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【完結】神様に元の世界に帰りたいと願ったら身体を要求された  作者: 仲津山遙
第2章 貴族院編

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087話 UFOと銀色のおチビちゃん

 アダムスキー型の円盤……いわゆるUFOに拉致されてみた俺は、宇宙船の船内に収容されたはずが何故か地球に居た。どう見てもニューヨークの幼馴染の自宅のある玄関階に見えた。幼馴染アレックスことアレクサンダー・デニングの自宅は、ミッドタウンにある六十階建てのビルで、最上階から3階分が自宅になっているのだ。顔馴染みのフロア・コンシェルジュの爺さんが居たので聞いてみた。


「アレックスは在宅かな?」

「お待ちしておりました、剣持様。アレクサンダー様がお待ちです。剣持様の奥様と娘様が先に到着されております」

「えっ?! 薫と明日香が居るの?」

「はい。奥様が料理を振る舞ってくれるそうで、アレクサンダー様が楽しみにしておりました」

「えっ?! 薫が料理?!」


 アレックスとは同い年だが妻は二十も年が下で離れていて、出来ないとは言わないが料理は得意ではない。その妻が料理を振る舞うとか有り得ない事態に俺は戸惑った。この爺さんがこんな冗談をいう訳がないと思いつつも、豪華な玄関口からアレックスの自宅に入った。廊下を進むと2階層吹き抜けの広々としているエントランス・リビングに出る。リビングのソファーにアレックスが座っていて、俺の姿を見かけると立ち上がって髭面の強面の大男が口を開いて俺の妻と娘を呼んだ。


「薫! 明日香! 蒼汰がやっと来たぞ!」


 アレックスが近寄って来て灰色の髪と碧眼に見られると、凄く懐かしくて目元が潤みそうになったが耐えた。


「蒼汰。学会への出張はどうだったんだ?」

「えっ?!」


 アレックスの投資行動を支えるために、俺は学位を放り投げたはずだ。学会の論文とか会誌は読んでいたが、学会に出席はしていなかった。

 違和感が膨らんだがリビングの奥から妻と娘が現れると、俺は駆け寄って娘を抱き上げた。


「パパっ!」

「明日香! 会いたかった!」


 流石に耐えられなくて俺は涙ぐんだが、そう言えばアレックスが借りて来た猫の様に大人しいのが違和感として根付いた。アレックスはこんな風に俺の家族に気遣いが出来る奴じゃない! 妻と娘を差し置いて俺を独占し、あまつさえ追い払って俺に引っ付いて離れない男のはずだ。しかも娘は高みに至って離れた時は2歳だったので、マギウスマテリア銀河で8年も過ごしたので今は十歳のはず。離れた時と同じ背丈なのは明らかに可笑しい。

 妻が微笑みながら言った。


「蒼汰さん、お帰りなさい。料理が出来ているわよ」

「……所で今は何月何日?」

「十二月十日だったかな」


 妻がそう答え、皆が長袖を着ているので寒い時期だと思ったら、妻の繁忙期じゃないか! 腐女子(ふじょし)な妻が年末に料理なんか絶対に作る訳がない。夏冬の年2回ある日本の二次創作のイベント向けに原稿を上げるために執筆で忙しいはずだ。後、蒼汰さんではなくて蒼汰君と呼んでいた。俺が童顔だからかお姉さんぶってそう呼ぶのが定着したのだ。


パタッ、パタッ、パタッ、パタッ……


 動物が駆けてくる音が聞こえて、1匹のゴールデンレトリバーが俺の足元に寄って来た。アレックスは犬の名前を呼んだ。


「マック! ご主人様がお帰りだぞ」

「えっ?!」


 マックは孤児院時代で飼われていたゴールデンレトリバーで既に亡くなっている。その後も別れが辛くてペットは飼っていないのだ。それはアレックスも一緒のはずで違和感しかなかった。マックは某有名店のハンバーガーが大好きで神父が与えていたので、その名前になった経緯がある。十五歳まで生きたので大往生だった。

 良く見るとマックの顔が違うのが分かった。イケメンワンコ顔の魔石伯になっている!


「ブフッ!」


 俺は思わず吹き出してしまった。しかし悪質な悪戯なのは変わらないので、胸の内から湧き上がる怒りの矛先をどうしようか考えていると、スーパー蒼汰君モードになったようで身体が光り出したらしい。


「パパ、身体が光っているよ……」

「うん。ちょっと怒っているからね。世界樹の若木! この船に乗っている人の契約を一時的に無効にしろ!」

『は、はい! 人族2名とアルゲヌス族3名に対して龍脈から一時的な切断を完了しました』

「キャッ……ぐわっ!」


 俺が抱き上げていた娘が悲鳴を上げて、銀色のおチビちゃんに変わった。地球で俗にいうグレイと言われている宇宙人にそっくりだった。衣服を着ていない裸の触った感触はイルカやシャチに近い感じだ。おそらく幻覚魔法のような物を使っていたのだろうが、世界樹の契約を無効にしたので解けた感じだ。

 続いて妻が壮年の女性に変化し、アレックスが壮年の男性に変化した。最後に魔石伯もどきのマックが2人目の銀色のおチビちゃんに変化する。風景も地球ではなくて殺風景な灰色の部屋に変化して、3人目の銀色のおチビちゃんが隅の方で倒れていた。

 スーパー蒼汰君モードになってしまったので、後になって魔素反撃症で苦しむのは確定なのが憂鬱だが、アカシック・レコードを使わないようにして直接の地球の風景を見ないでホームシックを回避していた俺に対する落とし前をどうしようか考えた。踏み込んでは駄目な所に土足で踏み込まれたのだ。お仕置きは必要だよね……。

 壮年の女性カルディアが誤って来た。カルディアは皇帝陛下の妹で大公の爵位を得ていて、フラステス公爵と魔聖イーリスの母親だ。


「ごめんなさい、ソータさん。ロキの悪戯が過ぎたようね……。魔素が得られないと死んでしまうわ。早く戻して上げて欲しいの」

「ロキってあそこで転がっている銀色のおチビちゃんか?」

「ええ……」


 部屋の隅の方で倒れているのがロキなようで、俺が抱き上げている明日香だった者がトールと言うようだ。魔石伯顔のマックだった者はオデンと表示されている。俺はトールに聞いてみた。


「それで俺は拉致されて懐かしくもホームシックになるような不愉快な演劇を鑑賞されられたんだけれど、謝罪と賠償(ばいしょう)くらい請求しても良いよね?」

「も、もちろんだ。助けてくれ……」

「じゃあこれで大人しくしてもらおうか」


 俺は収納から新ナノ・ゴーレム薬を出してトールにかけて床に降ろした。水鉄砲も出したので、残りの人族2人と銀色のおチビちゃん2人にもかけた。俺はミネルヴァに命令した。


「ミネルヴァ。こいつらを正座させて」

『はい、マスター』

「「「「「か、身体が勝手に動く!!」」」」」


 5人が正座したので、俺は収納から久しぶりに白虎ソファーを出して足を組み、肘掛けに腕を立てて頬杖を付いた。


「身体の光が止まった……」


 ここまですると少し怒りが収まって来て、スーパー蒼汰君モードが解除されたようだ。魔素反撃症になる前に話だけは終わらせたい。

 世界樹の若木にお願いした。


『若木』

『わ、私を燃やさないで下さい……』

『何でお前を燃やすのさ。何も悪い事をしていないだろ』

『昔に朱雀様が、こんなやつに魔素を供給するんじゃないと燃やされた者がおります……。幻覚魔法に使われてアルティウスの方を苦しめる事が分かっていながら、魔素を供給していたので申し訳ありませんでした』

『ふふっ! それは朱雀が虫の居所が悪かっただけだよ。鍛冶屋が売っているナイフで誰かが害されたとして、鍛冶屋が悪い訳ないだろ。ナイフを使っていた奴が悪いんだ。若木は創造神に決められた事をやっていたんだから俺は悪いとは思わない。俺の前の5人の契約を戻して』

『よ、良かった! 先程の5名に対して龍脈との再接続を完了しました』

『ありがとう』

『アルティウスの方のお役に立てて何よりです!』


 世界樹との契約が戻ると魔素が供給され出したのか、銀色のおチビちゃん達の大きな瞳がパッチリと見開くようになった。正座させているが、足が細くて折れないかちょっと心配だ。


「この銀色のおチビちゃん達が、何で俺がアルティウスだって知っているのさ」

「私達が神託を受けた時に話しました」

「隙間を付かれたのか……」


 カルディアが答えた。神託を下した時から創造神が理の言葉で抑止する隙間の時間で、銀色のおチビちゃん達に伝えたらしい。


「それで何で拉致のような真似をしたんだよ。銀色のおチビちゃん……アルゲヌス族だっけか…は話し合いができない種族なのか?」


 正座しているオデンが答えた。


「我々はマギウスマテリア銀河から見ると北天のアスガルド銀河からやって来たが、1万2千年前にアルティウスによって閉じ込められ、故郷に帰れなくなったのだ。アルティウスに仕返し位はしても良いだろう?」

「え~と、どこから突っ込んだら良いやら……。まずマギウス・テンペスタスは知っている?」

「ああ、我々は肉体を改造して魔素症を克服し不老を実現したが、世界樹から魔素を得ないと生きられなくなった種族だ。しかしマギウス・テンペスタスを耐える肉体になった代償として高みに至れなくなった。私もここの2人もマギウス・テンペスタスを実際に体験しているので知っている」

「凄く長生きなんだね。じゃあ第2のマギウス・テンペスタスが起きる可能性があるのは?」

「それは知らないが、我々は例え穢れた超高濃度で高密度の魔素を浴びても耐えられるので問題ない」

「……成程。閉じ込められたのは可哀想だけれど、俺も閉じ込められているんだよね。ちなみにマギウスマテリア銀河を閉じたのはアルティウスじゃなくて創造神ね」

「「「「「えっ?!」」」」」


 俺は第2のマギウス・テンペスタスを起こそうとしている者が暗躍(あんやく)していて、第1のマギウス・テンペスタスの時に創造神が全宇宙にマギウス・テンペスタスを広げないようにマギウスマテリア銀河を理の言葉で閉じたのを説明した。そして暗躍している者の排除の後にマギウスマテリア銀河を開放する事、そして自分は地球に帰りたいと伝える。


「そんな訳でアルティウスの無実は証明できたかな? もしまだ疑っているなら創造神を呼んで説明させるけれど?」

「「「「「創造神様を呼べるのか!!」」」」」

「何か俺の身体を借りてやりたい事があるらしいんだよね。呼べば気軽に来てくれるし、触るとモフフカだし気持ち良いよ」

「「「「「創造神様を触る???」」」」」

「まあ見た目は俺のままなので疑わしいかもだけれど、そこのカルディアとマギステルは創造神の理の言葉の影響で、俺がアルティウスとか蒼汰とルキウスが同一人物とか話したり書き留めたりできないようになっているのが証拠じゃ駄目かな」


 2人は喉を詰まらせたように、俺がアルティウスだとしゃべれない動作を何回か繰り返した。

 オデン達はまだ疑っているようだ。まあ1万2千年も閉じ込められたら俺だってそうなるよね……。


「この位であれば暗黒魔法を駆使すれば似たような効果が可能だ」

「う~ん。困ったので感覚共有と創造神!」

『ソータ、呼んだ?』

「「「「「目が、目がぁぁ!」」」」」

「あっ!」


 創造神は俺以外が見ると眩しくて目潰しなのを忘れていた。ミネルヴァが気を利かせて5人に、正座スタイルと合わせて平伏スタイルを追加して、いわゆる土下座の恰好をさせる。これならば地面に顔を向けているので創造神を直接見なくて済むが、ミネルヴァも怒ってくれているようだ。


「創造神が理の言葉を使って俺の事を話せないようにしてくれたじゃん」

『そうだね』

「このアルゲヌス族3人が信じてくれなくてさ。どうしようかなと」

『私の事はどうでも良いけれど、ソータの事を泣かすし、少しお仕置きが必要なんじゃないかな』

「「「お、お助けを……」」」


 3人が助けを求めて来たけれど創造神の事を信じられないのはともかく、俺に地球の幻覚を見せた事は許せないからね。「目には目を歯には歯を」の精神で、行けないけれど外の様子が知れたら俺と同じ気持ちを理解できるんじゃないかなと思った。


「創造神。マギウスマテリア銀河の外って見られるようにできる?」

『ソータなら良いよ』

「「「そ、外が見られる!!」」」


 3人は外が見たいそうだ。俺もどうやって閉鎖されているのか見た事がないので、少し気になっていた事だ。3人は銀河の端に行った事があるようで聞いた所、銀河の外周に進行不可能な代り映えがしない外側の映像を映し出した膜のような物が広がっていて、通信も何もかも遮断されているらしい。あらゆる攻撃も受け付けないので諦めているそうだ。何それ面白そうなので俺も見たい!

 創造神が上下に軽く揺らいだ。


『ソータだけアスガルド銀河関係のアレを解放したよ』

「えっ? 本当に良いの?」

『そこの3人にお仕置きが必要だからね。どちらにしろ銀河の閉鎖を解いたら解放するつもりだったから問題ないよ』

「ありがとう!」

『ソータの気が晴れたらなら何よりだよ! 話が終わったくらいで3人は理の言葉で言えなくしとくね。またね!』


 創造神が姿を消した。まあまだ見ているとは思うけれど、光って眩しいので映像の邪魔だと認識しているのだろう。ミネルヴァが5人の平伏を解いて正座スタイルに戻した。


「……お前達の親兄妹が今どうなっているか、見るがいい! ミネルヴァ、よろしく」

『はい、マスター』


 俺の指示でミネルヴァがオデン達の親兄弟の様子を、立体映像として見せる。どこかの星の様子でも出るのかと思ったらUFO型の宇宙船団の様子が映った。ミネルヴァの図解によるとマギウスマテリア銀河の北天側の隔離障壁の外側らしい。宇宙船の下側に黒い障壁が広がっていて、まるでブラックホールの事象の地平線スレスレを見下ろしているようだ。


「「「お、おおっ!!」」」

「かなりの数の宇宙船団だねぇ」

「父母と兄弟達だ!!」


 銀色の円盤が多数あって、その中の1隻に焦点が合うと船内の様子が映った。オデン達が騒ぎ出して誰それと言い出したが俺には皆、銀色のおチビちゃんにしか見えないのでアルゲヌス族は見分けがついて凄いなと思った。中心に居たリーダーっぽい人が号令をかけた。


「第3万7千四百十一回目の救出作戦を開始する!」


 銀色の円盤から黒い隔離障壁に対して一斉に光線が多数放たれた。


「あの光線は格好良いね。何だろ?」

『プラズマ・ビーム砲です。平均すると1本辺り十メガジュールくらいの出力です。TNT火薬換算で2.4トン弱の威力になります』

「凄いね! 俺の船にも欲しい!」

「何か声が聞こえて我らの船の兵装の性能を、さらりと言い当てられたのだが……」


 トールが恐ろしい物を見る目で俺を見た。


「声は俺の眷属だから気にしないで。方法はひ・み・つね!」

「……」


 アカシック・レコード関係は言えないので秘密だ。トールが黙り、プラズマ・ビーム砲が止んでも黒い隔離障壁に変化はなかった。次の攻撃は質量兵器のようで、運んで来た小惑星を加速して衝突させるようだ。ビームを放った宇宙船団より離れて別の宇宙船団があるようで、ビームを放った宇宙船団は黒い隔離障壁から距離を取った。ミネルヴァの解説図解によると、別の宇宙船団は七百光秒の距離から小惑星を加速し出した。小惑星の横に速度計がミネルヴァによって表示され、秒速十五万キロメートルを超えた辺りから光速度のパーセンテージが表示されるようになった。


『現在の小惑星の速度は光速の九十九.九九九九九九九九九パーセントに達しました。小惑星の概算質量から計算すると、TNT火薬換算で約1メガトンになります』

「え~と……しょぼいね」

「おいっ! 宇宙船の結界では防げない攻撃だろ!」


 トールが怒りを露わにした。


「俺、百十メガトンの威力で演習場に大穴開けたし……。百倍の威力を見ちゃうとなぁ」

「これより巨大な小惑星でもぶつけたのか?」

「そんな野蛮な事をしなくても質量をエネルギーに変換すれば楽だよ」

「?」


 いくつか質問を交換してアルゲヌス族の科学力を推察すると、原子力までは理解していないようだ。恒星がどのようにエネルギーを出しているのか謎らしい。アルゲヌス族は魔法と科学のハイブリッドの文明だが、科学の発達を魔法がブレーキをかけている事が分かった。それでもマギウス・テンペスタスを耐えられるくらいの魔法による生命工学は発達しているようなので、後でミネルヴァと一緒にアスガルド銀河の研究をしようと思った。

 そして小惑星が黒い隔離障壁に衝突する。


「「「「「「…………」」」」」」


 有り得ない現象が起こったので俺達の脳が一時的に機能停止してしまった。小惑星が黒い隔離障壁に接触した瞬間に破壊されずに無傷で止まったのだ。


「この隔離障壁は無敵過ぎないか?」

『これがあれば余裕で剣聖の突進技が止められますね』


 ミネルヴァも興味を持ったようだ。俺は創造神にお強請りしてみる。


「創造神。この障壁を使いたいんだけれど……」

『いくらソータの頼みでも、これは理の言葉で発生させた事象だから貸し借りは無理だよ。まあソータが数千億年くらい私に付き合ってくれるなら教えて上げられるかもだけれど』

「ですよねぇ……」

「数千億年で使えるのが凄いと思うが……」


 流石に今回ばかりは創造神に念話で断られてしまった。トールが教えられれば使えるようになる事に呆れたようだ。

 アルゲヌス族の宇宙船団が途方に暮れていると、黒い隔離障壁の彼方から何やら細長いタコ壺の形に似た船が近づいて来た。


「「「ポリュゲヌス族!!」」」

「何あれ?」

「我々と言うか世界樹と契約する知的生命体の全ての敵だ! 奴らは知的生命体から魔素を吸うのを嗜好(しこう)しているので捕まると一生を魔素供給源にされるぞ! ……しかもアルティウスが生命の庭に居ると知られたら、最高の供給源なので総攻撃をかけて来そうだな」

「うへぇ!!」


 やっぱりマギウスマテリア銀河の外には味方も居るけれど敵も居るのね……。俺の宇宙船の兵装を頑張って開発しないと!

 アルゲヌス族の宇宙船団のプラズマ・ビーム砲がポリュゲヌス族の船に直撃するが、生体装甲のようでダメージを負っても修復していくようだ。アルゲヌス族の宇宙船団は逃走するようで、アスガルド銀河方面に逃げて行った。速度はアルゲヌス族の宇宙船団の方が速いので、追い付かれる心配はなさそうなのが良かった。

 映像が終わって感覚共有を切ってから、オデン達を見たら泣いていた。1万2千年前に失踪した親族の救出を、未だに頑張ってくれているなんて嬉しいよね。


「君達が俺にやった事は、こういう事なんだよ。少しは反省した?」

「「「身に染みました。すいませんでした……」」」

「謝罪はそれでいいか。賠償として契約して貰おうかな。ミネルヴァ、拘束解除で」

『はい、マスター』


 俺はミネルヴァに新ナノ・ゴーレム薬での拘束を解かせる。拘束されていた5人は足を延ばそうとするが痺れて転がり回った。


「「「「「あ、足の感覚がないっ!!!」」」」」

「まあしばらく足が痺れているだろうけど我慢してね」


 新ナノ・ゴーレム薬を使えば痺れを止める事ができるが、あえて指示しなかった。痺れてのた打ち回っている間に収納から机を出して契約書を書き出した。


「俺に幻覚魔法を使った賠償として、マギウス・テンペスタスを防ぐために最大限の協力をする事。共通の敵に対して共同で排除に当たる事。俺の宇宙船の建造の協力と完成するまで、この宇宙船での移動を俺に提供する事。この3つでいいや」

「そ、そんな事で良いのですか?」

「君達なら伝説で知っているんじゃないかな。星を焼き尽くしたり、全球凍結したり、電撃の嵐で地表を覆ったり、星を割ったり圧縮したりとかされたいの?」


 全て四神が怒って過去に仕出かした事だ。本人達が恥ずかしそうにしたり、そんなつもりはなかったとか言い訳をしながら語っていたので間違いはないだろう。

 オデン達は目を見開いてブルブルと震え出した。ちょっと可愛らしいので、そろそろ許してあげようと思う。5人に契約書へサインさせて契約魔法で処理した。アルティウスとの契約なので神罰が厳しいと念を押して、釘を刺す所は刺して置く。

 俺を拉致してどうするつもりだったかを尋ねた。


「それで俺を拉致してどうするつもりだったの?」

「ベトスの都に入りたいです」


 やっぱり魔聖の両親だった。母のカルディアは大公と言う爵位を持ちながら遺跡でトレジャー・ハンターをしていて、父のマギステルは貴族院の考古科教授のようだ。マギステルの方はどこかで見た事があると思ったら、貴族院の入学試験の後に魔聖に連れられて面接もどきをさせられて、その時にベトスの都に入りたいと食いつかれた人物だった。オデン達も遺跡の発掘を生業としているようで、その関係で大公達と協業しているようだ。

 どちらにせよベトスの移動首都エンポリウムベトスの行先を探して世界樹の真祖を見つけないとならないし、考古学は大好きなので俺は二つ返事で了承した。


「良いよ」

「「「「「やったー!!」」」」」

次回の話は2025年5月17日(土)の19時になります。

婆の萌えは蒼汰君を罰します!


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