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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
序章 幼女としての生活
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第1話 幼女転生

挿絵(By みてみん)

画・草食動物様より


 俺の名前は音無(おとなし) 琴道(ことみち)、一部を除くと普通の高校生だ。俺には幼なじみがいて、名前はアリサといって、ロシア人のハーフである。それともう一人、白石 将吾という俺の親友がいる。

 俺たちは今日は3人で下校していた。本当ならあと4人いるが今日はそれぞれの都合でいない。


「なんでお前みたいなやつが居るんだよ! お前みたいなやつらは全員死ね!」

「待て!」


 すると目の前から刃物を持ち、警察に追われてる女が走ってきた。このまま行くとアリサに刺さる。いや、アリサを()()()()()()


「アリサ!」

「きゃ!」


 俺はアリサを将吾の方に押したところで女が刃物を持ったまま、俺に当たり、刃物が左胸に刺さり、女が刃物で俺の左胸をえぐり、少し後ろに下がった時に普通なら落ちるはずのない生物において最も重要な臓器の1つが抜け落ちた。


「え? 嘘……だろ……」

バタン!

「「琴道!!」」

「チッ!」


 俺を刺した女は逃げて行った。

 あ、これもうダメだ……意識が薄れていく……


「将吾……アリサを頼むぞ……」


 俺はアリサのことが好きだったが、アリサと将吾が俺に隠して付き合ってることだって俺は知ってた。だから俺は将吾にすべてを託す。


「お前らならうまくいく。だから幸せになれよ……俺は……異世界に行って来るからさ……」

「「きんちゃーん!!!」」


 きんちゃんって誰だよ……

 そして俺は目の前が真っ暗になった。











 ここは? どこだ?

 目の前には白い髪に黄色の目をした男の人がいた。

 誰だお前!


『私こそが神だぁーーー!!』


 ……は?


『いや、すまんすまん。でも嘘はついてないよ? それで君はあの二人の行方が気になるよな? 気になるだろ? 気にしてるだろ? だから転生しよう! さあ、いざゆかん! ようこそ新しい人生へ!』


 は? 勝手に決めるn……うわああああ!!








「おぎゃああああ!!」


 ん? ここは? 俺はどうしたんだっけ? 確か死んで変な男にあって、転生……転生か! なるほど! 異世界だな!!


「おはよう、イリス。今日も可愛いね」


 アリサ!? 何故ここに!? お前も異世界に来たのか!?


「アリサ、ここに居たのか。おはようイリス」


 将吾!? お前の登場は望んでないんだよ!! お前もいるせいで俺は異世界に行ってないことほぼ確定じゃねーか!! っていうかイリスって俺のことか? この名前どう考えても女の名前なんだが!? 2度目の人生はハーフの幼女ってか!?


 いや、アリサがハーフだから俺はクォーターか。でもイリスって何処かで聞いたような名前だな。どこで聞いたっけ? まあいいか。どうせ神話か何かだろ。


「イリス、朝ごはんでちゅよ。たくさん飲んでくだちゃいね」


 胸を押し付けるのはやめてくれ。そんなに大きくないくせに……まあ、俺は貧乳派だけどな。巨乳なんぞ理解に苦しむな。ギリギリBが許せるくらいだが、出来ればない方がいい。

 おまけに背が小さくて可愛いくて、幼くて……あれ? もしかして俺って……


「どうしたのイリス? 飲まないの?」


 誰が飲めるか!!


「どうしたのかしら? 将吾どうする?」

「とりあえず今日は様子を見ようか。明日になっても変わらなければ病院にでも連れて行こう」

「それもそうね。じゃあ今日はミルクでも飲ませておくね」


 普通の赤ちゃんはミルクが飲めるなら母乳くらい飲むと思うぞ? まあ、こっちにとっては好都合だ。しばらくはミルクでやり過ごそう。

 もう一度、あの青春をやり直すんだ。そして次はうまくやる……という心にもないことを思ってるのであった。



 それから数日が経ったある日。俺は詰んでいた。


「ほらイリス、飲みなさい! 大きくなれないわよ!」


 無理です。お母さん(親友の彼女)の乳を飲む度胸は俺にはありません。許してください。


「イリスが飲まないなら俺が飲んじゃうぞ?」


 お前は一体何を言ってるんだ? 頭大丈夫か?


「将吾、どうしようか? 病院行ってもアレ以外は何ともなかったんでしょ?」

「ああ、おかしいな。だが、飲まないなら無理に飲ます必要はないんじゃないか? 他の物で代用しよう」


 アレってなんだ? まさか俺が転生者だってバレてるのか!?


「イリス~~お前はアリサに似て可愛いな~♪」

「もう、将吾ったら。この娘は将吾みたいに優しい娘になるのよ? この娘は将吾の娘なんだから! 可愛くて優しいなんて完璧ね! 絶対に頭もいいに決まってるわ!」


 うん、それは大丈夫そうだ。こんな親バカ+バカップルなやつらに転生者なんてわかるわけないか。誤魔化すの簡単そうだな。


 そういえばあの時やたらとたくさん服を着せられたな。動きにくかったぞ。今は冬なのか? 桜がたくさん咲いてたが……


「ほらイリス、ミルクよ」


 まあ、これなら……


「なあ、今度からミルクの瓶にアリサの乳を入れたら飲むんじゃないか?」


 おい、何を考えてるんだ。だいたい、アリサに搾れるような乳なんてないだろ! ……俺も将来はまな板だな。まあ無駄にあるよりはいいな。俺は巨乳が嫌いだからな。


「将吾? 私にどうしろって言うの?」

「いや、すまん。そんなつもりじゃ……なあ、そろそろ熱いし、外に出ないか? アリサ、今夜は寝かさないぞ?」

「もう、そんなこと言って許すとでも思ってるの♪」


 許す気満々じゃねーか!? っていうかこの部屋ってそんなに熱いか? 確かにアリサたちは1時間に1回様子を見に来るくらいだが、普通そんなものじゃないのか?





 それから1年が過ぎ、俺は遂にハイハイができるようになった。これは普通よりも遅れてるらしい。だが、アリサの乳を拒否してたから当然といえば当然である。


「まーま、おそと」

「ダメよ。イリスはここに居ないと」


 何故俺はここから出られないんだ……1度でいいから外へ出せよ!


「じゃあイリス、ママはお掃除してくるからここで待ってるのよ?」


 これはチャンスでは!? ドアノブに手が届かないのはもう知っている。なら、他の人に開けて貰えばいいじゃないか!

 アリサが扉を開けると同時に扉に近づいた。


「えっ? ちょっと!? イリス!」


 寒っ!? 何だこれ!?


「さむい……」

「早くこっちに来なさい! イリスの体は寒さに弱いんだから。イリスが普通に生活するには最低でも40度は必要なのよ。って言ってもわからないか。とにかくイリスはこの部屋から出ちゃうと死んじゃうよ。いい? ここから出ちゃダメよ」

「(コクコク)」


 40度必要って、一体どんな病気なんだよ……


「じゃあママはお掃除してくるからね……あとで鍵でもつけて置かないと、そのうち自分で開け始めちゃうよね」


 いえ、絶対に開けません。2度目の人生をこんなに早く終わらせたくありません。


 ……そういえば『きんちゃん』って結局だれ?


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