076話 スピード狂の護衛騎士
貴族院で魔力過多によって花火となった魔力量測定用の魔術具は、俺は悪くないけれど弁償する事にした。玄武に事の顛末を話したら凄く笑われた。
『ソータは、あれに魔力を流したのか!』
『強制されたから仕方なくね』
『ソータのような莫大な魔力を持つ者を対象にしていないのだが、どうなるのだ?』
『パァンって光を撒き散らしながら破裂する』
『ブハッ! ハハハハハッ! そこまでなるのか! 魔術基盤だけでなく魔術装置そのものが連鎖崩壊するのか!』
『もう笑い事じゃないよ……。地球ならリコール案件で全品改修だね。取りあえず改修して弁償するから1台を何かと交換して』
『分かった。それでアレの在庫はあるのか? ソータ』
何故か玄武がモジモジし出した。煮え切らないので直球で聞いてみる。
『その様子だと奥さんの霊亀関係だよね? 何かお強請りされたの?』
『察しが良いな! それがな、そちらのお茶会をこっそり覗いていたら、霊亀に化粧品セットを見られてしまってな。使ってみたいのだそうだ』
『ついにそちらでも見つかってしまったか……。女性は化粧品とか美容系は好きだからね。新作のルージュも5色作ったから、それも上げるよ。百セットもあれば足りるよね』
『そんなに必要ないぞ!』
『霊亀に見つかったって事は、そちらの女性陣に情報共有されているよ。絶対にお強請り攻撃されると思うけれど、玄武は耐えられる?』
『……無理だ! 百セットで頼む。魔力量測定用の魔術具は宝箱に入れて置こう。改修の仕方は教えてくれ』
『うん。化粧品の使い方はミネルヴァの分身を向かわせるね。よろしく!』
『ああ、こっちも助かる』
『了解しました。マスター』
収納から宝箱を出して確認すると、魔力量測定用の魔術具が大量に入っていた。数えると三十個もあったので、未改修版の在庫処分なのだろう。貴族院の全台数を新型に交換する計画を頭の中で立てた。ルキウスの時に同じ事が起きないように、測定限界超えの時の保護術式を設けて、色を白く光らせる改修をする感じだ。宝箱に化粧品セットを百セット詰め込んでから、魔力量測定用の魔術具の改修を始めようとする。
「兄上、何をされているのですか?」
「玄武に魔力量測定用の魔術具を貰ったから改修しようとしている」
「そ、それが全部、魔力量測定用の魔術具なのか?!」
「うん」
俺は弟ソラリスにやろうとしている事を答え、皇帝陛下に魔力量測定用の魔術具かどうか聞かれたので、正直に答えた。
俺はルキウスになって宮殿に戻ったら皇帝陛下に呼ばれたので、執務室にソラリスと一緒にお邪魔している感じだ。皇帝陛下は執務をしながら孫の鑑賞をしたいそうで、父達が大規模演習で出払っている今がチャンスだと言わんばかりに、タイミング良く呼ばれた感じだ。俺は暇だったのでソラリスに文字を教えながら玄武と念話していた所だ。皇帝陛下の横にはウェルテクスが護衛として付いている。
俺はアルグラを召喚した。
「坊ちゃんの魔力は美味しいのに柔な魔術具でやすね」
「分かってくれるのはお前とミネルヴァだけだよ……」
俺はアルグラを撫でながら魔力を渡した。
「それで何故に魔力量測定用の魔術具の改修をするのだ?」
皇帝陛下に経緯を聞かれたので、貴族院で起こった事を説明した。
「「「プフッ!」」」
「うわ~ん! 皆に笑われた! 俺、悪くないのに!」
「まあソータ様は悪くはないが、魔力量測定用の魔術具が花火のように破裂したら皆が驚いたであろう」
「まあね。教師達は顔面蒼白で、スマラ達生徒は大喜びだったよ」
皇帝陛下に言われて思い出したくなかった状況を思い出した。教師達は自分が進めたので怒ることも出来ず、生徒達は奇麗な花火が見られてお祭り騒ぎだった。ちょっと教師達が可哀そうだったので、当てがあったので弁償をする事にしたら泣いて喜ばれた感じだ。
俺はミネルヴァの魔法陣エディタでレビタス・バイクの保護術式を移植して魔力量測定用の魔術具に組み込み、アルグラで三十個を改修して収納にしまった。
皇帝陛下にアーティファクトの事を聞かれた。
「しかし、それだけのアーティファクトを玄武様から貰えるのは凄いのう。この前も通信の魔術具を貰っておったじゃろう? 他にも貰えるのかの?」
「まあタダで貰うと言うより物々交換しているんだよ。俺の料理とか調味料とかと。今回は化粧品セットね」
「そのような物で交換できるのか? ならば余も交換したいものだ」
皇帝陛下の疑問にウェルテクスが口添えしてくれた。
「陛下。差し出がましいですが、ソータ様がお作りになられた化粧品セットは、姫様のお茶会で配っていた物で大好評だったようです。次回の問い合わせが殺到していて頭を抱えていました」
「それ程か! たかが化粧品であろう?」
「ウェン爺。その化粧品セットは母さんの結婚式とかでも使っていた俺が作った特別製ね。ちなみにオークションで売ると1セットで大金貨6枚になる。材料代は大銀貨3枚もあればお釣りが出て、利益二百倍!」
「「大金貨6枚!!」」
「兄上、それは凄いのですか?」
ついでなので収納から硬貨を出して、ソラリスに算数のお勉強をした。銅貨、銀貨、金貨、白金貨の順に高くなって、それぞれに大小があって十倍毎に小から大になって、次の十倍で貨幣ランクが上がって行くお金の仕組みを教えた。
皇帝陛下は唸って考えてから俺に聞いて来た。
「ソータ様は結界モニュメントやマギウス・ポータルも作れるであろう? 特にマギウス・ポータルは色々と設置したい所があるのじゃが……」
「その2つは俺が改良して消費魔素が減ったとはいえ、他と比べて魔素消費が高いのは変わらないから、乱立すると帝都が墜落しちゃうよ」
「便利な物だが難しいか。そう言えば宮殿の地下のマギウス・ポータルを法王猊下が見たいというので、地下室の扉を解放したいのだが問題ないだろうか?」
「あのベトスの都へ通じているマギウス・ポータル? ベトスの民しか通れないから問題ないよ。あの法王がそんな物に興味があるなんて意外だね」
「会った事があるのか?」
「アクアヴィータで揉めた後に、マギウスジェム領都の神殿で通信の魔術具を介して和解のような物をしたの」
「アクアヴィータは素晴らしい商品であるな。ウルスメル商会の立ち上がりが待ち遠しいものだ」
神殿関係で思い出したことを、俺は皇帝陛下に尋ねた。
「そう言えばメリディヌーラムで起きた結界停止事件だけど、神官が関わっていた件は調査が進んだ?」
「神殿の言い分だと神官が独自に行った犯行だと言い張っておる。暗部の裏付けも同じなので組織的な関与はないと考えておるの。ただ枢機卿の一派だったらしく、神殿内の政治的な理由でその一派を処分したら神官不足に陥っているようだ」
「軍部の調査でも同じです。ルキウス様」
ウェルテクスが軍部での調査も教えてくれた。神官不足で貴族院での世界樹との契約が滞った背景に関係あるかも知れない。まったく人騒がせで困るよ神殿は……。
大体ソラリスがお金の扱い方を覚えたので文字を書く練習に戻らせて、俺は皇帝陛下に近寄った。皇帝陛下はニコニコしながら自分の膝を叩いたが、ウェルテクスが出してくれた椅子に座る。皇帝陛下は残念そうな顔をしていた。
前から尋ねたかった神殿の法律について、皇帝陛下に聞いてみた。
「それでさウェン爺。回復魔法と薬品での金銭の授受が神殿しか認められていない既得権益な法律を、修正か廃止にできないの?」
「そ、そんな事をしたら国が割れてしまうわ! アルティウス教の信徒が何人居ると思っとるのか!」
「やっぱりそうだよね……」
「ソータ様がドヤ顔で神託して身分を明かせば別ですが」
ウェルテクスが物騒な事を言い出した。
「そんな事をしたら現人神として神殿に祭られて、一切の自由がなくなっちゃうよ!」
「そのくらい大変な事じゃ。神殿は国の根幹として組み込まれているので、手を出しにくいのが現実じゃな」
「まあ、どうしても法律をどうこうしたい訳じゃなくて、国のトップの意見を聞きたかっただけだから、ごめんね」
「ふむ。ソータ様が話の分かる方で良かったぞい。力を誇示するような方だったらと思うと冷や汗ものじゃが……」
「地球の転生物語だと、そういう人も登場するね。そう言えば今後の貴族院の世界樹との契約はどうするんだろう。今年は俺が契約したから良いけれど、来年から困るよね。でも神殿を金銭的に追い詰める手は緩める気はないし」
マギウスジェム領に居た時から行っているダンジョンの宝箱から薬品が出る仕組みは現在も続いていて、神殿を金銭的に追い詰めている。これは獣人の治療拒否を止めるまで続けるつもりだが、神殿としての公式な見解が未だにないと言う事は、止めるつもりがないのだろう。
これに加えてアクアヴィータや契約魔法の呪符の販売で、神殿がかなり弱っているのは事実だ。更に世界樹との契約の収入まで奪うと、干上がってしまうのではないかと心配したので、皇帝陛下に現状を伝える。
「貴族院の世界樹との契約の代金はどこから出ているの?」
「それは半分が国庫から出ておる。人務省の予算として分配されてから貴族院に渡され、世界樹との契約が済んだら神殿に対して貴族院から支払われるはずじゃ」
「それっていくらくらいか教えて貰える? 駄目なら無理にとは言わないけれど」
「教えるのは問題ない。予算の資料は……こっちにあったはずじゃ?」
皇帝陛下は執務机の引き出しを漁り出して、予算の資料を見つけてくれた。
「これじゃ! 今年は神殿に払う代金は大白金貨4万枚くらいじゃな。内訳としては通常の契約は1人当たり小白金貨2枚で、貴族院の新入生が二十万人なので4万枚になるが、半額は入学金から出て、国庫からはその半額を補助しておる」
「そんな大金が得られなくなったら神殿が潰れない?」
俺は皇帝陛下とウェルテクスを感覚共有して、過去5年分の神殿の財務諸表をミネルヴァに表示させた。
「ミネルヴァ。過去5年分の神殿の財務諸表をよろしく。世界樹との契約代金が減った場合のシミュレーションもあるかな?」
『既に用意してあります、マスター』
「用意が良いね! ありがとう、ミネルヴァ。どれどれ……今でも資産を食いつぶしている所で、これだけ収入が減ったらヤバイね」
「こ、これは不味いのではないか!?」
「激ヤバですね!」
皇帝陛下とウェルテクスは頭を抱え出した。皇帝陛下は今後の話をする。
「これは人務省と貴族院、神殿省と神殿を呼び出さねばならんな。まさか孫の花火がこんな事になるとは……。ソータ様も出席してくれるのだろう?」
「ええっ! 俺が出る必要あるの?」
「貴族院の寮の食事を増やすように貴族院領主セネクスに言ったのであろう? それに当事者が居ないでは話にならないではないか」
「また神殿と揉めるのか……。俺、アルティウスだから神殿の信仰対象なんだけれどね!」
「まあそうであるが公に出来ない以上、皮肉な事であるが致し方あるまい。それで、このカラフルな線と棒が並んでいるのを、教えてくれる約束じゃったはずだが?」
「あっ! 忘れていた! アルグラで資料を用意するね」
アルグラでグラフについての資料を、十部作製して皇帝陛下に渡した。そして皇帝陛下に勘繰られる。
「絶対に公開などされない神殿についての財務諸表が、これだけ正確に出せるのじゃ。もしかして帝国の財務諸表も出せるのではないか?」
「え~と、どうだろ? ミネルヴァ、出せるの?」
『既に用意してあります、マスター』
俺達の目の前に過去5年分の帝国の財務諸表がグラフ付きで表示された。皇帝陛下とウェルテクスは仰け反ってしまった。
「こんな物が議会に出たら紛糾間違いなしじゃ!」
「丸見えですね……」
「皇室の財政は改善したね」
「ソータ殿が皇帝直轄地を購入してくれたお陰で潤ったわい。これでいくつかの離宮の解体や宮殿の修繕ができる」
「そんな状態だったの?」
「歴史が古いと先送りにして使い込んでしまう皇帝など居ったからのう。余の爺様なので文句はもう言えんが……」
「そう言えばウェン爺が皇室の財政は苦しいって言っていたから、ミネルヴァが調べてくれたんだけれど、追加の資料を見る?」
「そ、そんな物まであるのか? 怖いが見よう」
「うん。ミネルヴァ、よろしく」
『はい、マスター』
皇室の金の流れの詳細が資料として表示された。内宮省や暗部まで事細かに記載され、顔写真付きの派閥構成図まで用意されていた。皇帝陛下とウェルテクスは絶句した。
「「!!」」
「それでね、この2つの派閥ってウェン爺の敵対勢力でしょ? お金の流れが真っ黒だから、こっちの資料にまとめてある」
「な、何という事じゃ! 昔から怪しいとは思っておったが、これ程とは!」
「陛下。これで粛清できるのではないですか?」
「無論じゃ。これで食いつかれたペインリーチに悩ませられる事もなくなるのう」
「ペインリーチって何?」
ウェルテクスが言うにはペインリーチは魔物で極小のヒルのようで、食いつかれて寄生されると痛いらしく小さいので排除が難しいそうだ。例えとして使われていて日本で言う所の「目の上のたんこぶ」のよう
な慣用句のようだ。
俺は続けて軍部と軍務省のお金の流れを示した資料を表示させた。皇帝陛下とウェルテクスは、また絶句した。
「「!!」」
「この3つがオケアヌス達に敵対する勢力でしょ? お金の流れが真っ黒だから、これが資料ね」
「こ、これは最高軍事機密ですが……」
ウェルテクスが額に汗を浮かべながら資料を見つめた。
「アルティウスが生命の庭を調べる手段で作った資料だから、まず間違いはないと思うよ。オケアヌス叔父さんと協力して上手く使って」
「ありがたく使わせて頂きます」
俺はアルグラで皇室関係と軍部関係のお金の流れが真っ黒な資料を、5部ずつ印刷して2人に渡した。顔写真付きの派閥の資料も欲しいとの事で、そちらも同様に印刷して渡す。
俺は皇室の財政資料に戻って説明する。
「剣聖家はお金にクリーンだったけれど、ウェン爺のこれは駄目じゃないかな」
「どういう事じゃ?」
「この予備費から皇帝にお金が移動しているけれど借り入れになってないから、ウェン爺の私的な横領に見えるよ」
「ち、違うのじゃ! アーラが帰って来て一時的に足りなくなったので予備費を使っただけじゃ!」
「それにしても皇室としては予算が別にあるんだから、借入にして返すようにしないと他から目を付けられると厄介だよ」
「しかし皇帝が借金とは醜聞が悪いと思ったのじゃ」
「一時的な借金を返済したのと、別の目的で使い込んだのと、どっちの醜聞が悪い?」
「……後者じゃな。これは項目を修正させて即座に返済しよう。孫に土地を買ってもらって資金が潤沢になったので助かったが」
そして皇帝陛下に土地が使いきれるのか心配される。
「しかしあのような広大な土地を使いきれるのか?」
「第2商業区で商業区が2倍になったんだよ? あんな立地条件が良い土地なんて、いくらでも利用方法あるよ」
「岩山が邪魔であろう」
「もうないよ」
「「はっ?!」」
2人にはまだ報告が上がっていなかったらしく、俺は収納に岩山をしまって土属性魔法で整地まで終わった事を告げた。第2商業区とモフモフ街をマギウス・ポータルで接続してアクセスの向上をして、隠居伯の屋敷を含めてモフモフ街の全体を結界モニュメントで囲って結界が展開中だとも教える。
現在は工事関係者が第2商業区に押し寄せていて、ウルスメル商会の社屋と貴金属四兄弟の店舗を急ピッチで建設中なのだと伝えた。
皇帝陛下が疑問を呈した。
「う、動きが早すぎではないか? その開発の資金はどうしたのだ?」
「父さんと爺に大白金貨で5千枚ずつ渡してあるよ。新興の上位貴族として利権を確保して貰わないとね」
「余にもお小遣いをくれても良いと思うのだが……」
「叔父さんにお小遣いをくれるのは、甥の務めだと思います!」
皇帝陛下とウェルテクスが欲望丸出しのお強請りをし出した。俺は呆れる。
「ウェン爺は土地の代金で潤ったばかりでしょ。ウェルテクスには良い事を教えてあげる」
「何でしょう?」
「モフモフ街にレビタス車両工場を建設する予定で、その後、第2商業区にレビタス・レース場を作るから楽しめると思うよ」
「やったー!!」
ウェルテクスが素早く寄って来て、俺を持ち上げて天井に向かって放り投げた。父と兄弟のようで行動が似ている。俺はルキウスなので軽々と天井を蹴って床に着地した。
「もう危ないじゃないか! 父さんと行動が似すぎ」
「す、すみませんでした。お怪我はないですか?」
「ルキウスなら平気。蒼汰だったら命の危機かも」
「それで私にレビタス・バイクは売ってくれるのですか?!」
「普通に発売されるから、家族会議の必要ないから買えると思うよ」
ウェルテクスはスピード狂なので、今まで剣聖一家の了承を貰えずにレビタス・バイクが欲しいと言っていたが売れなかったのだ。
「普及したらどうせ軍で大量購入すると思うので、私にもレビタス・バイクを購入できるチャンスがありますね」
「軍用は世界樹と魔石のハイブリッドにする予定だから、ウェルテクスは楽しめるかも」
「何ですか、それは?」
俺は世界樹と魔石のハイブリッドの機能を説明した。ハイブリッドと言う機能は大量に魔石を搭載し、魔石に魔素を貯めて速度ブーストや世界樹の龍脈外でも一定時間を使えるようになっている機能だ。魔石を電池のように使い、自動車のハイブリッド車のような仕組みにするつもりだ。
説明を聞いたウェルテクスが顔を輝かせた。
「それは是非とも乗りたいですね!」
「軍でも採用してくれるかな?」
「オケ兄上は量産した際に購入するために予算を前から貯め込んでいますよ」
「レビタス・バイクは軍で有用なのであるか?」
皇帝陛下が疑問を呈したので、俺はマギウスジェムの領星の海で母の宇宙船と共同して、父と剣聖が乗ったレビタス・バイクでの魔物との戦闘を動画で視聴させた。赤茶石ダンジョンにミスリルを取りに行った時の動画も視聴させる。宇宙船やレビタス車が通れない狭い道も行軍可能になるはずだ。
ウェルテクスがレビタス・バイクに期待を寄せた。
「随分と父上達は楽しそうにしていますね……。しかし騎士がこれだけの機動力を持てば、従軍スピードだけでも雲泥の差ですね。しかも湖沼や海に山岳地帯でも運用できるとか軍の様相が一変します。父上とオケ兄上が強くお強請りしていましたが、遂に量産ですか」
「マギウスジェム領だと人員不足過ぎて工場の建設まで手が回らなかったんだよ。帝都なら人手が集まるから工場を建てて帝国軍に買ってもらえれば、利益も確保できるし良いよね。冒険者にも好評だし」
俺はグロス達熊人の冒険者パーティが食品植物ダンジョンで、レビタス・バイクを運用している動画を視聴させた。狭いダンジョンにも侵入できるので効率的に探索が可能になる。
フラステス公爵や魔聖や貴族院の教授達がマギウスジェム領都に尋ねて来た時の、レビタス・レースの様子も動画で見せた。
スピード狂のウェルテクスが食いついて来た。
「それで工場は分かったのですが、もしかしてレビタス・レース場とは、先程の競技をやるのですか?」
「レビタス車とかバイクの車両で順位を競争して、掛け金を賭ける賭博だよ」
「それは面白そうです! 自分も出たい!」
「余も見たいのじゃ!」
「僕も見たい!」
ウェルテクスはレビタス・レースに出たいそうだが、皇帝陛下の護衛騎士が出て良いのか、俺には分からなかった。
次回の話は2025年4月9日(水)の19時になります。
蒼汰君VS神殿の第2弾ですね。
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