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転生未遂から始まる恋色開花  作者: にぃ


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63/128

第63話 究極の選択

※性的描写がございます。

 というより下品かもしれません(汗

 苦手な方はこの回を飛ばしてもらっても大丈夫です。

 ストーリー進行には特に影響ない回でございます。

 

 キュアぴゅあはヒロイン1人に付き3回エロシーンがある。

 物語が進むとみーやの2回目のエロシーンへと突入していった。


「う……っわぁ……わわ……」


 画面の中であどけないヒロインが真面目主人公と行為をしている。

 直視できないのか、雫は片目を閉じながら画面をちらちら盗み見るように閲覧していた。


「弓くん。モザイク取れないんですか?」


 対してこっちのお嬢さんはもはや全然動じていない。

 それどころか全国のエロゲユーザーが切望している仕様の訴えを行っていた。


「取れないね」


「むぅぅ。一番見たい場所を隠すなんて……ゲーム業界は鬼畜ですね」


「本当そうだね」


 花恋さんの言葉はやや適当に流す。

 僕も僕でいっぱいいっぱいなのだ。

 だって美少女二人に囲まれてエロゲだよ? こんな状況で余裕かませる男がいるなら見て見たい。


「あれ? 選択肢がでました」


「あっ……」


 忘れてた。

 エロゲはエロシーンに選択肢を入れてくる場合が多い。

 即ち——『中に出す』か『外に出す』だ。


「弓くん。どっちの方がいいのですか?」


「……んと……ストーリーには一切関係ない選択肢なので……好きな方で……」


 中か外かどっちが好きなのかを聞いているようでとてつもない背徳感が押し寄せる。


「せっかく3人いるのですし、多数決を取りましょう」


「「お願いだからこっちに振ってこないで!」」


 僕と雫のツッコミがピッタリ重なった。

 なんてことを言ってくるんだこの娘は。

 中派か外派かなんて聞いてこられても困る。

 花恋さんはにやりと口元で笑みを浮かべ、意地悪そうに僕らを巻き込んでくる。


「駄目です。ささ。答えてください。どっちですか? 水河さん」


「私から!?」


 花恋さん、一番初心そうな雫を敢えて最初のターゲットにしたな。

 雫はどう答えるのだろう。僕も黙って彼女の答えを見守ることにした。


「…………外で」


「「~~~~っ!」」


 真っ赤にして恥ずかしそうに答える雫の様子があまりにも官能的で、僕と花恋さんは茹でタコのように沸騰されていた。


「そ、そうですか、水河さんは、その、外派、なんですね」


「派閥とかそういう話じゃないよ! じょ、常識的に考えてだからね!? 避妊用意無しに中は……その……駄目なんだからね!」


「「~~~~~~~~~~~っ!!」」


 一生懸命言い訳している様子と、雫の口から『避妊』とか『中は駄目』とかいう普段の彼女からは想像もできないセリフに僕らの熱暴走は更に大加速していた。

 そうだよね。純真さが特徴の雫でもそういう性知識は持っているよね。


「私ばかりに恥ずかしいこと言わせないの! さあお前らも言え! どっちだ!?」


 ずずいと雫は花恋さんに詰め寄った。

 仕返しと言わんばかりに、僕よりも先に彼女に答えさせるつもりだ。


「わ、私は……中で……」


「「~~~~~~~~っ!!」


 てっきり雫と同じ理由で外を選ぶのかと思ったが、意外にも意見が割れていた。

 ていうか……中なんだ……花恋さんは中がいいんだ……

 覚醒花恋さんならどっちを選んでもおかしくはないとは思っていた。

 でも、なまじ覚醒前の彼女を知っているから、あの消極的だった彼女が『中』を選んだ事実が僕を激しく動悸させる。


「いや、この二人かなりの大恋愛を通してやっとここまでたどり着いたのですよ! だから、その、身も心も最高天までつながってほしいというか、親心に似たプレイヤー心理が働いたのです。ですので中の方が二人は最高に幸せな気持ちになれるんじゃないかなーって」


 思ったより感性的な理由だった。

 一緒にエロゲやっていて思ったけど、花恋さんは結構キャラクターに感情移入するタイプのようだった。

 それもヒロインのみーやではなく、どちらかというと男の主人公の方に。

 それ故にヒロイン達の幸せを心から望んでいる。そんな様子だった。


「ほ、ほうほう。なるほど、なるほど……雨宮さんはエッチの時、中に出してほしいと」


「そんなこと言ってません!!」


「やっぱり外に出してほしいでしょ?」


「そ、それは……時と場合に……」


 時と場合によっては中でもいいんだ。

 ……どんな時と場合なんだろう?


「親友が『どんな時と場合だったら中に出していいのだろう?』みたいな顔してるけど、雨宮さんそこの所どうなのかな~?」


「弓くん!?」


「ち、ちちちち、違うよ!? 花恋さんの中に出したいなんて今は少ししか思ってないよ!?」


 あっ。

 完全なる自爆。

 動揺の末、とんでもないことを口走った僕に対し、両サイドからポカポカ殴打が放たれていた。


「「えっち!!」」


「すみませんでした!!」


 まさかこのメンバーで猥談に近い会話が繰り広げられるとは。

 深夜のテンションって恐ろしい。まだ22時前だけど。


「で?」


「で? とは?」


「お前はどうなんだ?」


「どう……とは?」


 真剣な顔で雫に詰め寄られる。

 花恋さんも目を細めながら僕を睨むように見つめていた。


「決選投票です。弓くんの一票でこの選択肢の行方が決まります」


「外か」


「中か」


「「さあどっち!?」」


 ……猥談はまだ続いていた。

 ていうかついにこちらにも飛び火が来てしまったようだ。

 でも僕の中で答えは決まっていた。

 堂々と答える。


「外で」


「いえーい! さすが親友! 私たち以心伝心!」


 ハイタッチを促され、控えめに雫の手のひらに自分の手を当てた。

 一方花恋さんが不満そうに頬を膨らませている。


「むぅ~! 弓くん! 何を今さらいい子ぶっているんですか! 私一人だけド変態みたいじゃないですか」


 花恋さんがド変態かどうかは置いておくとして。

 僕がこの選択肢で外を選んだのにはまっとうな理由があった。


「いやさ、僕がこのゲームをプレイしていた時は中を選んだんだけどね、エロシーンのCGが1個足りなかったんだ。たぶんここで外を選べばCGコンプいけると思うんだ」


「そんな理由ですか!」


「ていうか中を選んだんか! 一人で堪能していた時は中に出してたのか! そうなのか!? こら!」


「えっと……ごめん」


「計画性のないエッチだめ絶対!」


 雫の魂の叫びが室内に木霊する。

 この叫び、アパートの住人に聞こえてないだろうな? 聞こえていたら大変な騒ぎになりかねない。


「まぁ、その、リアルでこうなったら、うん、外に出すよ」


「ちゃんとゴムもつけましょうね」


「そうだね」


「痛くしないでくださいね」


「努力するよ」


「って、待てい! おのれら二人がヤるみたいな流れで話すな! 放置されている雫ちゃんの気持ちも考えろぃ!」


「弓くん。水河さんにも優しくしてあげてくださいね」


「うん。優しくするよ雫」


「キミらなんかテンションおかしいぞ!? 私もだけど!!」


 分かったことがある。

 耐性の無い男女が猥談をかますと会話が支離滅裂になってしまうということを。

 僕らはこの日、エロゲからとても大切なことを教わったのだった。


見てくれてありがとうございます。

内容が内容なので敢えて深夜投稿です(笑)


ここまで下品な回は恐らくもうないかなと思います。

幕間終わればちゃんとストーリー動きますので今だけご辛抱を(汗

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