80.風よ!光よ!!
ミラクル9は、皆でテレビのニュースを観ていた。
テレビでは、『最後の太陽光パネル解体』のニュースが流れていた。
釧路湿原の大型太陽光パネル・メカソーラーは、前政権が残した『負の遺産』の1つだった。
設置した、那珂国系の業者はもういない。自国に逃げたのだ。
風力発電の風車、太陽光発電の開発には最初、手を挙げる業者がいなかった。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合・・・物部一朗太と栞の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖・・・南原龍之介と文子の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。母親が病院の事務員をしている。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。
愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署刑事。
鈴木栄太・・・小学校校長。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
午後3時。喫茶店アテロゴ。
ミラクル9は、皆でテレビのニュースを観ていた。
テレビでは、『最後の太陽光パネル解体』のニュースが流れていた。
釧路湿原の大型太陽光パネル・メカソーラーは、前政権が残した『負の遺産』の1つだった。
設置した、那珂国系の業者はもういない。自国に逃げたのだ。
風力発電の風車、太陽光発電の開発には最初、手を挙げる業者がいなかった。
阿倍野元総理の頃だった。
そこで、推奨補助金制度が出来た。
「再生可能エネルギー」という美名で始まった開発は、東日本大震災で原発の稼働停止運動の煽りを受けて、窮余の一策で始まった。
ところが、志田元総理は、阿倍野元総理の暗殺以後、仲間の議員達と利権に変えて行った。
早い話、メカソーラーは、家庭用のソーラーパネルの延長線上で考えられ、何の制限も加えられないまま進行していった。
あれだけ土地開発での山林切り崩しが環境破壊の大問題だと騒ぎになったのに、『お上のお墨付き』で、地元の電力を補えるから、と設置が進み、いつの間にか業者は那珂国に代わり、パネルは那珂国製の『安かろう不味かろう』製品が使用された。
その設置に、通称『ハニトラ議員』が活躍した。
志田元総理は、命の危険を感じるや、仮病を使って、市橋総理に交替、市橋総理は継続して、ずっと『尻拭い政治』を行って来た。
那珂国のマフイアの一部ダークレインボウとの直接対決をする機関が無かった為、立ち上げられたのがEITOであり、悦司の母みちるや、おさむの母伝子、健太郎の母あつこが参加した。
飽くなき戦いは続いている。
伝子達は、敵と戦いながら、市橋総理や政府要人も守って来た。
那珂国に取って、市橋総理は『目の上のたんこぶ』だった。
市橋総理は、メカソーラー開発を中止。さほど電力産まず、開発援助用の電力会社の援助金上乗せを止めさせた。メカソーラー開発開始当初は『簡単に解体』出来る筈だったが、その画期的製品は、那珂国の暗躍によって倒産した。
市橋は、優先順位を決め、メカソーラーを解体。跡地の再開発のプロジェクトを始動した。
ニュースが終ってから、物部から解説を受けたミラクル9は、鈴木校長からも話を聞いた。
「極端な言い方をすると、政治家は『算数』が出来ない。政治家にサポートしている官僚も、受験勉強伸しすぎで「丸暗記」しか出来ない。専門家を選ぶ目がないから、適当なことを言い、お世辞を言う専門家しか呼ばない。君たちが産まれる前の、流行病のコロニーもバカ揃いで賛嘆たる結果だった。ビールスを開発したのも那珂国、ビールスを運んだのも那珂国、OBQ検査という、ただの『試験紙』を売りまくったのも那珂国。那珂国は、本当は日本をビールスで壊滅させたかったらしい。ところが、日本人の一部でしか感染しないから、その頃の、オールドメディアと呼ばれたマスコミを使ってOBQ真理教を作った。恐怖を煽り続けて。真相が明らかになったのは、収束してかなり経ってから。利権というのは恐ろしい。だから、私は会社を捨てた。他に売った。」
「え?ひょっとしたら?」と物部が尋ね、「そう。OBQ検査の会社を経理していた。社会の為にならないと知り、一般公募の校長に応募した。お陰で、君たちの親御さん達やマスターと知り合い、君たちとも仲良くなれた。」と、鈴木は応えた。
「それは、知らなかったなあ。」と、言いながら愛宕警部が入って来た。
「なに、自慢出来る話じゃないからね。釧路湿原もこれからだ。まずは、絶滅危惧種の動物たちをきちんと保護しなくちゃね。」
「動物園になるんですか?校長先生。」
「さあ、どうだろうね。もう2度とこんな幼稚な間違いは犯して欲しくはないね。風も太陽光も自然エネルギーだ。だが、常時得られるエネルギーではない。あんなデカいもの作る位なら、各家庭にソーラーパネルを無料で配布、メンテナンスも自治体持ちにすれば良かったんだ。温泉を破壊してまで、あんなのに夢中になって、呆れたよ。」
「温泉は、自然エネルギーですよね。」と、おさむが言い、「その通りだ。日本人はいつも自然と『仲良し』だったんだ。」
鈴木は、コーヒーのお代わりを啜って、こう締めた。
「君たちも、自然エネルギーだ。」
―完―
※この物語は勿論、架空のお話ですが、メガソーラーの停止は現実のお話です。
あれだけ土地開発での山林切り崩しが環境破壊の大問題だと騒ぎになったのに、『お上のお墨付き』で、地元の電力を補えるから、と設置が進み、いつの間にか業者は那珂国に代わり、パネルは那珂国製の『安かろう不味かろう』製品が使用された。
その設置に、通称『ハニトラ議員』が活躍した。




