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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
序章 幼女としての生活
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第10話 小鳥と幽霊


 水族館から数日後……


 遂にこの日が来た!


「はい、イリスちゃん。約束のイルカのぬいぐるみだよ」


 俺は小鳥からイルカを受けとった。


「ありがとう小鳥! 大切にするね!」

「イリスちゃんはずいぶん女の子らしくなったね」


 そういえば小鳥の仕事って何してんだ?


「小鳥ってどんな仕事してるの?」


 俺はイルカを抱きしめながら言う。


「イリスちゃんが通う小学校の保健室の先生よ」

「は? マジ?」

「マジだよ?」


 マジか……いや、だがこれは逆に小学校の授業がサボりやすくなったんじゃないか?


「ちなみにイリスちゃんの送り迎えは私がすることになってるから帰りが少し遅くなるわよ」


 まあそれは仕方ないな。だって親バカだからな。だからって小鳥に迷惑かけるなよ……絶対変なことされるぞ。


「小鳥の家ってどこにあるの?」

「え? 私の家? すぐそこよ」


 小鳥は窓の外にあるアパートを指さした。


「アパート? 家やマンションじゃないの?」

「そうよ。そっちの方が便利だし、いろいろやらなくて済むからね」


 にしても近いなぁ……目の前じゃねーか。全く知らなかったぞ。


「ところでイリスちゃん、せっかく可愛い女の子なのにコートばかり着てていいの?」

「着なかったら死ぬだろ……」

「そうでしょうね。でも私はイリスちゃんが恥ずかしがりながらミニスカートとか可愛いらしい服を着てる姿が見たいの」


 あっ、これだめな奴だ。


『俺も見たいな……イリスたんの生着替え……ってよくよく考えたら毎日入浴シーン見てたわ』


「死ね!」

ドンッ!

『グハッ!』

バタン!


 お前毎日見てたのかよ! 全然気づかなかったぞ!


「イリスちゃんどうしたの? もしかして啓介?」

「うん」


 そろそろ啓介を成仏でもさせよう。


「啓介はどうしたら成仏できるの?」


『何を言ってくれてるんだ!』


「神社にでも行く?」


 なるほど、神社か……


「よし、そうしよう」


『マジで!? やめてくれよ!』


 ここで待ってればいいような気がするんだが


「そうと決まればこの服を着てね」


 短っ!? こんなのもはやスカートじゃねーよ。


「それと今日はニーソにしようか。いつもタイツだとあれだからね」


『フッフッフッ……イリスたんの生着替え……』


「出ていけ!」

ドンッ!

『グハッ!』


 おお、めっちゃ吹き飛んだ……もしかして俺は幽霊に与えるダメージは倍にでもなるのか?


「イリスちゃんもすっかり女の子ね。啓介に着替えを見られたくないなんてね」


 いや、普通は変なおっさんに自分の着替えとか見られたくないだろ。



 数分後……



「短い……」

「可愛いよイリスちゃん! その仕草は反則だよ!」

パシャパシャ!

「いいから早く行くよ!」


 俺は紺色コートを着た。このコートは膝下くらいまであるのでスカートの意味が完全に消えた。ちなみにこのコートは小鳥が新しくくれたものだ。俺はこれと水色のコートを交互に着ている。まあくれたと言ってもお金は全て将吾持ちなんだけどな。


「コートの丈も短く……いや、それはダメかなぁ……」


『本当に行くのか……俺のイリスたん永続覗き計画が幕を閉じたな……』


 そんな計画の幕はまず開くな! 提案の時点でボツにしとけ!

 俺は小鳥と手を繋いで神社に来た。


「え? これ登るの……」


 めっちゃ階段長いな……


「イリスちゃんには無理だよね。抱っこしてあげるよ」


 それは助かる。この体の体力じゃ絶対に無理だからな。ここに来るまでで既に疲れてるし……

 小鳥は俺を抱き上げ、階段を登った。



「うわっ……」


 ここって神社……だよな? 今にも崩れそうだな……


「本当にここって神社?」

「あれ? おかしいな……前まではかなり人気があったのにな……」


 確かに俺がまだ生きてた頃にみんなでよく来てた神社だが、ここまでボロくはなかったぞ。あれから何年経ったんだ?


「まあ、せっかくだからお参りして行こうよ」

「そうだね。はい……お賽……せ……ん……」

「受け取りにくいよ」

「だって私の五円が……」

「たったの五円でしょ!」


 俺は小鳥から(無理やり)五円玉を受け取った。


「~~~~~~っ!」

パシャパシャ!

「(お賽銭箱に一生懸命に入れようとしちゃって可愛いな……おっと、このままだとなんかロリコン一直線見たいな感じがする。でもイリスちゃんだから仕方ないね)」


 クソっ身長が欲しい……そして啓介を退場させて欲しい。


「ほら、また抱っこしてあげる」


 俺は小鳥に抱き上げられた。


「これで届くでしょ?」

「……なんか悔しい」


 俺は五円玉を入れた。


「啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように。啓介が成仏しますように


  いたいのいたいのとんでけーーっ!!」


「『呪文か! そして呪文の最後だけやたらと可愛い!!』」


 あれ? 啓介、なんか薄くなってね?


『あれ? 俺、消えるのか?』


「じゃあね。啓介……」


『マジかよ!?俺はまd……』

シュウウウ……


 消えたな。普通なら絶対消えないタイミングで消えたな。


「ホントに消えたの?」

「うん」

「ここって凄いんだね」


 そうだな。神社は見た目によらないんだな。


「帰ろうか」

「そうだね……っと! 危なかった……」


 また転ぶところだったな。


「疲れてるだろうし、転ぶと危ないから帰りは抱っこして帰るね」


「うん……」


 俺は小鳥に抱っこされながら帰った。


「ただいま」

「おかえりなさい。イリス。実はイリスにお話があるのよ」


 お話? まさかとは思うがその少し膨らんだお腹のことじゃないよな?


「イリスね。もうすぐお姉ちゃんになるのよ!」

「へー」


 まあ、アレだけやってればいつかそうなるとは思ってたさ。今まで普通に太ってただけかと思ってたが最近気づいたからな。


「感心度低い!? イリス! 女の子よ! 妹が出来るのよ!」

「へー」


 ただ啓介がさっき成仏したってことと今回の子供の件が妙に一致してることが気になってるだけだ。


「アリサ、たぶんその子は……いや、なんでもない」

「小鳥! 気になるから途中で止めないで!」


 小鳥はこっちを見てくる。俺は小鳥に任せるようにした。


「……いや、なんでもない。気にしないで」

「えっ! ちょっと!」


 小鳥は俺を抱っこしたまま俺の部屋に移動した。


「小鳥、やっぱりそう思う?」

「思うよ。タイミングがおかしいもの。イリスちゃんの時のお腹の大きさから推測するにあと3ヶ月もあれば産まれてくるんじゃない?」


 つまり3ヶ月後に啓介再誕かよ。


「まあ、確定した訳じゃないし今は気にしないでいいんじゃない?」

「……そうだね少し早とちりしてたね」


 啓介じゃありませんように……でも啓介だったら仲間だな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「小鳥」 「何?」 「はァはァ興奮する変態に着替え視られたい?」 「····ごめん」
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