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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
3章 銀髪幼女の生活 ~~高校生編~~
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第108話 焼き鮭教徒一行はホテルに向かう


 船を降りた俺たちはまず昼食を食べるためホテルから少し離れた喫茶店に入った。


「いらっしゃいまし~♪ ってイリスちゃん! 久しぶり!」


 ……なぜに月美ちゃん?


「久しぶりだね。なんでここに?」

「喫茶『七星』記念すべき2号店! ……という名の別居中のお父さんのお店」


 だろうと思った。あんなよくわからない店が2号店とかおかしいと思ったもん。


「はい、お品書きよ」


 月美ちゃんからメニューを受け取って開くと……


『♙♘♗♕☜♔◯◌☞☆♀☏☎▷◇♧♡♢』


 ……解読不能だ。やはり父親というか……言語ですらなかった。


「日本語のはないの?」

「ないわ!」


 ないのかよ!? もうこの店だめだ! 帰る!


「私とろろうどぅんで」


 小鳥様っ!? あんた読めるのかよ!? やはりチートか!


「俺は春の煮込みうどぅん」

「私はきつねうどぅんで」

「ワシは焼きうどぅん」

「ボクはたぬきうどぅんで」


 なんでみんな読めるんだよ。というか『うどぅん』しか置いてないのか?


「とりあえず焼き鮭定食」

「ないわっ! ……けど用意してあげるからちょっと待っててね」

「あっ、ボクもやっぱりそっちがいい!」


 焼き鮭最高っす! 焼き鮭教徒ばんざーい! ばんざーい!


『焼き鮭中毒者め……』


 ……焼き鮭教徒ばんざーい! ばんざーい!


「「焼き鮭教徒ばんざーい! ばんざーい!」」

「「「(焼き鮭教徒。やべー集団だ……)」」」


 それから昼食を済ませて我ら焼き鮭教徒たちは宿泊ホテルに向かった。


「誰が焼き鮭教徒だ! そんな危ない集団と一緒にするな!」

「「どこが危ないのさ!」」

「全体的にだよ! 何が『焼き鮭教徒ばんざーい!』だ! 明らかに危ないだろ!?」

「そろそろホテルに着くわよ。あっ、あれよ」


 俺たちは宿泊ホテルの外装を見た。


「「「「……ホテル?」」」」


 どうみてもおんぼろなる旅館。とてもホテルとは言い難かった。

 でも看板には『HOTEL COCK ROACHES』と書いてあったのでホテルだと思う。きっと中身は一流のウェイターさんたちがいるに決まってる。


『無駄なフラグはよせ。どうせ中身もおんぼろだ』

「行くわよ」


 小鳥は俺を抱っこしてアイちゃんと手を繋いで他の部員を引き連れて『HOTEL COCK ROACHES』に入った。


「ボロい」

「ボロいわね」

「ボロいな」


 やっぱり中身もボロかった。チェックインを済ませてそれぞれの部屋に荷物を置いて再集合することに。


「部屋は普通だね……」

「そうね。比較的普通ね」


 部屋の内装はフロントとは比べ物にならないぐらい普通だった。部屋は外見に相応(ふさわ)しく和室だった。

 ちなみに部屋割りは部長と日向先輩、シノバさんとアイちゃん、俺と小鳥になった。


「何かヤツが出そうだから仕掛けておいていいよね?」

「別にいいわよ」


 俺はミトコンのリュックから退治すべき最強の黒塊(ブラッ◯キャップ)を取り出して設置。これにより夜中にGが出現して身体中を這い寄られることはなくなるだろう。もちろん荷物はミトコンに持たせたままにする。


「じゃあ再集合場所に向かいましょ」


 俺は小鳥に抱っこされて再集合場所に移動。まだ誰も来てなかったのでミトコンを取り出してRide on(ネイティブ発音)


『お前おバカキャラやってんだから無駄なネイティブ発音はやめろ』

「お、おバカキャラなんてやってないもん! 幼児だから国語と社会が苦手なだけだもん!」


 っていうかお前俺の影に居ないのになんで思考が分かるんだよ!


『お前は分かりやすいんだよ。それに幼児なら全部わからないのが普通なんだよ! 幼児のくせして理系出来るとか何様なんだよ!』

「お前いま幼児って言ったな! もう許さないよ!!」

『お前がさっき自分で言ってただろ!?』


 自分で言うのはいいんだよ。でも他人には言われたくないっ!!


『乙女心は複雑だな……』

「それを言うなら幼女心でしょ?」

『だな! アハハハハハハハハッ!!!』


 おい、今までお世話になってたから何も言わなかったがさすがに今のは許さんぞ?


「まだミトコンくんにギリギリ乗せてないからお世話になってるわよ?」

「余計なことは言わない。言ったら小鳥お姉ちゃんのオナ「それ以上言ったら突っ込むわよ?」すいませんでした……」

 

 頼むからそのイヤらしい指の動きをやめてくれ……あれと刃物とGと虫と野菜だけは怖いんだよ……


『めっちゃ怖いもの多いじゃねーか!!』


 いやいや、幽霊怖くないし! Gを除いて!


『以前琴葉と触手を持った悪魔と戦ったことあるが、お前は触手大丈夫なのか? 凄いうねうねしてたぞ。お前のねーちゃん気持ち悪いって言ってたぞ』


 そりゃ言うわ。触手持った悪魔とか気持ち悪いったらありゃしない。……え?


「悪魔?」

『いるぞ? わりとその辺に沸いてるぞ? 琴葉に拾われてからは2人ぐらい見たぞ?』


 ということはミトコンを拾ってから前世で俺が成長するまでの10年間と俺が死んでる間の5年間、そして再び俺が成長するまでの15年間。合わせて30年間。

 それで2人見たということは15年で1人か……そんなに沸いてなくね?


『ちなみにみんなロリコンと幼女趣味だったぞ? お前も他人事じゃないかもな?』


 ということは悠司は悪魔だったのか……エヌマロリッシャーとか言ってるしな。ということは士郎くんも悪魔なのか。


『士郎とやらは知らんが、悠司は違うぞ?』


 え? あれが悪魔じゃないなら何? 怪人 全身タイツマン? それとも雑菌?


『両方だろ』


 やっぱり? 俺もそうだと思ったんだよ。


「(悠司、アンタの知らないところで凄いバカにされてるわよ)」

「お待たせしました。お待たせし過ぎたのかもしれないのぉ~」


 それ好きだね。ミーティングに遅れてきた時も言ってたような気がするんだが……


「みんな揃ったわね。じゃあ適当に観光しましょうか」

「「「おおーーっ!!!」」」

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