表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/67

8.奇跡のブーメラン

千香乃が言った。「聖火ランナー、走ってる!」

「違う。あれは松明だ。」辰巳は、さっと片づけさせて、モールに戻った。

燃えていたのは、モールの端の交番だった。


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 物部満百合まゆり・・・物部一朗太としおりの娘。

 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。

 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。

 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。

 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。

 服部千香乃ちかの・・・服部源一郎とコウの娘。

 南原未玖みく・・・南原龍之介と文子ふみこの娘。

 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。

 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。


 愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署警部。

 久保田嘉三管理官・・・警視庁管理官。健太郎の大叔父。

 久保田あつこ・・・健太郎の母。警視正。

 久保田誠・・・健太郎の父。警部補。嘉三は叔父。

 橋爪哲夫警部補・・・愛宕警部の同僚。丸髷署生活安全課。

 物部一朗太・・・喫茶店アテロゴマスター。大文字伝子の同級生。

 辰巳一郎・・・アテロゴのウエイター。

 辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。


 ==============================

 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 午後3時。喫茶店アテロゴ。

「マスター。いいの?これ。」と、健太郎は言った。

「もらい物だけどな。少ないし。但し、水の入ったバケツ持参。大人が付き添い。モールの外の公園。辰巳、付いていけ。」

 物部の指示に従って、健太郎達ミラクル9は、モール外れの公園にて、花火で遊んだ。

 完全に燃え終った頃、めぐみが叫んだ。「あ。燃えてる!!煙が出てる!!」

 千香乃が言った。「聖火ランナー、走ってる!」

「違う。あれは松明だ。」辰巳は、さっと片づけさせて、モールに戻った。

 燃えていたのは、モールの端の交番だった。

 交番の巡査達が、懸命に通行客とバケツリレーで消火していた。健太郎達も加わろうとしたが、千香乃が言った、松明男が、ゆっくりと、モールの中を彷徨って歩いていた。

 走っていたが、息切れしたのだろう。

「止めてー!!」未玖が叫んで、男の方に向かった。

 男は、片手に松明を持ったまま、もう片手で未玖を抱きしめた。

「しまった。」辰巳は、すぐにアテロゴの物部に電話をした。

「分かった。」そう返事した物部は、走って来た。

 消防車が近づいて来た。警察官も、やって来た。

 未玖を人質に取られたので、警察官達は、迂闊に手を出せない。

 おさむは、ブーメランを握る健太郎に向かって言った。

「健太郎。深呼吸して、心眼で見るんだ。褒められようと思わない。この間の悦司の動画を見ただろう?」

「分かった。」健太郎は、神経を集中した。1分後。健太郎は松明男の松明を持った腕を目がけて、ブーメランを投げた。

 ブーメランは、見事に男の腕に当たって、松明が落ちた。

 しかし、ブーメランは健太郎に戻って来なかった。

 その跳ね返ったブーメランをキャッチした人物がいた。

 他ならぬ、久保田嘉三、即ち、久保田管理官だった。

 男は錯乱して、未玖を突き放して、松明を拾おうとしたが、松明は水流で消火された。

 不動産屋の近くにある消火栓からホースを出して、物部と辰巳が放水したのだ。

 辺りに、拍手が巻き起こった。

 駆けつけた、愛宕警部と橋爪警部補が、男を逮捕連行した。久保田管理官に一礼して。

 久保田管理官は、健太郎の肩を叩き、ブーメランを返した。

「よくやった。大叔父さんは、嬉しいよ。」

 ミラクル9のメンバーが拍手しながら笑っていた。

 午後7時。久保田邸。

「健太郎。よくやった。今夜は赤飯だ。久しぶりに母さんと寝るか?」

「反応するから、ダメ。」「こいつう、ナマいいやがって。明日から特訓だ!!」

「ええ?」

「余計なこと言うからだよ。父さんは味方しないぞ。父さんは母さんの味方だから。」

「そんなあ。」

 一同は、爆笑した。

 ―完―




このエピソードは、既に他のサイトで公開した作品ですが、よろしければ、お読み下さい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ