もそうだけど箸なんて左手で持てるの?」


 俺は左利きだからな。むしろ俺から見ればよく右手でそんなに器用に箸を持てるよなって思う。


「私は左利きだからね。これくらいは大丈夫だよ。むしろ右手じゃ箸とか持てないよ。」

「そうなんだ……不思議……」


 ん?


「ママどうしたの?」

「え? いや、なんでもないわよ?」


 あっ、これ俺がレズにしか見えてないな。まあ男なんぞ好きにならないから間違ってないが……

 いや、今の俺は女も恋愛対象に入らないのでは? アリサとか見ても生前とは違う感じの感情を覚えるし、家族だからか? でも小鳥見てもなんともないしな。

 そういえば光ちゃんの方はどうなんだ? 考えてみればおかしな点がいくつか出てくるぞ。


「光ちゃんは私のこと……好き?」

「(イリス! やっぱりあなた!)」

「(気になるのはわかるけど聞き方!)」

「うん! 大好きだよ!」


 うん、そういうことはなさそうだ。一般的な友人としての大好きだな。



 1時間後……



「夕飯ご馳走さまでした。じゃあねイリスちゃん、また明日」

「うん、また明日。帰り道気をつけてね」

「うんわかった。じゃあね」


 光ちゃんは家に帰って行った。


「イリス? さっきの告白はなにかな?」

「え?」


 告白なんてしたか? 俺は光ちゃんがそっちの人かどうかを聞いただけで、別に告白なんてしてないぞ?


「アリサ、少しいい?」

「小鳥、あとにして」

「いいから来なさい」


 小鳥、よくわからんが感謝する。ん?


「あーう?」


 今、アリサは小鳥に誘拐されて居ない。つまりコイツは助けを求められない。


「ふふふ……」

「ねーね?」

「お姉ちゃんに教えてみなさい。君は誰かな?」

「な、なにいってるの?」


 まだまだだな。そこは普通なら首を傾げるだけだぞ。


「気付かないと思っていたの? ママはバカだから気付かないだろうけど私の目は誤魔化せないよ?」


「(今なんかバカにされた気がする……)」←アリサ


「はぁ、まさかバレていたのか。いつ気づいたんだ?」


 なぜコイツバレてないと思ってたんだ? 明らか過ぎるだろ。


「最初から」

「は? マジで? どこで気づいた?」

「ママのおっぱい飲んでるときの顔だけど?」

「俺の姉さん……さすがっす。母さんは全く持って気づいてなさそうだから少し調子に乗って見たけど全然気付かないからこの家族アホなんだなって思ってました」


「(はっ! なんか凄いバカにされてる気がする! よくわからないけどイリスをあとで締めよう!)」


 な、なんか悪寒が……ん? 姉さん? 啓介はそんなこと言わないはず……じゃあコイツ誰だ?


「え? 君は誰なの?」

「俺か? 俺は木模 出部。42歳 正真正銘キモデブニートだ!」


 誰だよ!? お前ホントに誰だよ!? ずっと啓介だと思ってたのにいきなり40代の名前がキモデブの変なおっさん来ちゃったよ! あと名前がデブなんて、お前絶対虐められただろ! っていうか啓介どこ行った!


『ハッハッハッハッハ! すっかり騙されてやんの! 消えたと思ってたか? 残念だったな! 俺はコイツの中に潜んでいたのさ!』


 お前成仏してなかったのかよっ! つーか1年以上掛けてやったイタズラがそれとかお前ショボいな。小鳥を見習えよ。


「姉さん、お願いが……」

「なに?」

「一緒にお風呂に入りません? ついでに俺の正体黙っててください」

「天に帰れ!」


 誰がキモデブと入るんだよ! っていうか一緒に入れないし! お前は50℃の水温に耐えられるのか? あとお前の正体は『ついで』なのかよ! バレていいのかよ! 正体よりも俺とお風呂に入りたいのか!


『一緒に入ってやれよ、愛しの(いもうと)が可哀想だろ? ああ、お前はその(いもうと)に嫉妬してたっけ?』


 お前も天に帰れ! そして2度と戻って来るな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ