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採用内定通知
採用内定通知
春雨緑雨秋霖氷雨、季節は移ろい雨は降る。
『プルル、プルル、はい。人事部の子鬼です。谷川くんは、うちには合わない。僕は、ダメだ。ガチャ』
悪鬼執行役員から採用者のリストが送付されてきた。
それから子鬼は、鬼ヶ島へ伝達した。
赤鬼へ伝達。
『はい。』
青鬼へ伝達。
『はい。』
悪鬼に伝達。
『けしからん。』
青鬼から伝達
『怒っている。』
赤鬼から伝達
『なんとかしろ。』
小鬼に伝達
『消せ。』
谷川 百太郎の最後のXアカウント。
『ご健闘お祈り申し上げます。ありえない。くそ。僕に合格点を上げることが、苦しく、恐ろしく、それでも暖かい温もりを与えてくれる、きっともう、いらないんだ。何もいらない。この資格さえあれば。僕からこの資格を取ったら何も残らない。僕を認めてくれる人は、何でもあるけど何にもないんだよ。』
悪鬼役員詩集の最後のページ
『経年機器が幾重に、吾輩を顕正する。臙脂、瑠璃、琥珀色に燦然と輝く。緊褌一番、再出発すると、外は春驟雨だった。』
山谷 華の日記
『私の昔話がある。倒したら幸せになる、殺したら救われる、合格したら認められる、昇進したら報われる、ぜんぶ、ぜんぶ、嘘で、反対だ。』
華は出社した。
そう、私の中で、鬼は今日も元気にしていた。
ここは、鬼ヶ島部採用課。完




