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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
3章 銀髪幼女の生活 ~~高校生編~~
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第128話 イリスちゃんの学生生活 4

 実はこれが最後の学校回です。もうすぐ最終回だったりします。


 小鳥に着物を着付けられてそのまま写真を撮ることになった。


「七五三みたいね」

「だまれ」


 なんだこのやりとりは? どうみても七五三じゃないだろ。着物も一般的なやつだし。

 それから数時間後の時が経ち……


「はい、もういいよ。お疲れさま」

「つかれた……」


 もう何時間写真を撮られたことか……これはもう焼き鮭1年分を貰わないとな。


「焼き鮭1年分」

「ほとんど毎日焼き鮭食べてるんだからいらないでしょ」


 確かに……何もしなくても夕飯は毎日焼き鮭だ。別に用意してもらう必要ないな。


「でも焼き鮭1年分」

「そんなに欲しい?」

「欲しい!!」


 即答に決まってる!! お昼ごはんが焼き鮭じゃないからその分が欲しい!!


「焼き鮭ばかり食べてると身体に悪いからダメよ」

「なんで!?」


 今の流れは何だったの!? ……あっ、もう日が沈んでる。早く帰らないとママ(しょうご)に怒られる。


「じゃあ帰りましょうか」

「うんそうだね」


 俺は指を口につけて指笛を鳴らした。


「わふわふわんわんっ(主、お呼びでしょうか?)」


 ルーシーは片手で扉を開けて執事みたいな声を出して俺の横に来た。

 お前ずいぶん器用に扉開けるよな。お前の前世ってもしかして太郎(まる)だった?


「わふ?(太郎◯って誰ですか?)」

「えっと、あの茶色くて小さくて可愛い犬だよ?」

「わふっ、わふわふわん(ふっ、恐るるに足らない。見よ! この美しい毛並み! 美しいフォルム! そして美しい毛色!! 我の横に出るものなぞいない!!)」


 そうか。でも俺から見ればお前はただの白まんじゅうだ。実際はそんなに太ってな……あれ? ルーシーってこんな大きなまんじゅうだったっけ?


「なんかイリスちゃんと同じぐらいになってない?」


 以前はちょうど胸ぐらいだったのに今は頭が並ぶぐらいになってるな。


「わふ?(そうですか? 主が小さくなったのでは?)」


 ……え? 小さくなった? これ以上小さく?


「もしかして100cmない……?」

「それは大丈夫よ。ルーシーが大きくなってるだけだろうから。ほら、帰るわよ」

「はーい」


 俺が泣きそうな顔していると小鳥からのフォローが入ってなんとか立ち直れた。

 そして小鳥と一緒に家に帰ると何やら家の前に金持ち特有の『黒くて長い車』が止まっていた。


「?」


 イリヤちゃんか? いや、あんなモブが俺の家にわざわざくる訳がない。だとしたら一体……まさか。


「小鳥さん? お父様じゃない?」

「はぁ、いい加減やめてよ……今年でいくつだと思ってるの……」


 小鳥の実家はアリスの嫁ぐ家である千田財閥であると以前聞かされたことがあった。

 そして小鳥は昔からお父様にお見合いをさせられていたのだ。その回数、約2000回。それを聞いた時はちょっと引いた。


 ついでに今までお見合いした人の顔を見せて貰ったが、お父様のセンスが斜め上過ぎてそれはもう見事に爆笑した。


「よかったね。念願の結婚できるチャンスだよ?」

「私にも選ぶ権利はあると思うの」


 もう40歳超えてるやつに選ぶ権利も何もねーよ。


「え? 私まだ30歳ちょうどよ?」


 ……え? 見た目詐欺じゃね?


「ちょっと今のどういうこと?」

「違うから! 若すぎる見た目に対しての30だから!!」


 まさか年老いて見えるとでも思ったか? チート神だぞ? 神様が老いるわけないじゃん。

 ちなみに何故俺が5歳だった時と年齢が一緒なのかは問わない。だってアリサたちもみんな変わってないもん。この世界狂ってるもん。


「それで兄貴、どうしやす?」

「とりあえずあそこにある廃ビルの屋上から家を確認してみようか」


 そこまで会いたくないか。まあ、仕方ない。付き合ってやろう。


 というわけで廃ビルまで移動して屋上へ。


「まだ帰る気配がないわね……」


 小鳥のお父様って簡単に言うと小鳥からチートと優しさを無くしてからケチと(しゅうとめ)を足して性別を男に変換した感じ。つまり30歳過ぎても彼女出来なくて、現在90近い後期高齢者である。


 ちなみに小鳥のママンはお金と権力で強制的に結婚させられ、嫌になったので、小鳥を産んですぐにお家を出ていった。写真は見せて貰ったことがあるが、かなりの美()()だった。合法か違法かは知らん。というか知りたくない。

 確かアリスの相手である息子さんは金に目がくらんだ女と再婚して出来た子どもだったような気がする。


「兄貴、狙撃しなくていいんですか?」

「まあ、待て。聞こえるかお父さん。動くなよ。お前の背後は完全に取った。その背中に風穴を空ける前に聞きたいことがある」


 もちろん背後は取ってないし、風穴を空ける道具もない。というかそもそも盗聴器は仕掛けられていないから誰にも聞こえてない。つまりトリプルで無意味な茶番である。


「お前とアリスの関係だ。お前が仕掛けた発信器と盗聴器と撮影用のカメラ。前にあの女に張り付いていた男が持っていた物とよく似ている。偶然とは言わせないぞ」


 そんなことあったの? それってストーカーじゃね?


「10秒待ってやる」

「兄貴、帰る様子が見られやせんよ?」

「……帰りましょうか」


 全くもって帰る気配がないジジイに呆れて家に帰ることにした俺と小鳥は廃ビルから出て家に向かった。


「ありがとね。ルーシー」

「わんっ(気にしないでくだせぇ!)」


 ルーシーを小屋まで送ると、小鳥に抱っこされてそのまま家に入った。


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