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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
3章 銀髪幼女の生活 ~~高校生編~~
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第124話 文化祭の予定は幼女展示会


 あれからテスト週間も終わり、再び授業が始まるのだが、基本はテスト返却ばっかりだ。


「じゃあテストを返すぞ」


 日本史は葉姉のおかげでよくできたような気がする。


「イリス、よく頑張ったな。まさかお前が赤点を取らないなんて俺はもう感激だ!」


 テストの点数、41点。あれだけやったのに41点。そしてこのクラスの平均点は81点。うん、赤点は回避したけど、嬉しくないのは何故だろうか?


「俺はもうお前が赤点を取ると予測して最後に簡単な問題を出してそこの配点を40点にしておいたんだ! やはり俺の目に狂いはなかった!」


 それってつまり……あれだけやったのに1点しか取れてなかったの?


「時間を返せ……」

「え?」

ドンッ!

「時間を返してよ!! あれだけいっぱいやったのに1点しか取れなかった私の時間を返してよ!」

「イリスちゃん、なにやってんのよ」


 振り向くと小鳥様がおらっしゃった。

 なんでお前ここにいるの? 保健室に帰れよ。


「そりゃ『鳴くよウグイス平安京』だけを何回も音読してたらそうなるよ」


 …………あっ


「おいイリス、今のどういうことだよ」


 悠司が睨んできたので、とりあえず目を逸らしておく。


「し、知らない……」

「やっぱりアリサに似てるな」


 黙ってろこのクソタイツ変態男!! それ以上口を抜かすな!


「抜けてるのはイリスだけどな?」

「うるさい!」


 しれっとお前まで俺の思考を読むな!

 それから時間が経って、学活の時間。


「そろそろ文化祭の時期だ。そこで何をやるのか決めなければならない。意見のある人!」


 その瞬間、俺とアイちゃんを除いたクラスメイト全員が手をあげた。


「「「イリスちゃんたちの撮影会がいいと思います!」」」


 却下。そんなの何も楽しくない。せっかくの文化祭をなんだと思ってるんだ。


「他に意見は……」

「「「ありません!」」」


 おい、お前らはどこの無能弁護士だ。死刑を求刑するぞ。


「じゃあそれで決定な。そしたら何が必要かを提案してくれ」


 悠司もそれで通すなよ! 一般的なやつを出せよ!!


「だってお前らいると喫茶店とか何も出来ないじゃん」


 喫茶店はもちろん仮装したりするお化け屋敷はできない。コスプレをする演劇も無理。縁日は中学でやった。つまり残ったのは展示系のやつしかない。

 だから俺とアイちゃんを展示しようとした……アホか!


「先生! 花冠は必須ですわ!」

「おう」


 黒板に花冠の文字が書かれた。それから偽物の花を大量に要求。他にもぬいぐるみや飾り、衣装(厚手で熱がこもりやすいやつ)が書かれていった。

 もう俺コート要らないんだけど、それを言うといろんな服を着させられるから絶対に言わない。


「衣装に制限があり過ぎますね……」

「……この教室をイリスちゃんたちがコート無しでも生活できるようにするのはいかがでしょうか?」

「「「それだ!」」」


 え? それマジでやるの? 客が耐えられない暑さだぞ。


「それぞれブースを作ってそこの温度だけ高くすればいいのですよ!」

「「「なるほど!」」」


 そんなお金あるわけ……あっ、ここ金持ち学校だった。


「それでは1人10万ぐらいあれば余裕ですね」


 クラスは42人で、俺とアイちゃんを引いてそれが10万だから400万円……うちのクラスだけで400万。来客から入場料を取れば元は取れると思う。


「そういえば儲けはクラス全員に分担するという話があったな」


 つまり俺がわーちゅーぶでそれを宣伝すればめっちゃ客が来ると。初期の方に上がってたツマートで身バレしてるしいっか。

 それからホームルームが終わり、リュックにぬいぐるみをしまっていると扉から青年がやってきた。


「イリスちゃんおるかの?」


 ……シノバさん? とりあえず久しぶりですね。

 俺はシノバさんに抱っこされて部室まで移動した。


「なんでココがいるの……」

『主がここに来ると聞いていたので』


 そんなこと言ってないんだけど。


「そんなことよりイリスちゃんやワシと一緒にバンドやらんか?」


 バンド?


「やらない」


 ココ、帰るから早く乗せて。


「ちょっと待つんじゃ!」


 シノバさんが俺の前に立ちふさがった。


「歌を歌うだけでいいんじゃ! そしたら焼き鮭を奢ってあげるんじゃ!」


 毎回毎回俺が焼き鮭で釣られるとでも思ってるの? 俺だって人間なんだぞ?


「1回だけだから!」

「助かるの!」

『釣られてるじゃん』


 ココは黙ってろ。今回……今回だけだから!


『イリスちゃんはチョロくて助かるのぉ~』


 やめろ! シノバさんが本当に言ってるみたいになるからやめろ!


「それではメンバーを紹介するの。右から順にギター担当のモブX!」

「俺、失敗しないから」


 Xくんね。モブなのか。


「ベース担当、モブY!」

「よろしくぅ~」


 どうみてもチャラ男。深入りはしない。ただのチャラ男だ。断じてホモではない。


「そしてドラム担当のひかりん!」

「帰ってきた。この私の時代が!」


 誰だそいつ。なんでそいつだけ名前あるんだ? それに今までにそんなヤツいたかな……?


「何その反応!? おかしいよ! 私たち幼馴染みでしょ!? 親友だよね!?」


 え? 幼なじみなんてアリサ以外に誰かいたかな? それに親友? うーん。記憶にないな。


「私たちの9年間は何だったの!?」

「冗談だよ光ちゃん。私が光ちゃんのこと忘れるわけないでしょ? ……さっきまで忘れてたけど」

「忘れないでよ!?」


 それから歌う曲を選んで少し練習して終わった。

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