第102話 4月で1週間学校を休んだ幼女の末路
さて、将吾の出る幕も終わったことだし今日も元気に学校行きますか。
「「いってきまーす」」
「いってらっしゃい」
俺とアイちゃんは家を出てルーシーたちを連れて学校に向かった。光ちゃんは久しぶりに任務で居ないらしい。光ちゃんの任務ってどういうのだろうか? 演技はクソ下手だから潜入はないな。尾行? それとも指揮官?
「……もしかしてマスコットかな?」
「イリスちゃんどうしたの?」
「なんでもないよ」
うっかり声に出してしまった……でも光ちゃんならマスコットもあり得なくないな。
「おはようございます。イリスちゃん。久しぶりですね」
「そうだね」
いつ以来だろうか? 監禁されて何日経ったのか知らないんだよな。よく覚えてないし。
「今日は5、6限が体育だから早く着替えるように。以上」
そして1時間目の授業が始まった。科目は数学。
「ではこの問題を……」
「あっ」
バサバサバサっ!
教科書やノートが落ちてしまった。すると先生が拾ってくれた。
「お前の母親を知ってるから何も言わんさ。お母さんによろしくな」
ありがたいような……ありがたくないような……複雑な気持ちだ。
「あっ」
バサバサバサっ!
「…………」
そんな哀れみの目で見ないで! 恥ずかしい!
「……ほらよ」
「あ、ありがとうございます……」
その頃の職員室は……
「先生聞きました? 例の女の子ってあの破壊者の娘さんなんですって」
「ええっ!? それ大丈夫なの!?」
イリスの話題で持ち越しだった。
……なんかバカにされてるような気がする。
それから午前中の授業が終了してお昼休みになった。
「授業終わり! アイちゃん、お昼食べよ」
「……そうだね」
今の間はなに? もしかしてお前ボッチとかクソうける(笑)って言いたいのか? お前だってボッチだ━━━━
「アイちゃん、一緒にお昼食べよ?」
━━━━ろ? …………え?
「うんいいよ。一緒に食べよ」
え? 3人のお友達ですか? 私はまだ友人と呼べる存在は小学生の6年間を同じ学校で過ごしたイリヤちゃんと蒼真くんぐらいしか居ないというのにアイちゃんはもう3人も友達を作ってるの? しかも3人って席をくっつけるのやめてもらえます? ちょっ、俺の席……
「アイちゃん、髪の毛うらやましいわ。私も金色に染めようかしら?」
「うちはそういうことをするとお父様に叱られてしまいますわ」
「わたくしの家では許されてますよ?」
金持ちみたいなやつしか居ないな……ってそういえばこの学校金持ち学校だったな。普段周りにいる奴らが金持ちに見えないから仕方ないな。
さて、俺の居場所は消えた。保健室行こ。
「ルーシー」
「くぅん(主ボッチ)」
「うるさい……」
「お友達が出来ないのは分かったからベッドで横にならないでくれる?」
「…………」
だって俺ボッチ……しかも席取られた……
「ベッドの上でお弁当をひろげない! 食堂で食べてきなさい!」
「食堂もボッチ……これも全部将吾のせいだ……このまま不登校になってニートになるんだ……そしてこの世にニートがまた増えるんだ……」
「はぁ……」
「私ボッチはいや……」
「はい、ルーシー。お昼ごはんよ」
小鳥はルーシーにエサを与えはじめた。
「無視しないでよ!」
「わんわんっ!(なんやこれ! 旨すぎる! 肉と魚のコラボレーションやで!)」
「もういいよ……」
俺はルーシーを置いて保健室を出た。
「きゃっ!?」
ばたんっ!
また転んだ……ルーシーに乗ってないだけでここまで転ぶとは……とりあえずお弁当は無事だし、このまま部室で食べるとしよう。部長がいたら謝ろ。
「はい、あーん」
「あーん。雪の胸もみもみ」
「ちょっとやめてよ。もう太陽ったら……」
どうやら謝る必要はなさそうだ。アイツらは完全に俺をバカにしてる。ここで終わらせるべきだ。
俺が扉に手をかけた瞬間に誰かに抱き上げられた。
「むぐっ!?」
「静かにするんじゃ。お主また同じことしようとしてたな?」
……だってリア充うざいもん。
「どれ、少しワシが教育してやらんとな?」
「ちょっ、何するつもりなの!? まさかエ□同人みたいにするつもり!? この変態! 鬼畜! ロリコン親父!!」
「今のワシには全部褒め言葉にしか聞こえんのー」
コイツもうダメだ!? 今のが褒め言葉に聞こえるとか病院行け!
「ここでいいじゃろ。ワシだってな、まだ彼女すらできたことないんじゃぞ。それに友人も少ない。でもリア充をそこまで恨んだりしたことはないぞ? お主がどんな人生を歩んできたのかワシにはわからんが、そこまで苦しいものではなかったのではないか?」
アリスが生まれて育児放棄、誘拐事件、Gとの遭遇及び退治。遺跡で刃物からの1年間入院、父親にコートを脱がされて死にかける……かなり苦しい人生だったな。
「お主もかわいいのだからすぐにリア充になれるじゃないか」
「でも胸ないもん……」
いくら貧乳派とは言っても完全なまな板じゃなんか負けた気がする。
「別にいいでないか。ワシだっておぴんぴん小さいぞ? ほれ」
ちょっ!? 見せびらかすな! この変態が! ……ん?
「……どうしたんじゃ? そんなショックを受けたような顔して?」
な、なんだと!? 前世の俺のより大きい……だと!? これが小さいというなら俺の相棒は一体何だったんだ……あれ? 急にめまいが……
ばたんっ!
「イリスちゃん大丈夫かの!? そこまでショックだったのかの!?」
次回 ルーシーの父親であるミトコンドリア様が遂に降臨!