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36.臨終の立合い

中央の通路を『電動キックボード』の黒ずくめの集団が走っていた。

買い物客は、最初、映画の撮影かと思った。

走っているのは男5人で、ヘルメットはしていなかった。


 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 物部満百合まゆり・・・物部一朗太としおりの娘。

 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。

 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。

 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。

 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。

 服部千香乃ちかの・・・服部源一郎とコウの娘。

 南原未玖みく・・・南原龍之介と文子ふみこの娘。

 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。

 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。


 物部一朗太・・・満百合の父。喫茶店アテロゴのマスター。

 物部栞・・・満百合の母。

 辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。

 草薙あきら・・・元ホワイトハッカーで警視庁からEITOに出向していた職員だったが、今はアマチュア発明家をしている。


 藤堂所縁ゆかり・・・健太郎の担任。ミラクル9の顧問。

 藤井進・・・伝子のマンションの仕切り隣の藤井の孫。大学卒業後、サラリーマンをしていたが、警察官になった。丸髷署巡査部長。

 池上葉子・・・池上病院院長。

 真中瞳・・・池上病院看護師長。


 ==============================

 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==

 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==


 午後3時半。モール。

 中央の通路を『電動キックボード』の黒ずくめの集団が走っていた。

 買い物客は、最初、映画の撮影かと思った。

 走っているのは男5人で、ヘルメットはしていなかった。

 交番の巡査が走って追い掛けようとしたが、追いつくはずはない。

 自転車で追い掛けたが、やはり追いつかない。

 同級生から異変を聞いたミラクル9の面々は、ローラースケートで『挟み撃ち』をしようとした。

 だが、それがいけなかった。

 大人達は武道の心得があるのか、モールの空き店舗の前に駐車していたパネルバンに、ローラースケートごと押し込んだ。

 拉致されたのは、おさむ、健太郎、悦司だった。

 満百合は、目の前で起ったことを、物部に報告した。

 未玖は、110番をした。

 めぐみは、追いついて来た、警察官と藤井巡査部長に説明した。

 悦子は、草薙に電話をした。

 みどりは、藤堂先生に電話で報告をした。

 最後に来た、千香乃は、戸惑った。

 千香乃は、ふと思い出して、DDバッジを強く押した。

 物部と辰巳は、走って来た。

「え?男子3人か。悦司は柔道チャンピオン・・・でも、大人にはかなわないか。」

「一瞬だったの、お父さん。」と満百合は言った。

「今、署には連絡したけど・・・。」と言う藤井に、「EITOにも頼もうか。」と、物部が言った。

 交番の巡査はきょとんとしていたが、藤井は、「マスターから頼めますか?」と物部に尋ねた。

 すると、スピーカーをオンにしていた悦子のスマホから草薙が言った。

「EITOには、もう連絡しました。誰かDDバッジ、押してくれたんだよね?」

 千香乃が、「私、押しました。」と言った。

「それだけでも、緊急事態発生!の合図にはなるんだ。健太郎君達の位置は、渡が追ってくれている。マスター。アテロゴを臨時本部にお借り出来ますか?」」

「勿論だ。辰巳、臨時閉店だ。いや、貸し切りだ。」「了解!!」

 辰巳と物部は去って行った。

 ミラクル9は、駈け出した。

「我々も行こう!」と、藤井は交番巡査に言い、自らも走った。

 交番巡査も走った。

 午後5時。喫茶店アテロゴ。「貸し切り」の札が下がっている。

「マスター。身代金、どこに請求するんでしょう?」と、辰巳が言った。

「警視正にも愛宕警部にも、既に子供達からも警察からも連絡が行っている筈だ。みちるちゃんも大文字も敵と交戦中だ。だが、なんで病院に?」

 そこへ、愛宕がやって来た。

 藤井と交番巡査は敬礼をした。

「マスター。状況は?」「たった今、バンの移動先が池上病院だと連絡が入ったばかりだ。院町は今、オペ中らしい。」

「じゃ、取り敢えず、池上病院に移動しましょう。」と、愛宕が言い、行こうとする物部を栞が止めた。

「私が行くわ。満百合。皆で行こうね。」

「あなたは、高遠君への連絡係よ。」

 物部は情けない顔になった。

 午後6時半。池上病院。高尾の病室。

 栞達が、病室に着くと、簡単に通してくれた。

「あんまり、長い時間はダメよ。」と、池上院長は満百合に優しく言い、病室の外で、「あんたらは、しっかり警察に絞られなさい!!単細胞!!」と、黒ずくめの男達に怒鳴った。

「院長。声が大きいですよ。」と真中看護師長が窘めた。「あ。御免なさい。」

 満百合が見ると、高尾のベッドの脇に健太郎、おさむ、悦司がいた。

 健太郎が説明していると、愛宕と藤堂と草薙が入って来た。

「父さん。この高尾有紀さんは、モールで時々、僕らの野球を見てくれているんだ。ファンクラブって言いながらね。先生、会ったことあるよね。」

「会社の会長さんだったわね。どうしてこんなことに・・・。」

 藤堂の言葉に「先生。誘拐でも拉致でも無かったんです。お孫さん達が突飛な行動したのは事実ですけどね。」と、健太郎が言った。

「話していいですよね?高尾さん。」と、おさむが脇から言った。

 高尾は、僅かに頷いた。

「高尾さんは、がんなんです。最後に『奇跡の子供達、ミラクル9に会いたい』って言って。あの辺りで騒ぎを起こせば、僕らが集まるだろうって計算だった。あの人達、いや、あの子達、まだ中学生ですよ、先生。草薙さん、愛宕警部。」

 その時、ベッドサイドモニターに異変があった。アラームが鳴る。

 池上院長と真中看護師長、担当医が跳んでやって来た。

 高尾の孫も入って来た。

 五分後・・・。

 担当医が首を振り、臨終時間を告げた。

「五郎さん。無駄じゃなかったよ。おじいちゃん、笑ってる。」

 健太郎達は、藤堂に促されて病室を出た。

「とんだ誘拐劇だったわね。でも、結果オーライか。」

「そうでもない。交通違反だからね。」と、愛宕が言うと、「父さん、情状酌量は?」と悦司が尋ねた。

「偉いさんが決めることさ。帰ろう、悦司。」

「私たちも帰ろう、満百合。」

「よし、ミラクル9。今日は解散!!明日レポート2枚!!」

「厳しい監督だなあ。」と、草薙と藤井が笑った。

 ―完―


このエピソードは、既に他のサイトで公開した作品ですが、よろしければ、お読み下さい。

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