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76.お祖母ちゃんの恋愛

おさむ達は、いつものように野球をしていた。

ベンチに、お婆さんが座っていた。

おさむが、水分補給に水筒の水を飲むと、「バス、なかなか来ないねえ。」と言った。

後から来た良が首を傾げた。


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 物部満百合まゆり・・・物部一朗太としおりの娘。

 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。

 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。

 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。

 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。

 服部千香乃ちかの・・・服部源一郎とコウの娘。

 南原未玖みく・・・南原龍之介と文子ふみこの娘。

 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。

 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。


 南出良みなみでりょう・・・転校生。千香乃と同じクラス。

 片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。母親が病院の事務員をしている。


 物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。

 辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。

 辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。


 愛宕寛治・・・悦司の父。丸髷署刑事。

 大文字綾子・・・おさむの祖母。介護派遣会社を経営している。

 大文字伝子・・・おさむの母。

 大文字学・・・おさむの父。



 ==============================

 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==


 午後4時半。

 おさむ達は、いつものように野球をしていた。

 ベンチに、お婆さんが座っていた。

 おさむが、水分補給に水筒の水を飲むと、「バス、なかなか来ないねえ。」と言った。

 後から来た良が首を傾げた。

 良が何か言おうとしたとき、ワゴン車が止まった。

 車から出てきてのは、おさむの祖母綾子だった。

 綾子は、おさむに向かって指を自分の唇に立て、合図を送った。

「過多山さん。バス、もう出ちゃったみたい。私が送って行くわ。」

 綾子は、過多山というお婆さんをワゴン車に乗せ、走り去った。

 おさむは、小さく手を振った。

「今の、おさむのお祖母ちゃんじゃ無かった?」

「うん。今介護の派遣サービスの会社を経営しているんだ。時々、介護施設から徘徊してしまう高齢者がいるって聞いたことある。そういう人を探すのも仕事の1つだって言ってた。」

「僕らだと、制服見ただけで警戒されてしまうからなあ。前に保護しようとしたら、『私は何も悪いことしていません。神様、仏様。』って暴れられたことがある。先輩のお母さんは、いいとこに気が付いたよ。介護事業者も競争が激しいからね。」

 そう言って、愛宕警部は悦司に、新しいグローブを投げて、どこかに行った。


 午後7時。大文字家のマンション。

「昔、どこかの施設で、施設の玄関前にベンチとバス停っぽいもの置いたの。『バスはもう出た』って言えば、大人しく中に入る。それで、どこでもダミーの停留所ポールを置くようになったの。その施設は、急に修理に出したの。他風で壊れたらしくて。」

「それで、脱走、ですか。お義母さん。」

「そうなのよ、婿殿。あ、調べておいてくれた?」

「はい。」学はメモを綾子に渡した。

 それを見た、おさむは、「聞いたことない単語もあるな。地域差だね。」と言った。

 綾子が帰った後、「お祖母ちゃん、結婚するの?」と、おさむは伝子に尋ねた。

「なんで?」「シネコンから男の人と腕組んで出てくるの、見たことあるんだ。」

「事実婚、ってヤツだな。結婚はしないだろうな。『そっと見守るのも愛情』だよ。」


 翌日。午後3時。喫茶店アテロゴ。

「『そっと見守るのも愛情』か。いいこと言うな・・・てか依田の受け売りじゃないか。」と物部は笑った。

「多分、俺が話しても2人とも怒らないだろう。おさむの両親は、最初は同棲だったんだ。後で『事実婚』って便利な言葉が出来たけどな。依田が、悦子のお父さんが『愛のキューピッド』をやったんだ。依田も福本も心配していたよ。何故2人は正式に一緒にならないのかって。でも、強要なんかしなかった。世間の常識なんか押しつけ無かった。『戦先輩』『高遠』って、何時までも呼び合ってた。でも、結局、一緒になって、後におさむが産まれた。」

「敵から守るのに必死だったって聞いてますよ、マスター。」と、おさむが言った。

「小学校に上がって、やっと一緒に住むようになったんだよね、おさむ君。」栞が目を細めて言った。

「すくすく育ってくれたよ、自慢の孫です。」と言いながら入って来たのは、綾子だった。

「自慢のお祖母ちゃんです。」と、おさむが返して、皆は笑った。


 ―完―



「過多山さん。バス、もう出ちゃったみたい。私が送って行くわ。」

綾子は、過多山というお婆さんをワゴン車に乗せ、走り去った。

おさむは、小さく手を振った。

「今の、おさむのお祖母ちゃんじゃ無かった?」


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