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朝の占い

テレビでやってる朝の占いってその日のテンションにすごくかかわってくる。

そう思うのは私だけじゃないよね?

だいたい1位から順番に発表していって、8位くらいまでに自分の星座がない時は慌ててチャンネル変えちゃう……

ワーストってなんだか一日中重い気持ちを背負ってるみたい。

逆に1位ってすごく嬉しい。

その日のラッキーアイテムでも、ラッキープレイスでも信じたくなってくる。



このごろの私は、占い以外でもしょっちゅう浮き沈みしてる。


原因?


認めたくないけど……






「昨日、八代が3組の伊藤さんに告白されたって」


思わずフリーズ


「断ったらしいよ」


私の反応を楽しむみたいに一緒にお弁当を食べていた朱里がにやりと笑った。


「あんたたちって、どうなってるの」


「どうも。むしろあいつのこと本当に好きなのかわかんなくなってくるよ」


幼馴染って難しい。

恋愛感情なのか家族愛的なものなのか。

好きは好きよ。

ただ、自信はない。

あいつが他の女の子と一緒にいるとこを見たるすると、面白くないって思うし。

ただ、弟みたいな兄みたいな存在が盗られちゃうって思うのか。

あの日の図書室以来、まともに話してもいない。


「……ま、男は八代だけじゃないしね」


「そうだね」


噂をすれば、教室内が一気に華やかな声に包まれた。

目をやれば案の定取り巻きを連れたあいつの姿。

そっと目を外した。


「圭」


背後から急に声をかけられて思わずびくっとしてしまった。

振り返ればにやにやと笑う兄がいた。


「お兄ちゃん?めずらしいね、2年の教室に来るなんて」


私と兄はよく似ている。

まっすぐの黒髪に、大きな瞳。

やや病弱そうに見える白い肌。


「いや、ちょっと圭に頼みがあるんだ」


「?なに?」


放課後に待ち合わせることにして兄は去って行った。

なんだろう、嫌な予感がする。


「光哉先輩相変わらずかっこいいねえ」


「でしょう?」


「あんたお兄ちゃん好きね」


「うん、有名すぎて迷惑だけどね、優しいもん」


朱里が大きなため息をついた。


「お兄さん以上にカッコイイって思える人いるの」


「……ぎり、いや、同じくらいで唯斗」


あんたしばらくは彼氏できないよ。

ハードルが高すぎる。

朱里の意見に頷く。

私もそう思います。


こっそり盗み見れば、ちょうどこっちを向いた唯斗と目があった。

目を細めて、小さく笑うと、周りに断ってこっちに歩いてくる。

いきなりのことにびっくりしてあいつを見つめるしかできなかった。


「ん、これ好きだろ?」


机に置かれたのは私の好きな甘い菓子パン


「あ、ありがとう」


わざわざ買ってきてくれたのか。

さっきまでちょっとざわついていた心が温かくなった。


「肥えたら彼氏はできねえぞ?」


じゃあよこすなよ!!


なんなの、こいつ、ありえない。

ぬるい笑顔を張り付けて何やら頷く朱里をどつきたくなった……







悔しいけど


あいつの言動に


一喜一憂

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