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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第12話 小学校入学式の日


 あれから1年が経ち、今日は入学式の日なんだが、アリサがなかなか起きなかったので置いて来た。将吾はアリサを起こそうと頑張っているので、小鳥と二人だ。まあ小鳥は保健室のおばさんだからここには居ないけどな。にしてもこの外見だと目立つな……


「よお、イリスちゃん。アリサはどうしたんだ?」


 野生の全身タイツがあらわれた。いや、今日はタイツじゃないけどさ。


「おじさんなんでいるの?」

「それは俺がイリスちゃんの担任だからさ」


 はあ? お前が担任?


「学級崩壊だね。全身タイツには無理だよ。諦めて幼稚園生からやり直しなよ」

「ひでー言われようだな。だが本当のことだ。よろしくなイリスちゃん。ところでアリサと将吾は?」

「家で爆睡ナウ~」

「大丈夫か?」


 絶対、大丈夫じゃねーよ。娘の入学式の日に爆睡してる親とかヤベーやつだろ。


「全然」

「まあ、今に始まったことじゃねーか。今頃大惨事じゃないか?」



 一方その頃家では……



「遅刻遅刻! 将吾! なんで起こしてくれなかったの!」

「起こしたぞ。お前が起きなかっただけだ」

「急がないと始まっちゃうよ! ああっ!」

ゴロゴロガッシャン!!ドンッ!パリンっ!

「いったーい!!」


「ここまでやるお前はホント最凶だな。階段から滑り落ちて壁に当たってその衝撃で窓ガラス割っておいて痛いで済ませるとか異常だぞ? イリスも同じことやってないよな?」



 その頃のイリスは……



「へくちっ! ……なんかバカにされてる気がする」

「どうせ大したことじゃないだろ。ほら、入学式そろそろ始まるぞ。お前もこっちにこい」


 その時、俺は躓いてしまった。


「きゃあ!」

「おっと、大丈夫か?」


 また転ぶところだったな。マジで気をつけないと死にそうだ。


「ホントにアリサにそっくりだな。やることが同じだ。同級生には迷惑掛けるなよ?」

「うるさい」


 余計なお世話だ。


「それと頼むからドアや机や椅子や窓ガラスの破壊は勘弁してくれ」

「まだしてないけど!?」


 それしたのアリサだろ!? アレは本当に奇跡が奇跡を呼んだ壮大な事件だったな。歴史に残っても不思議じゃないな。アレ結局当時の担任が全部弁償したからな。


 担任にすら超迷惑かけるアリサさんマジリスペクトっす。ホントの学級崩壊が起きたな。

 ちなみにその次の日にアリサは『教室の破壊者』の称号を手に入れた。


「そろそろ始まるぞ」


 俺はあらかじめ指定されてた席に座った。そして入学式が始まったが、つまらなかった。その後俺は悠司に案内されて1年3組についた。


「俺は日高 悠司だ。みんなよろしくな!」


 そういえば小学1年生の担任が男の先生って珍しいな。


「早速だが自己紹介をしてもらうな。まずは……」


 自己紹介を一通り行った。まあ、名前言っただけだしな。


「じゃあ何かしよう。そうだな、じゃあ席をくっつけて5人班を作ってくれ。こんな感じでお願いな」


 みんな言われた通りに席をくっつけた。


「それじゃあ各々で自分のことを話したり、ここにトランプとかもあるから好きにやってくれ」


 丸投げは良くないと思うぞ?


「イリスちゃん」

「なに?」


 確か、この娘は五十鈴 光ちゃんだったな。


「そんな格好で暑くないの?」

「あっ」


 しまった。1人だけコート着てたな。でもどうしようもないから諦めるしかないな。


「私ね、凄い寒がりだから夏でもコートが必要なの。脱がされたら死んじゃうかも知れないから何かあったら助けてくれると嬉しいな」


 いや、脱がされたらガチで死ぬからやめてくれ。


「そうなんだ……何かあったら頼ってよ!」

「うん!」

「トランプ持ってきた。みんなで()()()()()?」


 男の子がトランプを持ってくると同時に何かホモの映像が頭に流れた。


「ひっ……」

「どうしたの?」

「ご、ごめん何でもないよ……」


 伝えたくても伝えられないこの苦しみ。そういう台詞は勘弁してくれ。


「じゃあババ抜きでもしようぜ」


 というわけでババ抜き開始。ガキが相手だろうと俺は全力で行くぞ!



 数分後……



「イリスちゃん強すぎ……」

「はい、あがり」

「「「また!?」」」


 俺に勝とうなんぞ100年早いわ!


「ねえ、イリスちゃんは普段どんな生活してるの?」


 話掛けてきたのは同じ班の小林……なんだっけ? 小林なんとかくんが何か聞いてきた。


「最近は……なにかしてたっけ? 光ちゃん、私なにしてたっけ?」

「光が知ってるわけないよ……」


 それもそうだったな。つい前世の癖が……


「光ちゃんは最近なにしてるの?」

「光は最近おばあちゃん家行ったよ。蒼真くんは?」


 コイツ蒼真って言うのか……すっかり忘れてた。


「僕は親戚の家に行ったよ」

「……今度から蒼くんって呼んでもいい?」

「やめて。親戚の悪魔を思い出す」


 コイツも苦労してんだな。ん? 白い髪をした目の色が違う女の子がいる……幽霊か? でも違うような……あっ、気づいた。手振ってるな。


 まさかこのロリっ娘が蒼真くんの言ってた悪魔なのか? まあ、他の人には見えてない時点で人間じゃないな。害はなさそうだし放って置いても良さそうだな。


「士郎くんと陸くんはどっか行ったの?」

「俺は特にはどこにも行ってないな。毎日陸と遊んでたぐらいだな。あとたまに蒼真とも遊んだな」

「右に同じく」


 そっちは(彼から見て)左だぜ。この二人は大高 士郎くんと須藤 陸くんだったような気がする。


「もしかしてイリスちゃんのお父さんって白石総合病院の?」

「そうだよ」

「マジか。つまり金持ちなんだな……」


 そういえばそうなのか? 金の状況とか全く興味なかったから知らないぞ?


「でも私、買って貰ったものってランドセルとかノートとか服ぐらいだよ? 他の物とか買ってないよ?」


 毎回断ってるからな。


「へー意外だ。お金持ちなら結構買ってるものだと思ってた」

「右に同じく」


 だから左だってば……っていうかなにその服? あなたは仮面◯イダー □ーグですか?


「イリスちゃんは兄弟とかいるの?」

「妹がいるよ。まだ1歳だけどね。光ちゃんは?」

「家には居ないからイリスちゃんが羨ましいな。蒼真くんたちは?」

「僕の家は居ないよ。むしろいらない。また女が増えるだけだ。腹の黒いな……」


 コイツ過去に何があったんだ? ん? 幽霊さん? その顔はなんだ? 


「確か陸は弟が居たっけ?」

「ああ、いるぞ」


 さっきまで『右に同じく』しか言ってないやつがしゃべり出すと違和感しかないな。


「そろそろ終わりにするから席を戻せよ」


 俺たちは悠司の一声で席を戻す途中……


「きゃ!」


 俺は躓いて光ちゃんの方に倒れ、光ちゃんを押した。


「えっ! ちょっ! 蒼真くん!」

ガシッ!

「うわっ! 士郎すまん!」

ガシッ!

「うえ!? 陸!」

ガシッ!

「無理」

ガシャン!!


 みんなを道連れにして見事に転んだ。


「いたた……はっ! みんな大丈夫!?」

「ハハハハハ!! お前ら見事なまでの転びようだったな! まあ、誰も怪我してなさそうで良かったな!」


 教師が笑ったら駄目だろ! お前もうクビだ!


「他人ごとのように言わないで! それでも担任か! 光ちゃん大丈夫?」

「大丈夫だよ。ありがとうイリスちゃん」


 まあ、本当に誰も怪我してなさそうで良かった。悠司はあとで絞めよう。


ガラガラガラ

「良かった間に合った……」


 全然間に合ってないです。それと保護者の方は体育館でお待ち下さい。


「イリス、大丈夫!?」

ガッ!

「あっ……」


 おい、ここに倒れてくるな!

ガシッ!

「アリサ、あれだけ気をつけろって言っただろ……イリスもか、あまり迷惑かけるんじゃねーぞ」

「「すいません……」」


 将吾はアリサを引き摺って出ていった。


「……今のがお母さんとお父さんなんだね」

「大変ご迷惑をおかけしました」

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