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VRMMOで吸血姫になった俺は幼馴染と一緒に女学園に入学する!?  作者: ゼクスユイ


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第25話 課金

 ゲームからログアウトした三雲は、こっそりと部屋から出ようとしたとき美香たちにがっちりとホールドされてしまう。


「な、なにするんだよ」


「せっかく投げ銭貰ったんだから、おしゃれしないとね」


「別に買わなくてもイイじゃん」


「だめ」


「もしかして、三雲ちゃんって同じ服、男の子みたいに何年も着るタイプ?」


「そうだけど」


「駄目だよ!女の子がそんなことしたら!」


「はい、ショッピングモールまで連行!」


「お、おい!服なんて購買で買えばいいだろ。デパートみたいに広いんだからさ」


「あそこのって地味なものしかないし~」


「ギャハハ、言えてる」


(勘弁してくれよ~春休み中、紅葉にさんざん連れまわされたせいで、俺の財布結構やばいってのに)


 なんとかこの場を切り抜けようと、三雲は頭をフル回転していく。これほど頭を回転させたのは入試以来だ。


「……俺たちがリアルでそのお金を使ったとしても投げ銭してくれた人には何の見返りもないだろ」


「そりゃあそうだけど」


「私たちが可愛くなるメリットはあるよ」


「もしかして課金?」


「そう、それ!俺たちが課金して強くなったら、投げ銭した甲斐あったとか思うんじゃね!」


「う~ん、でも私たちの動画って攻略するって感じじゃないから、そっち目的だっと喜ばないと思うよ」


「……あっ、いいこと思いついたじゃん。課金しないといけない有料ガチャを配信するってのはどう? 確かあたりアイテムにスキンもあったはず」


「それを着てもらう。ミクが」


「うんうん、あの芋臭い恰好をおしゃれにできたらよさそうだね」


「へっ?」


「というわけで、午後からはミクちゃんのお着換え配信だね」


(しまった、墓穴掘ったあああああ!!)


 進んでも地獄、引いても地獄。もう後には引けなくなった三雲は3人と一緒に食堂へと向かう。和、洋、中、ありとあらゆる料理が取り揃えている中、美香はレディースセット、由美はスタミナセット、香は栄養士ランチ、三雲は豚骨ラーメンチャーハンセット(ニンニク抜き)を頼んでいた。


「なあ美香、そんな量で足りるのか?」


「ん? 私、太りやすい体質だからこれくらいの量がちょうどいいの」


「太らないのは由美だけ」


「そう?」


「この肉がこのバルンバルンなものに詰められているのよね~」


「ちょっと美香~急に揉まないでよ!セクハラ」


「女の子同士だからセーフ。それにここには女しかいないし」


(ここに男いるけどな!)


 心の中で自己主張する三雲ではあったが、この後に待ち受ける地獄を思い出すと背筋が冷える。今はそのことを忘れようと、ラーメンをすすりながら、美香たちの会話にチャチャ入れながら楽しんでいた。




「新生みゅ~の配信はじまるよー」


『待っていました』


『なにするん?』


「今日はミクミクのガチャ配信とお着換えタ~イム」


「午前中に投げ銭してくれた分だけ回すにゃん」


『俺らのお金がガチャに消える』


『爆死!爆死!爆死!』


『←つまみだせ』


『爆死するかどうかお楽しみってことで byみっちー』


「とりあえず回すぞ」


 がちゃがちゃ……


 アイテムが次から次へと自分のアイテム欄に入っていき、3万円分、100連ガチャを回したところでガチャ画面を閉じる。


『どうだった?』


「めぼしいのはこのあたりか」


 スキン:SRセーラー服

 スキン:SSR水着

 スキン:SR巫女服

 アイテム:SSR栄養ドリンク(攻撃)×3

 アイテム:SR闇の魔法石

 アイテム:SR炎の魔法石

 装備:SR閃光の剣

 装備:SR閃光の盾


 他にもR以下の素材などもも当たったが、SR以上はこれだけである。自分の運がどれだけのものなのか分からないミクは視聴者の反応を見ることにした


『((((;゜Д゜))))SSR引きすぎ』


『10連でSR以上確定とはいえ、100連1個しかSSR当たらなかったんやけど……』


『その運ください』


『むしろ丸ごとください』


『←奴をデュエルで捕らえろ』


『←デュエルでなくても捕らえられる』


「そんなにいい結果なのか。でも、この閃光シリーズ?当たったのは良いけど、俺と相性悪いな」


『吸血鬼は闇属性メインだからね』


『むしろ俺が欲しい』


「栄養ドリンクはステータス上昇。1個で5アップか。さっそく使うとして……」


「次はお待ちかね、お着換えの時間!」


「にゃん」


『待ってました』


『これを見に来た』


「はいはい、わかっているよ。着替えてくるから、待ってろ」


「店の中は配信できないのであしからず~」


「私たちは生でおさわりにゃん」


「音声で楽しめるようにしておくから」


『くっ……生殺しするつもりか』


『逆にエロイ。エロくない?』


『声のみ。アリじゃない?』


「んなわけねえだろ!着替えるのは服屋の中ってだけで、スキン変更はメニュー画面から一瞬で終わるのは分かっているんだよ!」


『wwwwwww』


『知っていたのかよ』


「あたりめえだ!」


「ここは知らないふりして往来で着替えてくれたら――」


「痴女か!」


『それやるとアカBANされるからやめてね byみっちー』


「やらねえよ!」


 周りに切れ気味なツッコミ芸を発揮させた後、ミクは服屋に行って手に入れたスキンへと着替え行く。まずは青と白を基調としたセーラー服。どこかの高校の制服と言われれば、それにしかみえないようなデザインで船乗りというよりかは学生服に近い。


『きつねん\500』


『きつねんさん、ありがとうございますbyみっちー』


『うむ。早く続きを見せたまえ』


『いや、じっくり堪能してからだろう』


「お、おう……」


 視聴者たちが十分にスクショをとったところで、次は巫女服に着替えていく。白衣に赤い袴とコテコテなものだ。


「吸血鬼って悪魔側だろ。神様に仕えている巫女の服を着てもいいのかよ」


『その背徳感が良い』


『きつねん¥1000』


『きつねんさん、ありがとうございますbyみっちー』


『次だ』


『メインディッシュを待ってた』


『空き容量の貯蔵は十分か!』


「こえーな、お前ら」


 最後のスキンである水着へと着替えるミク。店から出てきた彼女は自棄になったのか、サキュバスと見間違えそうな黒いビキニを堂々とあらわにしていた。


『違うそうじゃない』


『恥ずかしがって』


『でも、スクショしているんだろ?』


『あたりまえじゃん( ̄ー ̄)』


『着やせするタイプなのは分かった』


『スリーサイズなどはお教えしませんのであしからずbyみっちー』


『くっ……』


『前もって言われたか』


『それが人間のやることかよおお!』


「おう、水着タイムはこれまでな。終了!」


『けち!』


 うどん¥500


『悪魔!』


 きつねん¥1500


『うどんさん、きつねんさん、ありがとうございますbyみっちー』


『次は何するのー?』


『またクエスト?』


『4月イベント忘れてないだろうな』


「イベント? 確か……あった、あった。スライム討伐イベント」


 つい先日から始まったイベントで難易度A~Dに分けられたイベントエリアに向かって、スライムを倒すというシンプルなイベントだ。難易度Aが一番難しく推奨レベル80と高い。だが、経験値を多く得られるプラチナスライムや資金を多く落とすゴールドスライムの出現率が一番高く、無理してでも狙う価値があるほどだ。


「メ〇スラみたいなものか。こういうのって防御力が高いのがお約束だよな。貫通攻撃とかねえの?」


『あるぞ』


『ただし、みゅ~のメンバーに覚えているのはいない』


「習得できるのは一部ってやつね」


「じゃあ、貫通効果を持っている人を誘えばいいじゃん!」


「まだイベントは始まったところ。手伝ってくれる人がいるかもしれない」


「あたし、難易度Aで応募してくるね。キャリーしてくれる人募集っと」


「そんな都合のいい話ねえよ」


 ゆっちーが募集を始めてから数分、ガタイのいい男性、目つきの悪い男性、ローブを着た好青年の3人が一緒に行かないかと声をかけてくる。


「良いのか? 俺たち、貫通効果なんて無い初心者だからおんぶにだっこだぜ」


「構わないよ。全部、アークが解決してくれるから」


「ふん、力仕事なら俺に任せろ!」


「サンキュー、頼りにしているぜ。アークのおっさん。えっ~と……」


「ああ、自己紹介してなかったね。僕はカーン」


「ダインだ。今回は初心者でも行けるイベント故、トラップ解除役の俺の出番はないだろうがな」


「俺はミク」


「ゆっちーで~す」


「猫にゃん」


「ヒーラー抜きだけど、大丈夫か?」


「俺様にスライムごときの攻撃が通用すると思うか」


「そういうわけね。最悪ヘイトをとって時間稼ぎぐらいはしてやるよ」


「おう、その間にアイテムで回復しろってわけだな」


「やはり人数が多いほうが楽に進められるね」


 さわやかな笑みを浮かべるカーンに引き連れられ、一行はイベントエリアへと飛ぶのであった。

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