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第五話 「危機の始まり」

【第五話・『危機の始まり』】


「じゃあカリナ、行こうか。」


「はいっ!」


全く…。カリナは気持ちの切り替えがすごく速いって事が分かったぞ。

これから長い付き合いになるかもしれないし、相手の性格を知るのは重要だからな。

それにしても、カリナを追っている騎士団はいつエレンに来るのだろうか?

追っているにしては遅すぎるし…。もしかして意外と馬鹿だったりするのか?

まあ仮にそうだとしても、俺よりかは馬鹿ではないだろう。

俺がそんな事を考えていると…。


「どこ見てんですか〜?ミュラさ〜ん。」


「え?ああ、すまんすまん。ちょっと考え事を。」


「それより!早く食堂行きましょうよ!私お腹ペッコペコです!」


「はいはい、行きましょうね〜。」


会話を続けながら、俺達は食堂へ向かった。道中、武器屋や防具屋などのお店をたくさん見かけた。中には、人気があるのか人だかりがある店もあった。

あ、そうだ!そういえば今まで気にしてなかったけど…、俺の服装まだ学校のジャージじゃん!

説明しよう!この紺と青の色が付いているクソダサジャージは、俺が学校帰りに事故に遭い転生してしまったため、服が当時のまんまなのだ!

……まあ、服装やら武器やらは、腹ごしらえをしてから検討するか。

しばらく道を歩いていると、賑やかな声がある建物に聞こえた。

どうやらここが食堂のようだ。

俺達は自動ドアをくぐり抜け、中に入る。

「うわっ、人がたくさんだ!」


「今日は休日ですからね、人が多いのも納得です。」


へー、この世界に休日とかあるんだ。

近くにある木製のテーブル席に座り、メニュー表を見る。

「なになに…、牛肉のスライム漬け…?」

なんだこのめちゃくちゃまずそうな料理名は。

てかスライム漬けって何!?

「ほ、他には…。」


「これなんかどうですか?ゴブリン肉パスタの酢和えですって。」


「そっちの方がまだ美味しそうだな。よし、それにしよう!」


「じゃあ私もこれにします!」

カリナは手を上げて「すいませ〜ん!」と言い、店員を呼んだ。


「ところでカリナ、これからどうするんだ?」


「ギルドの初依頼がくると思うので、食べ終わったらやってみましょうか。」


「そうだね。」

依頼…どんな内容なんだろう。

やっぱり最初だからきのこ狩りとかかな?あるいは下位モンスターの討伐…。

なんだか楽しみになってきたぞ!


「おまたせしました!こちら、ゴブリン肉パスタの酢和えでございます!」


「あ、ありがとうございます!」

カリナは二人分を受け取り、俺と自分の前に置く。


俺は鼻をパスタに近づけ、匂いを嗅いでみる。

最初は酢の酸味が嗅覚を刺激し、その後にゴブリン肉のジューシーな匂いがきた。

「すっげーいい匂いしないか!?」


「本当だ!美味しそうですね!」

「それじゃあ…。」


「「いっただきま~す!」」


フォークを動かすと、泥色をしたゴブリン肉の繊維が、どろりとパスタに絡みついた。

覚悟を決めて口へ放り込む。鼻を突く獣臭さを強烈な酢の酸味が強引にねじ伏せ、噛みしめるたびに野卑な旨味がじわりと溢れ出した。

お世辞にも上品とは言えないが、妙に後を引く毒々しい味わいだ。

まあ食レポはこんなところかな。

「どうだカリナ?美味しい?」


「はいっ!すっごく美味しいです!」


「それは良かった。」

俺は無意識に微笑んでしまった。

その時、カリナの顔が少し赤くなった気がするが……まあ気のせいだろう。

そして俺達も食べ終わり__


「ふーっ、美味しかったですね!」


「も、もう食べられないよ…。」

想像以上に量があった。

食後に皿を観察してみたのだが、下部を触ってみると底が深くなっていた。

そりゃ多くなるわな。


「そろそろ初依頼が出される頃だと思うので、本部に行きましょうか。」


「そうだね。」

席を立ち、カリナは会計をするためにレジに向かう。

俺は…外で休憩してるか。

ドアを開けると、心地よい風が俺を包んでくれた。

空気が美味しい!

俺はさっき座っていたベンチに腰を掛け、街を眺めた。この街、実に美しい。

まるで中世ヨーロッパを思い出させる町並みだ。

……ん?なんだかあっちの方が騒がしいな。どうしたんだろうか。

ゆっくり騒ぎが起きている所に近づいてみる。

すると…。


「おい!我らは誇り高きピザンツ第二騎士団である!」


「カリナ・ムイムはどこにいる!」


は…?ピ、ピザンツだって!?

クソ…予感はしていたが、まさか本当にここまで来るとはな。

それに、あいつらカリナを探してるみたいだ。

まあカリナが原因で動いたんだしな。

どうする?ベテルギウスさんからもらった『辰星爆殺』を使うべきか?

いやでも、どんだけ威力があるか分からないし、なにより力加減が心配だ。

下手に派手にかましても、人々の混乱を招くに違いない。

すると、カリナが会計を終えて戻ってきた。


「ミュラさ〜ん!会計終わりましたよ〜!ん?な、なんですかこの騒ぎは!?」


俺は小声で「カリナを探しに騎士団が来たみたいだ」と伝えた。

それを聞いたカリナはびっくり。彼女もここまで来るとは予想していなかったようだ。


おいミュラ。今こそ『辰星爆殺』を使う時が来たぞ。


ベ、ベテルギウスさん!そうは言っても、力加減等…。


安心せい。完璧に制御できるようになっておる。


まじすか!それなら安心だ。

「カリナ、作戦を立てよう。」


「さ、作戦ですか?」


「そうだ。まず、カリナはどっかに隠れていてくれ。俺が騎士団を追い出す。」


「わ、分かりました!ですがそれは、作戦を言うんでしょうか?作戦にしてはあまりにも内容が薄すぎる気が…。」


「うう…、俺が作戦と言えば作戦なんだよ!」


「はいっ!わっかりました!」


よし、カリナの話の早さを利用することができたぞ。

カリナは駆け足で近くの路地裏に隠れた。あそこなら見つかることはまずない。

そして本題の追い出しだ。

俺は集まっている民衆を掻き分け、騎士団の前に立った。

目の前に立ってみて思った事がある。

めっちゃ強そう。

全身を鋼の防具で包み、両手には盾や鉄製の長剣を構えている。

それがおよそ六人ほどいるのだ。

正直、すごく怖い。だけども、俺はカリナを守る。

俺は転生前に決めたんだ。

誰かのために何かをできるような人になると。

こんなクズで馬鹿な俺だけど、意思だけはちゃんとしてるんだよ。

最初から攻撃だと流石にまずい。まずは交渉からだ。

「あ、あの…、貴方方がお探しになられている者は、ここには不在だと思われます…。

どうかお引き取り願いたいのですが…。」


「フッ、ガキが何をほざいてやがる。おい、死にたくなければそこをどきな。」

前方に立っている大男が野太い声で言った。どうやらこいつがこのグループのリーダー格の男みたいだ。


「アニキ、こいつ俺等を舐めてますぜ。懲らしめてやりましょうよ!」

そう言ったのは、大男の側近に立つガリガリ男だ。なんと胡散臭い顔なんだ…。

現実世界だと詐欺とかやってそうだな。


「違いない。お前ら、このガキを殺るぞ!」


「「「オオォーーーーー!!!」」」

他の五人がに気勢を上げた。

それと同時に、グループが一斉に俺に突撃してきた。

子供一人に全員で突撃する必要あるのか…?

相当馬鹿だなこいつ等。

さて、やるとするか。



異世界に転生した俺。

転生以来最大の危機が襲いかかる!

【第五話・完】
















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