逆上がり
青空に足を向けると、青空に吸い込まれそうだった。
何度逆上がりしても、お腹周りが痛くなるだけで、向こうの方へはいけなかった。
先生が見る。
友達がクスっと笑うのが見える。
小学校5年生にもなって、逆上がりが出来ない私は、埋立地に足が沈下したようにいつまでも動けなかった。
恥ずかしい・・・
手すりから手を話そうとした時、親友の朋ちゃんが「あきらめたらあかん。勉強と一緒で何事も継続やで」とお母さんみたいな事を言った。
私はふっと吹き出し、周りの友達も笑って、応援してくれた。
私はこのクラスが誰よりも好きだ。
亡くなったお母さんも天国で笑っているだろう。




