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第1章:燃える視線


その場は完全な混乱状態だった。騒動が至る所で起きていた。祝杯を挙げる者もいれば、大声で談笑する者、すでに酔っぱらっている者、男女が過度ではないながらも濃密な時間を過ごしている者もいた。


場所はカオスそのものだった。けたたましい笑い声が、熱のこもった口論や、床に叩きつけられる瓶の割れる鋭い音と入り混じっていた。飲んでいる者の何人かは、純粋な悪意から、給仕たちの仕事を増やそうとわざと瓶を割り、それが世界で一番健全なジョークであるかのように笑っていた。片隅では、数人が檻の中の野生動物を見るような軽蔑の眼差しでこの光景を見つめていた。


「おい、あのバカが俺たちの散らかした後を片付けようとしゃがんでたの見たか?ハハハハ」と、悪漢の一人が得意げに言った。

「おい、そんなこと言うなよ。みんなに悪い奴らだと思われるぜ、ハハハ」と、もう一人が同じように大笑いしながら答えた。「もっとも、実際悪い奴らだがな」と、最後に付け加えた。


(別のテーブルで)


「聞いたぞ、お前の女房がもう子供を産んだんだってな?父親になってどんな気分だ?」汗ばんだ成人男性が一口飲みながら言った。「おめでとう」

「ああ、兄弟、俺は本当に…信じられないくらい幸せだ!女房が愛する我が子を産むのを待ちきれなかったよ」と、新米パパが、半分酔っているとはいえ、顔いっぱいに笑みを浮かべて答えた。

「ハハハ、お前だけ残ってたが、お前もついに父親か!この素晴らしい祝福を祝おう。我らが親愛なる偉大な兄弟に乾杯!」と、友人の一人が宣言した。

カチン、カチン。リキュールの瓶がぶつかり合う音がした。

「我らが偉大なる兄弟のために!」テーブルを囲む友人たち全員が声を揃えて繰り返した。


(また別のテーブルで)


「てめえ、俺の金返す気あんのか、え?」大きな男が激怒して、借金主の首根っこをつかみながらうなった。

「が、が、兄弟…金は必ず用意するから…もう少しだけ待ってくれ…頼む」と、もう一方の男は、ほとんど息もできずにもがきながら言った。

「そうしろよ。あと二日だけやる。もし金が用意できなかったら、どうなるか分かってるよな?わざわざ繰り返す必要もねえだろ」と、貸し主は吐き捨てるように言い、彼を突き飛ばした。

借金主のシャツの襟はぼろぼろになった。


数分が過ぎた。酒場の扉が突然勢いよく開き、食事中であれ、飲酒中であれ、会話中であれ、キスをしていても、すべての視線が入口に釘付けになった。


彼ら全員が、ちょうど敷居を越えて入ってきた若者の一点に注がれた。


彼は黒髪で、中くらいの長さの手入れされていない髪が、穏やかな顔の両側にかかっていた。瞳は暗く、内に重たいものを秘めたような、厳しくも落ち着いた眼差しをしていた。質素な服装をしていた。袖をまくった白いシャツ、ぴったりとした黒いズボン、道中の擦り切れが見える丈夫な革靴。胸には、飾りというよりは個人的な価値があるように見える、簡素な円形のペンダント。片手はポケットに、右手は肩に袋を担いでいた。姿勢は relaxed だったが、肩には抑えられた緊張感があった。普通の民間人というよりは、戦いの経験を積んだ者のように見えた。


若者は整然とした足取りでカウンターまで進み、皆の無言の注視を浴びた。

「一泊いくらだ?」彼は尋ねた。その声は落ち着いていたが、その中に、落ち着いているというより危険な何かがあった。


受付が値段を告げた。彼は一言も言わずに支払い、借りた部屋へまっすぐ上がっていった。視線は階段で彼の姿が見えなくなるまで追ったが、緊張感は完全には消えなかった。


しばらくして、若者は降りてきた。まず一つのテーブルへ向かったが、最後の瞬間に考えを変えた。


代わりに、すでにひどく酔って一人でよろめいている中年男性がいるテーブルへ近づいた。椅子を引きずり寄せ、彼の正面に座った。食べ物と飲み物を注文し、注文が運ばれてくると、その酔っぱらいとの会話を始めた。その男は攻撃的というよりは、その状態の人間にしては異常なほど紳士的だった。彼らはしばらくの間、周囲の騒乱から隔離された奇妙な平穏の中で話をした。


彼らがやって来るまでは。


三人組の、トラブルメーカーという文字が額に浮かんでいるような一団が、彼のテーブルの前に立ちはだかった。

「おい、ガキ。誰とつるんでるんだ、え?」リーダーらしき男が、テーブルに身を乗り出しながら尋ねた。

「おい、話してるんだぞ…」彼は言葉を終えなかった。


酔っぱらいが、苦労しながら立ち上がり、彼を遮った。

「オイワン・ウシュテデシュ、パタネシュ!」彼は舌が回らないながらも、その意図ははっきりと口にした。「バヤンシェ・バラ・オドトロ・バド、ノ・ウェラン・メルメ・エモチャド!」(おい、お前ら、このろくでなし!どっか行きやがれ、俺が怒るところを見たくはないだろ!)


彼はぎこちなく、若者とチンピラたちの間に身を置いた。

「で、このアホは何様のつもりだ?」チンピラの一人が吐き捨てた。


そして、何の前触れもなく、酔っぱらいの顔面へ直拳を放った。その一撃は鋭く、確かなものだった。男は後ろ向きに別のテーブルに倒れ込み、衝撃で椅子を壊した。


ドン! そのチンピラは今度は若者のテーブルを強く叩き、それを揺るがせた。

「てめえもぶん殴られて答えたくなかったら、答えろ?」彼は、暴力の気配で眉を寄せて尋ねた。


返答はなかった。少なくとも、言葉によるものは。


ただの仕草。たった一つの眼差し。


少年はわずかにうつむいていた。彼は意識的にゆっくりと顔を上げ、影に覆われた。


以前は濃い茶色だった彼の瞳は、今、強烈な赤色に燃えていた。魔法の閃光も、力の言葉もなかった。ただ眼差しだけが。それは煙のようにチンピラの傲慢さを貫き、彼の存在の奥深くに突き刺さった。


「な、なんだあれは…?」彼は独り言のように呟き、顔から血の気が引いていった。「内側から焼かれていくみたいだ…」


パニックは即座に、そして絶対的なものだった。三人のトラブルメーカーは鞭で打たれたかのように後ずさりし、よろめいて後ろ向きに汚れた床に倒れた。突然の沈黙が彼らを取り囲み、遠くで聞こえる神経質な、あるいは嘲笑するような笑い声だけで破られていた。もう一言も言わず、唇の間で呪いの言葉を漏らし、よろめきながら、彼らは酒場から逃げ出すように去っていった。


若者は、座った時と同じ落ち着きで立ち上がった。彼は、床に呆然と横たわっている酔っぱらいに近づき、助け起こそうと手を差し伸べた。


男は震えながらその手を取り、立ち上がりながら、アルコールと混乱でぼやけた目を少年に向けた。彼の声はかすかな糸のような音で、突然の、正気に戻った恐怖に満ちていた。


「てめえ…いったい何者なんだ?…」

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