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40.じつは

80歳くらいだろうか?おさむは「落とし物?何落したの?皆で探してあげるよ。」と、言ってみた。

ベンチには、おじいさんの私物らしい財布やスマホがある。

「実は、それが、分からないんだよ。」


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 物部満百合まゆり・・・物部一朗太としおりの娘。

 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。

 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。

 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。

 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。

 服部千香乃ちかの・・・服部源一郎とコウの娘。

 南原未玖みく・・・南原龍之介と文子ふみこの娘。

 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。

 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。


 藤堂所縁ゆかり・・・健太郎の担任。ミラクル9の顧問。

 愛宕警部・・・悦司の父。

 南出良みなみでりょう・・・転校生。千香乃と同じクラス。

 草薙あきら・・・元ホワイトハッカーで警視庁からEITOに出向していた職員だったが、今はアマチュア発明家をしている。

 大文字伝子・・・おさむの母。

 大文字学・・・おさむの父。


 ==============================

 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 午後3時半。モール近くの公園。

 ベンチで、野球帽を被った良が、おじいさんと話している。

「困ったねえ。」「困りましたねえ。」良は、オウム返しに言った。

「何が困ったのかな?」と、通りがかった草薙が声をかけた。

 向こうに健太郎達が見える。

「おおおおおいい!!」草薙は両手を振って合図した。

 健太郎達は、急いでベンチにやって来た。

「何だ、良。帽子とグローブ、あったんだ。」

「うん、それはいいけどさ。おじいさんが、さっきから困った困った、って・・・お前ら探偵団なんだろ?助けてくれよ。」

 80歳くらいだろうか?おさむは「落とし物?何落したの?皆で探してあげるよ。」と、言ってみた。

 ベンチには、おじいさんの私物らしい財布やスマホがある。

「実は、それが、分からないんだよ。」

「持ち物勝手に触るのは不味いしなあ。健太郎君、交番のお巡りさん、呼んでみて。」

 お名前カードが、はみ出ているので、住所氏名は分かりそうだと判断した草薙は健太郎に指示をした。

 健太郎は、スマホを取り出して、電話をした。

 5分ほどして、モール横の交番から、当番の巡査と愛宕警部がやってきた。

 事情を聞いた愛宕は、お名前カードを確認。認知症の疑いもあると考えて、本署から家に連絡して貰った。

 ベンチの回りを探していた、悦司、悦子、みどりは何も見付けられなかった。

「取り敢えず、お聞きしますが、角田さん、財布の中で無くなっているものはないですか?」

 愛宕の問いに、おじいさんは、お名前カード、診察券カード、モールの店のカード、キャッシュカード、クレジットカード、分厚い札、小銭を確認していった。

「随分と色んなものが入っているけど、無くなって困るモノは無さそうだなあ。」と、草薙は言った。

「父さん、その診療所、今日は定休日だよ。」「そうか。じゃあ、診察前で困るパターンじゃ無いな。」と愛宕親子は言った。

「あ。」「どうした、未玖。」「暗証番号じゃない?キャッシュカードやクレジットカードがあるもの。」「それは違う。実は、もうクレジットカードは期限が切れてる。キャッシュカードは、普段使わない方だ。」と、今度は『困らず』角田さんは応えた。

「え?どうして?」と首を傾げる満百合に、おさむは「ひったくり対策だよね。頭いいなあ。」と言った。

「うん。ひ孫がいれてくれたんだ。お札も4枚目から偽物だ。」

 愛宕は、札を確認した。「頭のいいのは、ひ孫さんだな。」

 そこへ、モールの方角から中年の女性がやって来て、千香乃とめぐみが連れに行った。

「お父さん、どうしたの?私はだあれ?」「実は、可愛い娘の美紀子。」

 認知症の疑いは晴れた。

「何があったの?」「何かを思い出そうとして、忘れたみたいなんだ。」

「家を出てから、気がついたの?」「うん。家を出る前は覚えていた気がする。」

 草薙は、一計を案じて「じゃあ、家に戻れば思い出すかも知れない。警部、俺、ミラクル9と家に行ってみますよ。」と言い、角田さんの娘と一緒に出かけた。

 愛宕達が帰ろうとすると、藤堂先生がやって来て、キョロキョロと辺りを見渡している。

「わすれもの、だな。」と、愛宕は笑った。

 午後4時半。おじいさんこと角田の家。

 モールから、案外近い家だった。

 角田さんは、いつものように動いてみて、と草薙に言われて朝、歯を磨くところから始めた。

 呆れながら、皆はゾロゾロとついて行った。

 食事をしたり、テレビを観たり、パソコンを開いて閉じて・・・角田さんは思い出した。

 そして、和箪笥の上にある辞典類から百科事典を取り出して、書類と『実印』を取り出した。

「実は、私は結婚するんだった。」

 事情を聞いて、健太郎は母に電話した。

 健太郎は、スピーカーをオンにした。

「相手の名前は?」

 5分程して、健太郎の母、あつこから応答があった。

「今、捜査員を送った。その多部鈴子って女は詐欺師よ。健太郎、お手柄よ。」

「ありがとう、かあちゃん。」

 大きな音がした。

 角田さん親子が昏倒していた。

 午後7時。伝子のマンション。

「忘れた地点近くに行けば思い出すことは、確かにあるけどねえ。」

「老いらくの恋、恋は盲目か。学、いいネタになる?」

「何百回も書いたよ。編集長に出したら、即ボツだな。」

「いい夫婦だね、父さん、母さん。」

「生意気言うな。」

 伝子は、愛息にデコピンをした。

 ―完―


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