79.万引きおやこ
店員は、明らかに万引きと判っている。
本屋は、ビデオレンタル店のようにタグ管理していない。
そして、モールの店はドアがない。
防犯カメラはあっても、やったもん勝ちだ。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合・・・物部一朗太と栞の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖・・・南原龍之介と文子の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。母親が病院の事務員をしている。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。
愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署刑事。
原田美和子・・・原田正三と伊登子の娘。
原田正三・・・EITO情報分析部部長。美和子の父。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
午後4時。モールの本屋得屋モール店。
おさむと健太郎が本を探していると、入口で言い合う声が聞こえた。
「だから、今、バッグに入れた本は未精算ですよね?急いでおられたから、精算を忘れたんですよね。」
店員は、明らかに万引きと判っている。
本屋は、ビデオレンタル店のようにタグ管理していない。
そして、モールの店はドアがない。
防犯カメラはあっても、やったもん勝ちだ。
「健太郎。警部に連絡してくれ。」と、おさむは言い、店員と、親子に近づいた。
昔はスリップ管理と言って、ある程度万引き防止の目安にもなっていた。
スリップとは、本に挟んでいる注文票を兼ねた買い上げ伝票のことだが、コンビニで本を取り扱いするようになってから、このスリップでの店の店数制度は無くなった。
怪しい奴は怪しい。でも、性善説で商売は成り立っていた。
万引きの手口も巧妙だったり、外国人の犯罪が多かったりで、店はセキュリティーにお金をかけられず倒産するケースが10年以上増え続けている。
今は、ネット通販で購入出来るので、新しい本を綺麗なままで読みたい人は、そちらを利用する。
突然、何かのキッカケで、親子2人は駈け出した。
だが、別別の方向に逃げた二人は、すぐに『御用』になった。
親の方は、健太郎から連絡を受けた千香乃、未玖、みどり、悦子、満百合、めぐみが取り囲んだ。
子供の方は、悦司、良、継男、健太郎が追いついたが、エレベーターを逆走して逃げた。
エレベーターの下に美和子を見付けた健太郎は、叫んだ。
「美和子、万引き!!」
察した美和子は、その子供の後頭部目がけて跳び蹴りした。
その子供は、数メートル飛んだが、キャッチした人物がいた。
原田正三だった。
愛宕警部が到着した。
「原田さん!!」と、思わず愛宕は叫んだ。
「たまには娘孝行と思って買物に来たら、『とんだ』アクシデントだった。」
ミラクル9に『連行』されてきた親は、子供と共に警察に連れて行かれた。
「父さん。正面じゃ亡いからブロック出来なかった。」と悦司が言うと、「仕方無いさ。氏名手配中の那珂国人親子だから。前科沢山、ってやつ。」と応えた。
「日本語の本、読めるの?」と満百合がクビを傾げると、「転売するんだよ。彼らにとっては本じゃない。物体だ。」と、おさむは言った。
「物体か。おさむにとっては、宝物でも、奴らには物体なんだね。」と、美和子が感心した。
「久しぶりだね、おさむ君。ミラクル9のことは、副隊長からも隊長からも聞いてるよ。」
「あ。みんな。私の父さんだ。よろしくな。」と、美和子は言った。
「判るわよ、眉毛、そっくりだし。」と、未玖は言い、皆は笑った。
美和子親子と愛宕警部に別れた皆は、アテロゴに向かった。
―完―
※本屋さんのセキュリティー事情は、私の本屋店員時代の記憶からで、現実が違うようでしたら、ごめんなさい。
クライングフリーマン
万引きの手口も巧妙だったり、外国人の犯罪が多かったりで、店はセキュリティーにお金をかけられず倒産するケースが10年以上増え続けている。




