よくあるモノローグ&プロローグ
突然だが、この世には星の数だけ本がある。そんな本の中に『ライトノベル』と呼ばれる本がある。
がしかし、この分類は定かではない。どこからが『ライトノベル』なのか。議論の余地がある。
このジャンルに共通する特徴といえば、ほぼ全てに恋愛要素が含まれていることかもしれない。ラブコメはもちろんのこと、異世界転生系なりSFなり、アクション系にもある。
さて、それらの恋愛系の話には、必ずと言っていいほど『テンプレートな話題・展開』が含まれている。ラッキースケベ然り、三角関係、及び多角関係然り……。挙げたらきりがない。
俺は、そんなテンプレをただひたすらノートにまとめ、いざ自分が『恋愛』というものをしたときにどうすれば良いかを分析している。
というのも、俺は中学まで男子校に通っていた。経緯はいつか説明するとして、つまるところ、ホモにでもならない限りは恋愛ができないのだ。
やきもきしていた俺は、高校は私立の共学に進学した。
俺はオタクだから、ラノベの類は何冊も持っている。ならば、それを活かそうと思ってノートを作った。
こうしておけば困らないだろうという、言わばマニュアルのようなものだ。
とにかく、普通に恋をして、普通に結婚して、平穏な日々を送ればいいと思っていた。
この書き方をすれば、「お前は平穏に過ごせなかったのかよ」と思うかもしれない。
––––その通りだ。
俺は、そのノートを巡って起こったこと一つ一つをしっかり対処していた。
このノートを「青春ラブコメにおけるテンプレ考察」と皆は呼んだ。