77.草薙の恋愛
今日は、七五三の日で、賑わっていた。
一人の少年が、はしゃいで走り回り、大人にわざとぶつかり、ふざけていた。
高齢者の男性が、ぶつかられ、真後ろに倒れた。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合・・・物部一朗太と栞の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖・・・南原龍之介と文子の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。母親が病院の事務員をしている。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。
愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署刑事。
指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。通信担当をしていたが、EITOを引退。
草薙あきら・・・EITOの警察官チームの特別事務官でホワイトハッカーの腕を見込まれ、EITO東京本部の指令室勤務をしていたが、EITO引退後、発明家をしている。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
11月15日。午後2時。モールのシネコン外。
今日は、七五三の日で、賑わっていた。
一人の少年が、はしゃいで走り回り、大人にわざとぶつかり、ふざけていた。
高齢者の男性が、ぶつかられ、真後ろに倒れた。
ミラクル9が通りがかり、みどりと未玖と千香乃、めぐみが介抱した。
悦子が健太郎の指示で救急車を呼んだ。
「いや・・・いや、大丈夫。」
「何、すんだよ。」と良は、その男の子の頭を押えて言った。
子供は泣き出し、母親が来て、「ウチの子に何すんのよ。」と言って、良を叩こうとした。
その母親の手を掴んだ女性が言った。
「私、見てたわ。その子、色んな人にぶつかりに行って走ってた。親の顔みたいもんや思ったらアンタかいな。」
「何すんの、離して。この子は悪くない。泣いてるじゃないの。」
「ああ。嘘泣きでな。あ、〇〇や!!」と、その子の興味を持ちそうなアニメのキャラクターの名前をその女性が叫ぶと、その子は泣く真似を止め、キョロキョロした。
いきなり、その女性は、母親を平手打ちした。
「ぶつかった人全部に、とは言わん。そのお爺ちゃんに謝り!!」
倒れていた老人は後頭部を押えている。
間もなく、救急隊員を誘導してきた、おさむと継男が千香乃達に介抱されている老人のところに連れてきた。
「僕は、僕は悪くない!!」そう言って、駈け出した子の行く手を塞いだのは悦司だった。
悦子が、その子を平手打ちした。
「お爺ちゃんに謝れ!!将来政治家になるのか?自衛隊放り出して一人逃げ出す宗理大臣になりたいのか?」
救急隊員は、ストレッチャーに乗せられ、運ばれて行った。
愛宕警部は、親子を連れて行くように部下に命じて、関西弁の女性と、連れの男性に向き直った。
「ヘレンちゃん。それに草薙さん。びっくりのカップルだな。」
午後4時。喫茶店アテロゴ。
「そうか。草薙さん。大阪支部のヘレンちゃんと付き合っていたのか。知らなかった。大文字は?」
「まだ、誰にも言ったことが無かったので、文通してたこと。」
「文通・???」皆が驚いた。
「後釜に通信担当交代して引退したのが5年前。母の介護してたんでうけど、去年、亡くなりました。誤嚥性肺炎で。一周忌済ませたので、東京に引っ越してきました。草薙さんが『僕の家で文通しませんか?』って言ってくれたので。」
「洒落たプロポーズね。」と、奥から出てきた栞が言った。
「先輩に報告しておくよ。式は?依田さんのホテル、になるだろうな。ねえ、マスター。」
「ああ。皆で祝おう。そうだ、前祝いしよう、辰巳、『貸し切り』の札出してくれ。」
「はい。」
「あの親子は厳重注意くらいだろうけど、ああいう親子っているんだよなあ。怒ったら、『ほら怒られた』ってひとのせいにしていいこぶる親。子供は、親が何とかするからって謝らない性格に育つ。」
「僕は、親が2人とも厳しいから、いつも謝ってますよ。」と、草薙とヘレンに向けて悦司が言った。
「ウチもぐれてた時期あったけど、チーフに助けられた。チーフって言う人は、話に出てきた大文字さんの従妹で、チーフにEITOに誘われたから入った。失敗したけど、皆で庇ってくれた。」
ヘレンは、大阪からEITO東京本部の応援に来て、身バレしてしまい、週刊誌記者につきまとわれたことや、退職していたのに休職扱いになっていたこと、通信士になったことなどをミラクル9に話した。
「草薙さん、結婚式、僕らも呼んでくれるよね。」おさむが言うと、「いいよ。まだまだ先だけどね。昨日引っ越したばかりなんだ。」と草薙は嬉しそうに応えた。
閉店まで、ティーパーティーは続いた。
―完―
「何、すんだよ。」と良は、その男の子の頭を押えて言った。
子供は泣き出し、母親が来て、「ウチの子に何すんのよ。」と言って、良を叩こうとした。




