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冒険者の力・大地人の力

今回、順番を一度ずらします。理由はあとがきにて。


それと、今回凡人A氏のアルマ君を登場させてみました。

アキバの冒険者達はウェンの大地の本土へ渡る最中の船の上でのんびりとしていた。

「…………はあ。」

噂を聞いてたかやはため息をついた。

「どうした? まさか恋煩いか?」

「向こうに行ったら何名か会いたい人がいてな。」

「誰だ? 浮気か?? ドラゴンナックルが聞いたら泣くぞ。」

「なんでそうなるんだよ!!あいつは只の幼馴染だ!!

 それはともかくとしてだ。まず会いたいのは、<マッドサイエンティスト>のアレクサンダー=アルバって人なんだけどな………。」

その質問にたかやはまたため息をつきながら言葉を紡ぐ。

「<マッドサイエンティスト>?? 聞いたことがない職業だが……。」

「いわゆる、NPC専用職。」

「だからNPC言うなって。」

<エルダー・テイル>時代。冒険者(PC)がつくことができないサブ職業が幾つも存在した。

まずは<農家><漁師>といった一次生産職的な職業。後者については<海女>などの似た職業はあったが、RMT対策の一環として、こういう『人と時間をかければ幾らでもお金が手に入る。』仕様の職業は冒険者にはなれないようになっていた。

次に今上げた<マッドサイエンティスト>の他に、<邪神の使徒>や<強化人間>と言われる、そこそこに強い<敵>としてのサブ職業。

彼らは何らかの形で冒険者の手ごわい敵としての登場するために用意されたキャラクターだ。


「まあ、<マッドサイエンティスト>ってのは事件を起こすためのサブ職業だったんだが………。」

そうでなければ『会いたい』なんて言えるはずがない。


他に大地人にしかなれない職業として<年代記作家><語り部>などの歴史をまとめる為の職業。彼らは、冒険者が行動した行為を道端で語ったりする役割を持つ。

これらの人間を見たら絶対に大地人と思っていい。ぶっちゃけると冒険に役立つスキルは一切ないし。なられても色々こまるだけだし。

その他にも12職業の下位互換ともいえる職業は多々あるが、そのあたりはすっ飛ばす。

その他においても、NPC専用スキルとかもあったりする。

『家を作る』などの一般的なスキルから、体を常に鋼鉄化して常時防御力を上昇させる『鋼の体』といったスキルもNPC(大地人)専用として設計されていたりする。

また一部のスキルについて最初の頃は大地人が手にしたものを冒険者が教えをこいに行くという形がとられている。

また、自分の本名を変更する『正体隠しの面』『黒づくめのスーツ』、遠くからの連絡を受け取る『遠見の鏡』などなど、イベントを盛り上げるためのアイテムについては、大地人専用のアイテムになっている。


「説明なげーよ。」

「すまん。」


冒険者側の特殊能力としては、死からの復活能力、念話能力、空間を買える能力、銀行やギルド会館を利用できる権利などが上げられる。

「……前者3つについては、冒険者が持っている超能力で話は済むんだが、後者についてはよくわからんところがあるんだよな。

 街中で何しても問題なくギルド会館は利用できるし。」

「………まるで、人形のように淡々と仕事をし続けている。

 町の人間が襲われようが、絡まれようが暴力事件が無ければ衛兵は出てこないし、町の外で事件を起こしても何の問題はないと言わんばかりに行動をし続けている。」


それがブリガンティアやハーメルンのようなギルドをつけあがらせていたのは間違いないだろう。

町の人間を救ったはずのソウジロウが襲われ、町の人間に絡んだ男達がお咎めなしだったのが痛かった。

もしこれが逆であったのなら、ある程度の秩序は保たれたはずだ。


「………『世界5分前仮説』って聞いたことあるか?」

「ああ、世界が5分前に生まれたことを誰も証明できない。あの大災害前にこの世界が『あった』事を誰も証明できないんだ。」

「………たかや、何かお前おかしいぞ! まるでこの世界を本物と認めたくないっていうのかよ!!」

「………認めちまったら、親父が大悪党になっちまうんだよ!!」


たかやは息を全部吐くぐらいに叫んだ。


「俺の親父は、<F.O.E>のクエスト作成係だった。俺もバランス調整とか色々と手伝ったんだよ。

 親父の作ったクエストの爪痕が幾つも残ってるんだよ。それこそ村幾つ単位で死んだっていう伝承が幾つも残ってるんだ。

 それにな……俺はそんな親父がクエストを作ってくれたから学校に行けたんだ。」


それは、たかやの本心であった。この世界を楽しんでほしい。それは父親の仕事にかける情熱があったからこそ思えた物であった。

それがなくなってたかやはやや自棄になっていた。

大地人を踏みつけ、その物語で親父は金を稼いでいた。それは水原 貴也にとって何よりも認めたくないものだったのだ。


ウェンの大地のプレイヤータウンから離れた小さな村。

そこは、地獄と化していた。

「はっ、ちょろいもんだぜ。たったレベル20の雑魚共が俺を殺せるかよ。」

そう言って、女子供関係なくその男は剣をふるって攻撃していく。

村人はバラバラに、その男の追撃から逃れようと走り出す。

「<ブレードオペラッ>」

その男がそう叫んで逃げ出していく村人達の方へと走っていく。

次の瞬間わずかに逃げ遅れた村人がバラバラになり倒れていく。

「アルマッ、早く乗るんだ!!」

何とか乗合馬車に乗り込み村人達は急いでその男から逃げ出していった。

「逃がすかよっ!」

男が首にかけていた笛を吹くと、白い馬が現れて男を背中に乗せる。

その馬はまさしくすさまじい勢いで一台の馬車に突撃すると、あっという間に御者を殺して、そのまま中にいた人間を皆殺しにする。

誰もが脇目を振らずに逃げた。あの恐ろしい冒険者から。レベル90の。それこそハイジンと言われる最悪のスワッシュバックラーから逃げたのであった。

「ちっ、逃げられたのかよ。」

その男は、大地人の持っていた金貨を無造作に掴み取ると、イライラしたかのように八つ当たりする。

「この調子じゃ何年かかるんだよッ!」

誰もいないのを確認してからそう叫ぶ。さすがにこの言葉を他の冒険者に聞かれると色々とまずい事になる。

『大地人を殺しまくればいつかセーフティシステムが作動して、元の世界に帰れるかもしれない。』

自分でそう言っている以上、大地人を殺し続ける事を止められる冒険者はいない。

止めようとする奴には、帰る手段の案を出させて徹底的に否定する。

だが、運悪く帰還手段が見つかってしまえば、自分の目論見は全て破綻する。そうなる前にこの世界をぶっ壊す。

そう決意して、とりあえず村々の家を全部たたき切る。特に意味はない。切りたいから切っただけだ。


「テメエガ、『ジョン・D』カ?」

そこに不意に声がかけられた。

「何もんだてめえ?? 俺を『ジョン・D』って呼ぶな。次呼んだらぶっ殺すぞ。」

「……ナラナンテヨベバイイ??」

「<フレデリック・F・フーバーJr>。長いと思ったのならフレデリックで構わない。」

「ナラバふれでりっく。スコシキョウリョクヲオネガイシタイ。ワタシノナマエハ『ゼイルナ』シュゾクハ『アンデッド』そして『典災ジーニアス』。」

そこでぬっと姿をあらわした。そこには青い服をつけて、青いトンガリ帽子をかぶった骨だけの人間がたっていた。

「『典災ジーニアス』だと??」

「アア、ソノトオリダ。キョウハオマエニオネガイガアッテキタ。ワタシヲシバラクマモッテホシイ。」

「守ってほしいだと?」

「ワタシハヨワイソンザイデネ……チカラアルボウケンシャノチカラヲカリタイノダヨ。」

「俺は世界を破壊しつくすつもりだぞ。」

「ハ?? ナゼ??」

「戻るつもりはねえ……。向こうの世界にもまっとうな生活にもな。この世界をぶっ壊すそれが俺の最終目標だ。」

「オカシナコトヲイウヤツダナ。ダガ……それはワレワレノモクテキデモアル。」

「おもしれえ、契約成立だ。」


マウントブレス卿の城。鏡の部屋。

『………また奴によって村が焼き払われました。』

『『ジョン・D』ですか……』

『最高であるレベル90と最高級と言われる秘宝級のアイテムを併せ持つ冒険者どもが『廃人』という冒険者。』

『大地人を殺し続ければ何時かは元の世界に帰れると実験を行い続けている……。』

『その他にも……。』

問題点は沢山あり、それに対抗できる札はあまりにも少ない。

『………しかし、彼にはおかしな話があります。

 なんでもフレデリック・F・フーバーJrと名乗っているらしいのですが。』

そう言ってその男は肩をすくめる。

その名前にアトム・マウントブレスは驚愕した。自分の知っている人間の中にフレデリック・F・フーバーの名前がある。

だが、彼が何を考えているのかがわからない。が、もし彼がフレデリック・F・フーバーの関連の人物であったとするのなら。

その目的はこの世界に重大な不利益をもたらす物に間違いないだろう。

こうなれば母上に出てもらうしか…いや駄目だ。母上の力は借りられない。

財力で何とかできる相手ではないし、使える手札を幾ら集めても奴らに対抗する手段が思いつかない。

手持ちの武力をすべてぶつけてもすぐに復活する以上、決定的な対抗策にはならない。

『皆様に朗報があります。』

新たな鏡に光が入る。

『ミスター・アレクサンダー=アルバが例の物を完成させたとの連絡がありました。』

その言葉に一同が驚愕する。

『まさか……。』

『本当に完成するとは………。』

「つまり、プロジェクト・グレートリベンジの発動条件が整ったわけなのだな。」

マウントブレス卿が驚愕の表情を浮かべる。

『ただ、計算よりも膨大な魔力が必要と判明したので、レベル30の付与術師が10名ほど必要です。』

「そんなに必要なのか……こちらで何名か手配してみよう。」

『しかし、そうなればその装置の配置場所できる場所はすくなくなりますな。』

『どこに配置すべきか………。』

やれやれとマウントブレス卿は思う。こういった心の読み合いは苦手だ。

おそらくそれぞれが自分の土地に有利になるように動くだろう。その結果として何らかの問題が発生する可能性があるとしてもだ。

ざわざわと騒いでいる貴族達をしり目にマウントブレス卿は冷静に冷酷に考えていた。

今回、アタルヴァ社の野望と順番をずらしたのは、公式のリプレイと話のネタが被ったせいです。


新しいリプレイの情報を見てみたら『ごちそうキッチンと病の典災』

実は今回出てきた典災も病気をばらまく能力を持たせています。


思いっきりネタがかぶりました。

もしかすると典災の名前も被るかもしれません。

そのあたりの事も考えて幾つか案を練っている最中です。


それではまた。

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