一次面接担当者
一次面接担当者
一井商事 人事部 子鬼主任
東強大学・水産学部出身。27歳、入社4年目。
『(俺は、一井商事で働く、スーパーエリート。ここは、権力の巣窟人事部だ。)』
『(みんなわかってる。俺たちは何もない。学生たちに、できるように、充実しているように見せる。)』
『(隣の席のグループ長、は、勘違いしている。社内での人事権を振りかざせる俺たちは、偉いと勘違いしてしまう。はじめは、優しそうだった彼の目が鬼にしか見えない。)』
『あなたの志望動機は、何ですか。』
『なんかが、それ、なんかがありまして。
うん、ん。うんー。えっと、ちょっと、そうですね、志望動機は。』
『うんうん。(不合格。聞く価値がない。次。)』
『僕の志望動機は、鮪のような人生を歩みたいからです。』
『ほう。(饒舌に喋る、いいね、名前は、谷川 百太郎。)』
グループ長に報告。
『このあれ、鮪試験の子、87点ですからね、はい、つまり、その採りたいですね。そう、はい、そうですね、採用後もこのペースでやってくれるんだったら、いいですよ。(俺が見たんだから説明する意味とかないだろ。何に対する報告だよ。)』
『なぜ。』
『理由はあるんですけれども、そうでございますね、超大型新人だから、どこも採ってくると思います。いまここに来てるので、だったら少し見てくれませんか。(俺にとって雰囲気が良かっただけだよ。)』
『わかった。二次面接は私が担当しよう。』
『ありがとうございますー。』
『はぁ。』
疲れた。ため息が漏れた。
『(俺は、人事部に来てはや、3年。お昼ご飯何を食べるか迷う。パンでもない、米でもない、はたまたレストランでもない。ただ、コンビニのおにぎりだと味気ないし、お弁当をつくる気概も起きない。)』
パスタを食べる。
『(億劫あまりにも億劫。俺は、ご飯を食べているのに満たされないそんな孤独感が襲ってくる。いつもの通り道、いつもの店、いつもの味。明日こそは違う店にしようと。)』
昼食後眠気に襲われる。暗闇に、薄光が照らす。揺らぎ、深めると整い、重く、脱力していく。暖光が、輝っている。ゴトンッ。水筒を置く音が、現実に響く。




