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たかやの手記より

数万人の人間が<エルダー・テイル>に転移して数か月が経過した。

<円卓会議>が睨みをきかせているおかげでアキバ周辺はPKも減り、それなりに平和になってきている。

俺は海洋機構の一員になって、海外サーバのアドバイザーとして、妖精の輪探索計画に参加するつもりである。


これには幾つかの理由があって、俺が、かなりの外国語が喋れることが上がられる。

<エルダー・テイル>において、会話は自動翻訳機能付きなのだが、現在でもそれが有効なのかわからないという事があげられる。

俺は<エルダー・テイル>初期からのプレイヤーで自動翻訳機能無しでも外国語を喋らないと相手と会話できない事が多々存在した為、外国語を必死に勉強したのである。


自動翻訳機能がついてからも、翻訳なしで話した方が色々と通じやすい為、そのまま勉強しまくって少なくとも日常会話やゲーム用語などでは普通に喋ることができる。


少なくとも、冒険者との交渉で問題となる事はないだろう。

大地人に関してはどうなのかさっぱりわからないが。


さて、<大地人>……NPCと言うと、あいつにぶんなぐられるからそう書くが、おそらく数種類に分類できると個人的には思っている。


まずは元NPCだった<大地人>……B属と俺は呼称している。

ゲームだった頃、きちんとしたNPCで会った存在だ。

システムを担っていた<大地人>……S属と俺は呼称している。

ゲームだった頃、町と町の間を疑似的に物資の移動をさせて都市間の経済を安定させていたシステムなどが実体化した存在だ。

増えた人間……X属と俺は呼称している。

マップの関係上、都合のつくはずのない人間が普通に追加されている、普通に過去を話しているし、きちんとB属と知り合いがいたりそのあたりがよくわからない人間である。

そして本来なら『存在しないはず』の人間。フレーバーテキストにだけ記されていて、データ上は欠片も存在しないはずのキャラクター。……俺はF属と呼称している。


最後の<大地人>は何で生まれたのか知らないが、その理由は後で考えるとする。


今はともかく現実世界への帰還を目指すのが先決だ。

俺が妖精の輪探索計画に参加したのは北米サーバを目指すためだ。


ノウアスフィアの開拓は、まず日本サーバに適用された。


全世界一斉ではなく、サーバごとに順々にというのはあり得ない話ではない。

<エルダー・テイル>は小さなアップデートなら数百回、大きなアップデートなら十二回行われているわけだが、その中においてもサーバ単位でのアップデートはそれなりの割合で行われている。

問題はアタルヴァ社がなんでそんな事をしたのかと言う事だ。


『日本サーバが一番最初』これは確かに事実として存在する。

では次にどのようにアップデートされていくか?

確か韓国サーバは30分遅れだったはずだ。これは前回韓国サーバが1週間早く課金でアップデートしようとしたためであり、簡単なペナルティだ。

親父がその処理にてんてこ舞いになっていたからよく覚えている。

その次に中国、オーストラリア……と続いて行って、最後に北米サーバ……アタルヴァ社のおひざ元がアップデートされるというわけだ。

こう考えれば『日本先行』なのではなく『北米サーバで最後に何か大きなことをする』可能性も捨てられないわけだ。

この点からしても北米サーバの探索は重要なファクターとなりうると思われる。

……最大の問題点は太平洋を横断する必要があることだ。


日本=アメリカ間には太平洋が存在するが、ここには何体かのレイド級のボスが複数存在する。

しかもこいつら揃いも揃って強敵・難敵ぞろいである。

まず全てが海洋生物であり、まず基本的に普通の装備では勝ち目が薄い。

水中戦に備えて武器を揃えれば何とかなるかもしれないが、それでも連戦はきついものがある。


レイド級のモンスターも数多く存在し、安全なルートなど存在しないと言っても過言ではない。


そこで妖精の輪を使い、これらのモンスターを無視して移動する事で拠点の作成を行う事がメインの目的である。


海洋同盟一員   たかや(水原 貴也)

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