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プロローグ
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『本当に困ったことがあったら、このお守りを使いなさい。』
あれはそう、私が小学生三年生になった四月のことだった。
ひどい病気に苦しんでいたお母さんが、死ぬ間際に私にその言葉とこのへんてこな御守りを残して死んでしまったのは・・・
お母さんは綺麗で不思議な人だった。元気な頃は家に居ることはあまりなく、いつもどこかにあの綺麗な黒く長い髪をなびかせて出掛けていた。
私がお母さんはいつも外で何してるの?と聞くと、お母さんはね、すごい魔法使いなんだ。だからみんなを悪いやつから守ってるの。と答えた。その頃の私はお母さんすごーい。がんばって。と応援していたっけな。魔法使いなんているわけないのに。でもそんなお母さんが、私は大好きだったんだ。
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