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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
序章 幼女としての生活
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第11話 幼女の嫉妬


 あれから早くも数ヶ月が経ち、アリサは出産をした。


「名前、どうしようか」

「そうだな。女の子か……イリスは何かあるか?」


 何故俺に聞く。お前らであらかじめ決めとけよ。


「特にはないよ」

「そうか? それなら……ハルピュイアにしよう」


 神話に沿うんじゃねー!


「「ダサい!」」

「何故だ! いいだろハルピュイア! 何処が駄目なんだ!」


 全部に決まってるだろこのバカが!


「アリスはどうかしら?」

「まあそれならいいか? イリスは?」

「……なんかヤダ」


 明らかに俺の上を行こうとする名前だな! そんなことは許さんぞ!


「イリス、この娘はイリスの妹なんだから、それくらい気にしないの」


 ……今後もこういうこと言われるんだろうな。


「はぁ……もういいよ……」

「わかってくれて嬉しいわ。じゃあこの娘の名前はアリスね。アリス、よろしくね」


 俺は自分の部屋に戻り、コートを脱いだ。


「はぁ……なんか嫌な感じ……」


 早くお風呂に入って寝よ。



 数週間後……



「アリス、おはよう。ほら、沢山飲んでね」


 アリスはアリサの胸にしゃぶりつく。アリスは顔立ちとかはアリサに似ていて、残りは将吾に似ていて茶色の髪と茶色の瞳を持っていた。

 全部アリサに似ている俺とは大違いだな。

なんかコイツゲスい顔してないか? まさか……


「イリス、ちょっとゴミ出ししてきてくれる?」

「はーい」


 最近こういうことが増えてきたな。なんかいい感じにパシられてるような……


「イリス、お掃除お願いできる?ママちょっと買い物行ってくるから」

「……はーい」

「何かあったら小鳥お姉さんに言うのよ。アリス、行きますよー」


 最近放置気味だな。姉ってこういうものなのか? 今までは放置もあったけど、最低でも1、2時間に1回は部屋に来て会話してたぞ。アリス見てる暇があるなら掃除くらい自分でやってくれよ。っていうか5歳児を家に1人で居させておいてついでに1人で掃除とか危ないだろ! 怪我とかしたらどうするんだよ!



 1時間後……



「よし、だいたい終わったね。ん?」 


 アリサの奴花壇に水やり忘れてないか?仕方ない、少しやってやるか





「あれ? イリスちゃんが花に水あげてるなんて珍しいね」


 水やりをしていると小鳥が来た。


「小鳥……最近アリサの奴がいろいろサボってるからな。アリスばっかり見てないで自分でやれよ」

「ふーん。それでかまって貰えなくて機嫌悪いんだ……」

「いや、別にそんな訳……」

「寂しいんでしょ? 自分のことを放って置いてアリスちゃんばっかり見てるのが嫌なんでしょ? いいんだよ誤魔化さなくて、イリスちゃんはまだ5歳なんだから」


 ……俺はアリスに嫉妬してたのか。俺もまだまだ子どもだったんだな。


「ありがとう小鳥。抱きついていい?」

「私でいいならいいよ。好きなだけ抱きついて泣きなよ」

「小鳥……ありがとう……」


 俺は小鳥にしばらく抱きしめて貰った。


「よしよし、イリスちゃんは1人でよく頑張ったね」

「小鳥お姉ちゃん……」


 この時ほど小鳥の存在が凄いと思ったことはなかった。

 二次の母親のアリサよりも独身処女の小鳥の方が母親らしいという事実があるなんて哀れな……


「小鳥? なにしてんの?」

「可哀想なイリスちゃんを私が貰ったのよ」

「可哀想?」


 コイツ自覚なかったのか。本当に小鳥の元に行くぞ?


「今まで放置してたんでしょ? イリスちゃんに家事を任せてアリスちゃんばかり見てたんでしょ? だから私がイリスちゃんを貰うわ!」

「あげないわよ! イリスだって私の大切な娘なんだから!」

「その大切な娘を放置して泣かせて何がしたいのかな?」


 もう小鳥のうちに住んでくれ……なんかそれで全て解決しそうなんだ。


「うっ……そ、それは……」

「帰ったぞ。お前ら何してんだ?」


 父親のお帰りですか。もう小鳥の家に住まわせてくれ……

 その後、みんなで家に入り、家族会議が始まった。





「確かに最近イリスを放置してたかもな。俺もアリスばっかり言ってたからな」

「私もこれは反省ね」

「「でも後悔はしていない!」」


 うざっ……


「しなさいよ!! イリスちゃんが可哀想でしょ!」


 もう俺の味方は小鳥だけだ。小鳥助けてくれ……コイツら(バカたち)を止められるのはお前だけなんだ。


「実はね。少し拗ねてるイリスも可愛いなぁ…って……」

「俺も」

「私、小鳥お姉ちゃんと一緒に暮らす!」

「「そんなことは許しません!!」」


 お前らなんなんだよ。


「じゃあ小鳥お姉ちゃんがここで暮らすのは?」

「「それならいいだろう。小鳥早く荷物を持ってきな」」


 お前ら本当になんなんだよ。何様? 誰のせいでこうなってると思ってるんだ? ……俺か


「え? 私住むなんて言ってないよ?」

「今なら家賃だけで住まわせてやるぞ? ついでに今なら毎月1000円を()()()還元してやる」

「喜んで住まわせていただきます!」


 小鳥が片膝をついて将吾の手を両手で掴んでる。こんな小鳥は見たくなかった……


 こうして小鳥がうちに住むことになった。




 その日の夜のこと……俺はコートを着てアリサの布団に入った。


「イリス? なんで私の布団にいるの?」

「だめ?」

「ううん。いいよおいで」


 俺はアリサに抱きしめられながら寝た。


「ごめんねイリス、寂しかったでしょ……」



 翌日……



「イリスちゃんこれお願いね。将吾はこれ運んで!」


 俺は時計を持たされ、小鳥は将吾にタンスを運ぶように言った。


「デカイな! 車に入るのか!?」

「入らなかったら車の上にでも乗せなさいよ!」


 無茶言うな……車が潰れるだろ。つーか向かい側なんだから車なんて持って来てないだろ。


「悠司はテレビお願い」

「はいよ」

「あれ? おじさん?」


 悠司居たのか? 初回以来の登場だからすっかり忘れてたぞ。


「イリスちゃん、俺のことはおじさんじゃなくて悠司お兄さんと……」

「断る」


 お前もう30越えてるだろ? だからおじさんな。その定義でいくと小鳥はおばさんだが、小鳥は見た目が高校生と差ほど変わらないというチートも持っていたらしい。


「なん…だと!?」


 俺は悠司たちと荷物を運んだ。ちなみに俺が持った物の中で1番重いものは椅子だった。将吾はタンスをいくつか運んでたな。一方、小鳥とアリサはお茶会をしていた。アイツら許さん。


「はぁ、やっと終わったな」

「そうだな……なあ将吾、今日一杯やらないか?」

「おお、いいな。今日はビールだ!」


 その瞬間、俺の脳にはとあるホモの映像が流れた。


「ひっ!」

「どうした?」

「な、なんでもない……」

「イリスちゃんは記憶の奥にしまっていた何かを思い出したみたいね」


 お前はその記憶の元凶だろ? 完全にトラウマだぞ。


「イリスに変なことするなよ?」


 すでに時は遅し……いろんなホモの映像を見せられてます。


「イリスちゃん、今日から一緒だよ。添い寝でもしてあげようか?」

「大丈夫……」

「そんなこと言っちゃって、昨日アリサのベッドに潜りこんでたのは誰かな?」

「な、なんで知って!」

「やっぱりそうだったんだねー」


 しまった! 罠だったか! クソっ! こんな簡単な罠にはまるなんて!


「お前、これで女4人男1人だな。何かあったら呼んでくれよ。男は俺とお前しか居ないんだからさ」

「悠司、すまんがそうさせて貰う」

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