第107話 いざゆかん! ランゲルハンス島へ!
「んっ」
「どうしたのイリスちゃん? もしかしてオムツ?」
「うん」
小鳥は俺のオムツを外して拭くところを温かいタオルで拭いてオムツを取りかえる。
「開始早々何をやってるんだよ」
「イリスちゃんのオムツ交換よ?」
「せめてトイレでやってきてください」
見ればわかるだろ? え? 露出プレイ? 改札口無料で通れた幼児にそんなものはないんだよ。そもそもコートで小鳥以外には見えてないしな。
「あら日向くんもしかして興奮した?」
「太陽?」
部長が日向先輩を凄い目で見ていた。日向先輩は怯えてるようだった。
「違う違う! 興奮なんてしない!」
……よく分からないけどムカつく。……ん?
「日向先輩の体は正直ですね」
日向の日向が日向ってた。
「うえっ!? いや! これは違っ!」
「太陽? どういうつもり? ちょっと
あっちで話しましょうか」
「ちょっ!? 誤解だから! 誤解!」
日向先輩は部長に違う号車に引き連られて行った。日向先輩、南無。
『今回の件、どうみてもお前が引き起こしてたな』
幼児だからわかんなーい。ミトコンじいちゃん、おこづかいちょーだい。
『幼児は金よりお菓子や玩具を欲しがるだろ……』
「そろそろ着くわよ」
「はーい」
俺たちは電車を降りて船乗り場に向かった。
「はい、イリスちゃん。新しい酔い止めよ」
小鳥から酔い止めをもらって常温の水で飲む。
「じゃあ行こうか」
小鳥は俺を抱っこしてアイちゃんと手を繋いで船の係の人に5枚のチケットを渡した。
何か子供のチケットが1枚混ざってるんだけど……
『それでも1枚足りてないってことはお前は無料で入ってることになるぞ』
せっかく気にしないようにしてたのに……
『す、すまん……』
「あらかわいい娘さんたちですね。船乗るの初めてでしょ? 楽しんできてね?」
「はーい」
アイちゃん、何の躊躇いもなく返事してるし……うわっ、小鳥が何かしろっていう視線送ってくるんだけど……仕方ない。
「(こくり)」
「「「(どうみても二児の母親だ……)」」」
でも本当は義理の娘が1人いるだけの彼氏が1度も出来たことがない処女なんだ。
『お前も彼女出来たことないだろ』
うるさい
それから船に乗ってランゲルハンス島に向けて出発。
「お母さん、おトイレ」
アイちゃんがトイレの場所を小鳥に聞いてるけど、何故か場所を聞いてるようには聞こえない。
「ママ、鳥さん!」
「(あんたのママじゃないんだけど……)先にアイお姉ちゃんのおトイレに行かせてね?」
周りのモブとシノバさんは微笑ましい光景を見てるようだった。金髪と銀髪の小さな女の子を抱えてる時点で目立つこと極まりない上に、どうみても二人の幼児が母親に甘えてるという光景である。
「はい、雪。あーん」
「あーん」
部長と日向先輩はなんか端の方でラブラブしてるからこれ以上見たくない。このまま放置しておこう。
ちなみに小鳥の目の色は俺やアイちゃんと同じ翠色。だからアリサの母親かお姉さんに間違えられることが多いのだ。
まあ、目の色除いても結構似てるんだけどな。
……あっ、やべ。出ちゃった。
「……イリスちゃん? また?」
「(こくり)」
「仕方ないわね……」
それからトイレに向かった二児の母親はアイちゃんをトイレに行かせて、俺のオムツ交換をして、ついでに小鳥も済ませていた。その間、俺は小鳥の膝の上だった。
「まさかアンタに音を聞かれる日が来るなんて……」
小鳥は少し恥ずかしそうにしていた。でも幼女の俺は別に何の反応も示すことはなかった。
「大丈夫。それ以上の光景を見たから」
「次言ったらしばく」
「…………」
以後、気をつけます。絶対に小鳥の自慰を見たなんて言いません。
「先生大丈夫だったかの? ずいぶん大変そうじゃったが……」
「次からはアイリスの方面倒見てくれる? イリスちゃん程じゃないしお願いしてもいいわよね?」
おい、それどういう意味だよ。答えろ!
「大丈夫じゃよ」
言ったな? 絶対お前アイちゃんに付いてるブツ見てショック受けるぞ。気をつけろよ。そいつは男だからな。
『お前、自分の婿に対しての扱い酷くね?』
なんでそれ知ってんだよ。お前に言ったことないだろ。
『将来は入れられて子供が』
あああああああああああ!!!! なーんにも聞こえなああああああああいっ!!!!
『現実を見ろ』
いやいや! 俺だってまだ初潮来てないし! それならアイちゃんだって◯通来てないでしょ!
『アイツ、夜になるとお前の真横でガサガサと音を鳴らしているし、ゴミ箱に入ってるティッシュの量だって……』
嘘だ! そんなわけない! だってアイちゃんは女の子だもん!
『さっきと言ってることが矛盾してるぞ……』




