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第68話 打ち上げと配信

 イベント3日目。明け方まで激闘が続いた【厄災PANDORA】vs【ENJOY!】vs【漆黒の翼】の3つ巴の戦いは、地の利をいかした【ENJOY!】が制することとなった。生き残ったギルドメンバーも少なく、敵を倒してのポイント入手はもはや効率が悪いことから、ポイントの取り忘れが無いかの捜索となり、激しい戦闘はこれ以上、起こることはなかった。



 その次の夜。【星の守護者】は昨日までの健闘を称えるホームパーティーを開いていた。


「イベントお疲れ様。運営から発表されたランキング発表によれば、俺たちは……【ALL FOR ONE】を1ポイント抜いて4位だ!!」


「「「イエエエエエイ!!」」」


 人数差はあったとはいえ、基本待ちの姿勢であった【ALL FOR ONE】は初日こそポイントを稼いだものの、2日目に他ギルドから目をつけられたこともあって、ポイントを大きく伸ばせなかったことが痛かったようだ。そして、こちらは最後までポイントを積極的に取りに行く姿勢を貫いたことで、逆転劇につながったのだ。

 ワイワイとテーブルに置かれている料理を皿にのせて食べ始めるミクに、スピーチを終えたダイチとハクエンがやってくる。


「おつかれさん。初心者に色々と無茶ぶりさせてすまなかった」


「偵察に陽動、挙句には時間稼ぎまで……私たちも反省すべきところは多々あった」


「別にいいぜ。懐事情は分かっているし、それに俺って目の前にある壁が高いほど熱くなるタイプだからさ。すげー、楽しかったぜ。普段、見ない人とも戦えたしさ」


「そう言ってもらえると助かる」


「それにしてもさ……」


「ん? 私の顔に何かついているか?」


 ミクの視線はハクエンが持っている皿に山盛りに置かれている大きなフライドチキンや揚げたてのフライドポテトに向けられていた。


「ハクエンさんって美人だから、そういう油っこいものってあまり食べないものかと思っていたからちょっと意外だなって」


「現実では食べんぞ。こんなものを食べたら、仕事に支障が出る!」


「仕事? やっぱモデルとか女優とか?」


「おっ、それは俺も聞きたい」


「……断る。身バレするとゲームの仲間で仕事モードにならないといけないからな。ゲームの時くらい素でいたいものだ」


「ちぇ、ケチ」


「そういうことなら仕方ないか」


 ハクエンのプライベートにこれ以上、踏み込むことはせずにしばらく話した後、二人は去っていく。それを見計らって、次に来たのはジークとフリードだ。


「よっ、お疲れさん。俺の分まで戦ってくれみたいだな」


「おう。最後まで生き残ったぜ」


「あんなに囲まれたら、俺どころかジークでもヤバイのによく生き残れたよな」


「判断の速さもそうだが、なにより反射神経がすさまじい。何かスポーツをやっていたのか?」


「少し前まで、野球をね」


「野球? しているふうには見えないんだけどなぁ……」


「筋肉がつきにくい子もいるし、見た目だけで判断するのはよした方が良いぞ、フリード」


「気を悪くしたな、すまん」


「良いって。俺も色々とあったから、今はやってないしな」


(この子が俺と言っているのも、そのあたりが関係しているのかもな)


 真相は違えど、ミクの複雑な事情を察したジークが話題を変えて、少し雑談した後、後ろで控えていた猫にゃんたちと交代する。


「やっほー、ミクミク」


「なあ、ゆっちー。そのミクミクってのやめねえ?」


「えー、SPICAから教えてもらったのに」


(やっぱ部長が原因かよ……)


「ミクミクはミクミクにゃん」


「マジか……」


「可愛いらしい名前だと思いますわよ」


(レイカ、お前はレイレイって呼ばれていただろうに。あと俺が男だってこと知っているだろ)


 そこはぐっとこらえたミクは料理にガブリつきながら、自分のステータスを確認していく。



 ミクLv100

 SP:400

 種族:吸血姫

 職業:なし

 所属ギルド:【星の守護者】

 武器1:ヴァンパイアソード+10(攻撃+60、【吸血鬼】を所持し、夜の場合さらに攻撃+50)

 武器2:ヴァンパイアロッド+10(知力+60、【吸血鬼】を所持し、夜の場合さらに知力+50)

 頭:黒魔術の帽子+3(知力+33、MP+20、闇属性の攻撃アップ)

 服:ファラオのドレス+3(女性のみ装備可能。防御+33、敏捷+50、運+20、魅了成功率大幅にアップ、回避率アップ)

 靴:ヴァンパイアシューズ+10(敏捷+60、【吸血鬼】を所持し、夜の場合さらに敏捷+50)

 アクセサリー1:パラソル(日光の影響を抑える、水属性の軽減)

 アクセサリー2:投擲グローブ(投擲時、命中率、与ダメージ、射程距離が上昇する)

 アクセサリー3:約束のペンダント(闇属性のダメージを大きく軽減+状態異常耐性アップ+即死耐性付与)


 HP370/370

 MP390/370+20

 攻撃680/620+60

 防御233/200+33

 知力593/500+93

 敏捷780/670+110

 器用さ200

 運120/100+20


 技・魔法

 ブラッディネイル、ファング、シャドーボール、ブラッディファング、ブラッディアロー、

 ブラッディボール、隷属:サイクロプス、ダークボール、ダークスラッシュ、隷属:人食い植物

 隷属:アクアクラブ、ブラッディレイン、隷属:火炎トカゲ、隷属:オオクワガタ


 固有スキル

【吸血】、【吸血鬼Lv6】、【吸血姫Lv6】、【魅惑】、【闇の力Lv5】、

【動物会話】、【真祖Lv5】、【隷属】、【怪力Lv4】、【魅了強化】、

【自己再生】、【魅惑の魔眼】、【飛行】、【斬撃強化Lv3】、【霧化】

【闇魔法Lv2】、【使役強化Lv2】、【敏捷強化Lv1】、【灼熱の血】、【剣戟強化】、

【幻影の血】、【死線の魔眼】、【血限突破】


 汎用スキル

【投擲Lv6】【遠投Lv6】【見切りLv7】【採取Lv5】【ジャイアントキリング】

【加速】【挑発】【守護霊】【変身】【魔力付与(火)】

【魔力付与(水)】【魔力付与(光)】【悪魔召喚術式(魔)】【残像】【血操術】

【ブラッディウェポン】【ブラッディボディ】【鮮血の世界】【GREED】【機械兵召喚】

【LUST】【魔力付与(木)】



「ミクミク、SP溜めすぎじゃん」


「ゆっちー、のぞき込むなよ」


「別にいいじゃん」


「黄金世界の配信許可を貰ったから、ミクミクも出るにゃん」


「あー、わかったよ。手を引っ張るなって」


 ミクは二人に引っ張られてパーティー会場を後にする。連れて来られた場所はもちろん、廃墟となっている黄金都市だ。


「こんちはー、久しぶりのみゅ~の配信だよ!」


『待っていたぞ』


『こちとら聞きたいことは山ほどあるんじゃ』


『うぽつ』


『ちょいマテや!そこどこや!』


『見慣れない背景なんだけどΣ(・□・;)』


「今日は黄金世界ソーラクからの配信だよ」


「黄金世界と言っても1都市くらいの大きさだから、私たちは黄金都市って呼んでいるにゃん」


『知らねえよ!』


『どこΣ(・□・;)』


『どうやっていくんだよ!』


『教えろよ、このアバズレ!』


【Karinを追放しました】


『暴言を吐くプレイヤーに関しては処置しますのであしからず byみっちー』


『しゃーない』


『まあ、言いたくなる気持ちはわかる』


『あのロボットもここから手に入ったスキルだろうしな』


「イベントも終わって許可が下りたから、行く方法について話すにゃん」


「まずパーティーにビッグスライムなどの衝撃を緩和できるモンスターを使役する人をパーティーに」


「ブラッディボディでもいいぞ」


「スライム系の種族でもいけるはずにゃん」


 手順を一つずつ解説しながら、谷から降りても大丈夫な方法を教えていく。生放送を見た影響か、たまたま近くにいた人が空から降ってくるも、モンスターを召喚するタイミングを誤り、死亡する。


「こんなかんじで、モンスターは早めに出さないと死ぬにゃん」


「速すぎると召喚位置が空中になるから死ぬし~タイミング、マジ重要」


『先に言ってくれー!』


『おつかれさん』


『人柱乙』


『ちょっと召喚士のフレ起こしに行く(((((っ・ω・)っ ブーン』


『俺も』


『ぐっ、召喚士のフレがいねえ。ギルドの人に掛け合わないと……』


 そして、再び落ちてくる人柱、もといプレイヤー。今度はうまく着地し、感動のあまりに震えているようだ。


『成功しました。気持ち程度ですが、投げ銭します』


 アキラ¥500


『アキラさん、ありがとうございます byみっちー』


 投げ銭までしてくれたアキラが三人に感謝を述べた後、ミクたちと一緒に行くという選択肢もあったが、そこまでお世話になるつもりはないと断り、一人で探索し始める。


「という感じで降りたら、今、アキラが戦っているゴーレムを倒すことで、黄金世界に入れるにゃん」


「って言っているうちに倒したぞ。俺たちも中に戻るか」


 黄金世界に戻ったミクたちは廃墟になっている市役所のパソコンからクエストを受注しようとすると、レベルが上がったことで、受注できるクエストが増えていることに気づく。


「う~ん、どれから受ける~?」


「じゃあ、この【動く彫像の謎】っていうクエストを受けようぜ」


『ホラー系のクエストか?』


『この場所自体ホラー感ある』


 クエストを受けたミクたちは動く彫像があると言われる黄金城へと向かうのであった。

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