1話 グロースウェポン
《スキル「鑑定」を使いますか?Yes or No》
(え?)
(Yes、こう思えばいいのか?)
《「鑑定」が手に入れた情報を記載します。》
《「始まりの左刀」
ランクE 魔力浸透効率E-
攻撃力11 耐久値53/54
スキル
自動修復
特殊スキル
growth
?????
re make
派生ツリー ▲ 》
《「始まりの右刀」
ランクE 魔力浸透効率E-
攻撃力11 耐久値53/54
スキル
自動修復
特殊スキル
growth
?????
re make
派生ツリー ▲ 》
(なんだこれ?)
出てきた感想はこれだった。どれもこれも現実味のない感じがした。
知っている字なのに全く知らないような気がする。
取り敢えず触ろうとすると、すり抜けた。
「うわっ」
(気持ち悪い、スライムにを突っ込んでいるみたいだ。)
その中を探していると引っ掛かりを見つけた。
(ここは丁度派生ツリー書かれていたところか…。一部だけブヨブヨしている、ここを押せばいいのか?)
《派生ツリーを開きますか?Yes or No》
(Yes、とこれでどうなるかだな。)
Yesを選択した瞬間に、突然消え、半透明のプレートが出てきた。
動き出したと思うと、一番上に「始まりの双刀」と書かれ、樹木のようにどんどん枝分かれしている様子が出てきた。
(なるほど、だからツリーということか、じゃあ派生というのはこの矢印か?)
矢印を触ると、様々な「素材」と書かれたものがでてき、「完成品」と書かれたその下に「???」とあった。
(素材と書かれているものがわからない…。これは下に行くと性能が上がって行くのか?探って見たほうがよさそうだな。)
しばらくプレートをいじっていると、[ビシッ]と嫌な音がなった。
音の方向を見ると、壁に亀裂ができ、少しずつ拡がっていた。
(崩れるな、さっさとここから脱出しないと。)
そう思い、祭壇の方へ歩き、祭壇から出ようとすると、足に「ナニカ」がくっ付いている気がすると思ったが遅く、コケてしまった。
(痛いな、なんだよ。こんな部屋の中でこけるって何してんだよ。)
立ち上がろうとすると違和感に気づいた。
その「ナニカ」が足の方にもくっ付いていることを。
(さっきはこの変な靴にくっ付いていただけじゃ…。)
足を見ると、青い柔らかそうな物体が足を覆っていた。
慌てて振り落とそうとするが、完全にくっ付いていて離れない。
《スキル「鑑定」を使用しますか?Yes or No》
「Yesだ、早くしてくれ‼︎」
太腿まで近づいてきた「ナニカ」に嫌悪感が募る。
《「鑑定」が手に入れた情報を記載します。》
《種族 スライム
種類名 スライム
個体名 無し
ランク F
HP 12/12
MP 4/5
攻撃力 1
防御力 3
俊敏 1
魔力0
スキル
捕食
吸収
物理軽減 》
スライムを「鑑定」しているうちに、反対側の足も覆われてしまった。
(もたもたしてる時間はないってか。ぶつけても何もないのは、この「物理軽減」のせいか。)
《種類名「スライム」を更に「鑑定」しますか?Yes or No》
「Yes」
《「鑑定」が手に入れた情報を記載します。以後この報告をなくします。》
《種類名 スライム
ランクとしては一番下の階級で、最底辺のモンスター。しかし、物理攻撃はほぼ効かないので厄介がられる。また、身体のどこかにくっ付かれると死ぬ寸前まで離さない。どの魔法もよく効くが、上位種の…》
(長い、でも魔法ならよく効くらしいが、俺にはない。他に方法はあるのか?そんな時間はない)
何もすることができずに、顔を覆い隠すくらいまでスライムは覆ってきた。
肌が溶かされているようで、染み込むような痛さがある。
(また死ぬのか、むしろそのほうがいいのか。ならば抵抗する必要もない。なんだ簡単じゃないか。嗚呼、この前…)
《マスターの身体に危険を感知、スキル「????」を緊急発動します。取引を開始…成功、第1階級魔法「ウィンドブラストの魔方陣を作成、使用。スキルを行使した代償として混沌が(1/10)になりました。マスターに、「絶望」スキルが付与されます。》
(
ちなみに「」は実際に発している言葉、又は強調で、()は心で思っていることです。
《》はお知らせしてくれる奴の言葉だと思いながら読んでもらえれば嬉しいです。