83.遅い『おせち』
「ごめんな、みんな。」と、物部がミラクル9に謝った。
今日は成人の日。午前も午後も予約客で一杯だった。
「どうする?おさむ。」と健太郎がおさむに尋ねた。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合・・・物部一朗太と栞の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖・・・南原龍之介と文子の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。母親が病院の事務員をしている。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
草薙あきら・・・街の発明家。元EITO東京本部勤務。EITO大阪支部のヘレンと結婚予定。
愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署勤務の警部。
大文字学・・・おさむの父。小説家。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
午後3時。喫茶店アテロゴ。
「ごめんな、みんな。」と、物部がミラクル9に謝った。
今日は成人の日。午前も午後も予約客で一杯だった。
「どうする?おさむ。」と健太郎がおさむに尋ねた。
「もう初詣行ったしなあ。公園のグラウンド、改修工事してるし。ニューモール行ってみる?ウインドウスオッピングに。」と、おさむは答えた。
「おさむ、ケイトリンは?」
「帰った。こういう時、便利だよね、軍用機があるから。」
「飛行機代、かからないよね。」と、悦司が口を挟んだ。
「ややこしくなくていいわ。あの子、嫌い。」と珍しく悦子が口を挟んだ。
「なんかさ、本当に婚約したのか?とか婚約式したのか?とか尋ねたらしい。」と、悦子のカレシの継男が健太郎とおさむにそっと耳打ちした。
「何かこそこそ言ってるみたいね。」と言う悦子に、「ニューモールは誰か詳しいかな?って言ってたんだよ。」と良が取りなした。
「満百合ちゃんが詳しいから、大丈夫よ。」と未玖が言った。
アテロゴ裏の駐輪場で、何かこそこそやっている小学生らしい子がいた。
「何か捜し物?」と、健太郎が声をかけると、驚いて逃げて行った。
スパナが落ちている。
悦司が、愛宕警部に電話をかけた。
ミラクル9は、『現場保存』につとめた。
10分後。愛宕警部と交番の警察官がやってきた。
健太郎が、代表して応答した。
「外国人の子供かも知れない。ただのカンだけど。」
「そうか。正月明けから、駐輪場荒しがあちこちでやらかしている。昨日もニューモールでやられた。分解して、どこかへ売るんだ。みんな、二重施錠はしているよね?」
普段から警部から注意しているので、皆頷いた。
「じゃ、後は任せて。どこかへ移動途中だったんだろ?」
午後4時。ニューモール。
皆は、あの少年を見付けた。
気づいた少年は逃げ出した。
慣れないモールだが、手分けして、追い掛けた。
出入り口の1つに、少年は蹲っていた。
側に草薙が立っている。
「救急車。119番だ。」
午後7時。大文字家マンション。
おさむに継男から電話が入った。
「盲腸炎だって。退院したら逮捕になるらしい。」
「常習犯なら、少年院かもね。」
草薙は、学とおさむと一緒に、遅い時期の『おせち』を食べていた。
「何か得しちゃった。今年もよろしくお願いいたします。」
「「今年もよろしくお願いいたします。」」
おさむと学は昭和した。
―完―




