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第六話 「始動」

非常に投稿が遅くなってしまい、誠に申し訳ございませんでした。今後はこのようなことがないように精進いたします。

【第六話・『始動』】


「おらっ!このガキを殺すぞ!」

大男が叫び、一斉に俺に襲いかかってきた。

ふふふ…おっさん等、今回は相手が悪かったな。

ところでベテルギウスさん、辰星爆殺ってどうやって使うんですか?


星を降らすことができるぞ。


ほ、星!?


ああ、そうじゃ。方法は、念じるだけだ。

念が星に伝われば、お前を助けてくれるだろうよ。


念じる…やってみるか。

えっと……星さん、こいつらをふっ飛ばしちゃって!

俺がそう念じた瞬間、空から轟音が響き渡った。

空を見上げると、何やら巨大な隕石が落ちてきていた。

周囲を獄炎で包みこんでおり、莫大なオーラを感じる。

まるで宇宙そのもののような。

その隕石は、真っ逆さまに猛スピードでこっちに向かってくる。

それを見た大男は__


「な、なななんだあれは!?隕石か!?」


「アニキ!!なんか嫌な予感がしますよ!!」


「え、ええい!!撤退!撤退だ!!」


大男がそう言うと、騎士団は慌てながら逃げていってしまった。

ふう、これで一件落着だな。

…この隕石どうするんだ?

ちょちょちょっと待て!止まんないぞこの隕石!?

ベ、ベテルギウスさん!どうすればいいんですか!


落ち着け。再び念じるのじゃ。


念じるっつったって!この際しょうがない…。一か八かだ!

と、止まれ〜〜!

その時、隕石が停止した。宙に浮いている。

え…?マジで止まったの?

………あ、閃いた。

そのまま宇宙に帰れ!

念じた通りに、隕石は空の彼方に吹っ飛んでしまった。

吹っ飛んだのはおっさん等じゃなくて隕石かい!

ま、まあ、これにて完全に一件落着だ。






「ふう…なんとか勝った…」


私は路地裏から彼を覗き、そう呟く。

そういえば、私がこうしていられるのも、彼のお陰だ。

彼が私を救ってくれなかったら、私はすでに処刑されていただろう。

彼は、私の命の恩人なのだ。私のような、小汚い女を救ってくれた。

あの時は感謝の気持ちで、脳内が埋め尽くされていた。

それと、もう一つ。

彼、ミュラさんは………

私のどタイプなのだ!!

あのお人好しさ!あのつぶらな瞳!

実は見ただけで常に死にそうになっている…。

し・か・も!ミュラさんと言ったら世間知らずなんだから〜!

そういうところも可愛い!!

まるで転生者みたい!まあそんなわけないけどね!

前世で死亡した時に魂が何らかの原因で次元の境に侵入してしまった際、別の次元の裂け目に入ってしまった場合を転生と呼ぶらしい。死亡し魂のみになった時点で記憶は消滅する。そして転生した者を転生者と呼ぶ。

もし仮に彼が転生者だとするならば、前代未聞の大事態である。

今までの歴史上、転生者と確認された人物はいない。

神話書によれば、転生をした者には特別なスキルが授与されるという。

その『特別なスキル』の詳細は記載されていないが、強さはSランク相当だろうと推測されている。

スキルにもランクが存在する。

世界の理が全生命体に付与する『生命体ランク』とは違い、大陸内の国家間で決めた『国際ランク』だ。

種類は生命体ランクと同様、十種類。

ピザンツ帝国の皇帝アルキメデスには、Aランクに相当するスキルを持っているという噂がある。

両ランクはBでも高い。その理由は、Cランクの人口の多さにある。

昔、この大陸内の各ランクの人口が載っている本を読んだことがあるのだが、その本によると、HからDランクの総人口は約二十三%、Bランクの総人口は約五%、Aランクの総人口は一・九八%、Sランクの総人口は〇・〇〇九%、Xランクの総人口は〇・〇〇一%。

Cランクの総人口は…七十%だ。

この情報から分かるように、とにかくCランクが多いのだ。

そんな中でもHランクの私は…。

すごく悲しい!

…気持ちを切り替えよう。せっかくミュラさんが追い出してくれたんだし、祝福しないとね!






まだ落としてすらいないのに、おっさん等を追い出してしまった。

誰も見ていないことを祈るのだが…そんなはずもなく。

周囲を見渡すと、唖然とする者もいるし、なんだあれ、気絶してんのか…?うん、泡を吹いて気絶している者もいる。そんな状況だ。

その時、一人の老人が重い口を開いた。


「あ、あああ……、隕石を落とそうとするなんて…、スピカ様がお怒りになるぞ!」


他の連中も、老人の後に続いて口を開く。


「そ、そうだぞ!スピカ様を怒らせてしまったらもう……エレンどころか、大陸が沈んでしまう!」


みんなの言葉に俺は戸惑ってしまう。

が、一つどうしても気になったことがあった。

「えっと…、その、スピカって誰ですか…?」


「なっ!?スピカ様を呼び捨てで呼ぶとは!この無礼者が!!」

老人が一生懸命に叫ぶ。


ぶ、無礼者って…。

「じゃ、じゃなくて…、スピカ様とはどういう…。」


「ま、まあ、説明してやらんでもない」

そう老人が言うと、老人の目の色が突然変わった。

まるで全てを見透かしているかのような、赤い色。

「だがそれは…、スピカ様のお力を知ることになるが……よいのか?」


「だ、大丈夫です…、教えてください」


「では教える」

「スピカ様は、今から約二千三百年前に誕生したと言われている神々の中で最も若い神様じゃ」


「え!?神!?」

俺が言うよりも先に、後ろの路地裏に隠れていたカリナが驚いた。

彼女はひょこっと出てくると、駆け足で俺の元に来た。


「そうじゃ。スピカ様はの、ここエレンを守護してくださっているんだ」


「へえ、守護神ってわけだ」


「天星族の一人でもあるのじゃ」


「て、天星族?」

これまた知らない言葉が出てきたぞ。


「天星族とは、この世界を統治する神々一族のことです。開祖は…確かベテルギウス様だったかしら?」

カリナが答えてくれた。

ん…?今なんていった?ベテルギウスだって!?

ベテルギウスさん!!


ん…、なんじゃ!今まさに寝そうになっておったというのに!


す、すいませんって。

それよりベテルギウスさん、天星族の開祖って本当ですか?


ああ、本当だよ。我等が天星族の歴史は古いぞ〜!

なんてったって、三千四百八十八那由多年前に俺が生まれたんだからな!


…は?な、那由多?


おん。那由多じゃ。

ちなみに、今の天星族は私が開祖みたいになっておるが、世代があるのじゃよ。


世代ですか?


まだ公には公開していないのだが…お前にだけ教えるぞ。

実は、私の代は九百二十三万八千四百七十五世代目なのじゃ。


も、もう驚きませんよ…。


第一世代目、即ち真の開祖の御方の名は………ゼニス様だ。


ゼ、ゼニス…。真の開祖ってことは、ベテルギウスさんのご先祖様ってことですか?


そうじゃな。遠い先祖じゃが。


今はご存命なんですか?


亡くなっているとは思うが…わからんぞ。なんせ創造神たる私よりも強いのだからな。


ベテルギウスさんより強いって…もはや神なんでしょうかその人?

俺が脳内でベテルギウスさんと話していると、老人の言葉が続いた。


「またスピカ様は、天の星々を支配しておられるのじゃ。どんなに小さな星だとしても、それはスピカ様の私物であり、勝手に操作されてはならん。」


「え、じゃあ俺って…」


「ミュラさん詰みましたね」

カリナが淡々と述べる。

ちょっとは心配してくれよ!

そこで俺は、ある案を思いついた。

画期的な、俺史上類を見ない名案!

カリナの手を引っ張り、路地裏に連れ込む。


「いいかカリナ、このままここでグズグズしてたら、スピカとかいう奴にブチ殺されるだけだ」

俺はカリナを見つめる。

目をガン開きさせ、いかにも真剣な眼差しで見つめる。真剣な眼差しというのがよくわからないのだが、今現在俺の中で予想できるのがこれだった。

なぜかカリナは引くような顔をしている。

なんでだ?


「た、確かに、これ以上エレンにいるのは危ないかもしれないですね。騎士団も、逃げましたがまた来るかもしれませんし」


「そこで、だ。ササッと装備を整えて、エレンを出よう」


「そ、装備と言うのは…?」


俺はカリナのボロボロな服を指差す。

「服とか防具、武器とかも必要だな」

「金はカリナが持ってるだろ?」


「はい。ですが…二人分の服等を買うとなると、足りないかもしれないです」


「まあ、買えるものだけ買おう」


同時に頷き、路地裏を出る。

老人の俺達を探す声が聞こえるが、無視する。

目指すはさっき見かけた防具屋だ。

駆け足で記憶をたどりながら目的地に向かう。

そして、ついに防具屋にたどり着いた!

店を見渡すと、鍛冶台や色々な武器が並んでいる。

短剣や長剣、ハンマー、その他諸々。


「あの〜、誰かいませんか〜?」

俺は店主を探す。

すると、店の奥の方から声が聞こえた。


「はいよ〜、今いくよ~!」

そう言い出てきたのは中年のおじさん。

頬は油などが付着し少し黒くなっているし、先程まで何かを作っていたのだろう、汗だくだ。

…というか思ったのだが、ここ『防具屋』だよね?

なぜ武器が売っているのだろうか…。………あ、分かったぞ。

防具屋ではなく『鍛冶屋』と言ったほうが適切だろう。鍛冶という言葉に、防具と武器の両方の意味が入っているのかは分からない。でもまあ…、うん。鍛冶屋の方が良い。

そんなことはどうでもいいのだ。俺は早速そのおじさんに要件を伝える。

「動きやすい布の服ってありますかね?できれば男性用と女性用の二つがあると嬉しいんですけど…」


「服かい?あるよあるよ!ありすぎて困ってたんだよ!ガッハッハ!」


実に威勢のいい声である。頼りにならなそうな声をしている俺と違ってね。

おじさんの返事を聞いた俺は、武器についても伝え…ようとしたが、やめた。

これ以上買おうとすると、カリナのお金が怪しくなってくるからな。

今のカリナの所持金は、まずゴブリン串を二個で四十シルバー消費した。そして、さっき食べたパスタを二個で二百シルバーを消費。となると、残りは二百六十シルバーか。

布服上下セットを二個買うんだよな…。

足りるだろうか?


「はいよ、これでいいかな?」


おじさんが差し出してきたのは、中世ヨーロッパの庶民的な服としてのイメージがある、筒状の布に頭と腕を通す穴を開けただけの、シンプルなチュニックだった。

触ってみると、染料の入りきらないざらついた生成りの麻のような感触がした。

ウエストには、革ベルトや紐で絞りつけてある。


「それと、そっちのお嬢ちゃんの分も持ってくるよ」


しばらくすると、今度は女性用の服を持ってきた。

足首まで隠れるロングチュニックを基本の形としており、肌着としての白い麻のチュニックの上に、色のついたウールのチュニックを重ねる着方ができるようだ。

一言で言えば、洗いざらしの麻の質感が伝わる飾り気のないワンピースだな。

「その二つでいくらですか?」


「ええと……合計で二百六十シルバーだな」


あぶねっ!ギリギリ足りるな。

…というか全財産ぴったしじゃないか。

カリナが革袋からシルバーを拾い、おじさんが差し出している右掌に乗せた。


「ちょうど二百六十シルバーだね、まいど!」


俺は男性用の、カリナは女性用の服を受け取る。

いつまでもこのジャージを着ているわけにもいかないからな。ササッと着替えてしまおう。



辰星爆殺を初披露した俺。

エレン脱出計画は、どうなるのだろうか…。

【第六話・完】

楽しんでいただけたでしょうか?次の話もお楽しみに!

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