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緑の石  作者: ナニカ
バトルアクション
42/42

バトルアクション4

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そして、評価していいただいた方本当にありがとうございます。頑張ります!

 背中に乗ってしばらく進むと、

「おお、こっちも起きたんですね。」

キミが扉の前に立っていた。

「はい。」

「こ、こんにちは。」

「あ、こんにちは。」

キミが軽く会釈しながら言った。

「もう二人ともちょっと人見知りですね。」

「もう。」

「あの、ミリーナは。」

「ごめんなさい。この扉の奥にいますよ。」

キミが急いで扉を開けた。すると、ミキと両手で手を握り一緒に床から浮いているミリーナがいた。

「ミリーナ。」

ミリーナはぱっと振り返って目が合った。ミリーナの顔はお世辞でも健康的とはいえず、頬は骨ばり足や腕の筋肉は全くないように見えた。

「シ、シラン。さん。」

声もかすれて上手く口も開けていない。

「ミリーナ。」

「ちょっとシランさん。」

気が付かないうちに体がミリーナのほうに近づいていたようで、カミラの背中から落ちそうになった。

「すみません。」

「ま、ってください。」

ミリーナはミキと手を握ったまま、浮きながら私に近づいた。それだけでなく背中に乗っている私と同じ目線の高さに上がってきた。

「ミリーナ。」

手を伸ばすとミリーナの肩に触れた。肩にも肉がついてなく細い骨があるだけだった。

「ミリーナ。」

骨が折れないように慎重に抱きしめた。両手でだきしめると、ミリーナの胸が上下して肺が動いているのを感じる。耳からはミリーナの体温も感じる。

「ミリーナ、生きてる。」

「は、はい。もちろん。です。」

「上手くいってるね。」

「あ、こんにちは。ミキさん。」

「あはい。」

「こっちも人見知りですか。」

『おい。』

ミリーナがだんだんと下がっていく。

「ミキさん。ミリーナさんが。助けてあげてください。」

「ああ。ミリーナさん。ちょっと待ってね。」

ミキがミリーナの脇を両手でつかんで、ゆっくり抱える。

「あ、ありがとうご。ざいます。」

「うん。ベッド戻ろう。」

ミリーナを抱えたまま何も反動がなく、ベッドにもどった。ミリーナはベッドに寝ころんだ。

「シランさん。大丈夫だよ。疲れただけだから。」

「はい。」

「説明しないといけないですかね。カミラ。」

「はい。お願いします。」

「ミキさん。」

「うん。」

キミとミキが近づいて、前に並んだ。

「シランさん。これ知ってますよね。」

キミがぽっけから緑の石を取り出した。石は緑色に輝いていて、変な匂いがここまで届く。

「はい。孤児院で見たことがあります。」

「孤児院でですか。」

「本当に。」

二人が眉をゆがめたままお互いの顔を見合った。

「結晶が流れ込むことは可能性としてゼロではありません。」

カミラが言った。

「うん。」

「ごめん。シランさん。話を戻すね、この石について何を知ってるか話してくれない。」

「は、はい。私が初めて石を見つけたのは孤児院の井戸で、ミリーナと一緒にいました。」

「井戸の中か。」

「はい。石は井戸から上げるとすぐに消えてなくなってしまいまいた。そしてその水を、二人で飲んで調理に使いました。」

『え。』

三人が一斉にこえをもらした。

「だから。ごめんこの話は最後にするね。それで。」

「水を飲んでから、手が水で濡れた状態でものに触れると浮き始めたんです。」

「うん。」

「それで気になって私なりにいくつか実験してみたんです。」

「実験?」

「はい。どれくらいの質量のものを浮かすことが出来るかとか、どれくらいの範囲を浮かすことができるかとかです。」

「すごいね。」

「賢いんですね。」

「いや。結果としては触れたものは同心円状に透明な球が覆っているように浮く力が働いていたんです。私はそれを場と名付けました。場の中では二つの大きな力が発生しています。一つは“ものを中心に戻そうとする力”もう一つは“ほかの場を反発する力”です。また場は濡れている手でものをつかんでいる時間に従って広くなっていきます。」

『すごい。』

また三人が同時に話した。

「ねえミキさん、カミラ、この子天才かも。」

「たしかに。天才だ。」

「はい。うちの子は天才です。」

三人が私を見ている。カミラは振り返って私を見ている。

「本当にすごいよ。」

「あ、ありがとうございます。合っていますか。」

「うん。ほとんど。キミ。」

「はい。ここまで一人で調べられたのは本当にすごいですよ。でも違うところもあります。」

「なんでしょうか。」

「はい。まず濡れている手という部分に関してです。”濡れている”という意味は水などに濡れているという意味ですか。」

「はい。」

「じゃあ間違っているかもしれません。正確に能力者の粘液または皮脂、血液にふれたものを浮かすことができます。」

「あ、なるほど。考えてみれば、服が浮いたときも井戸のひもを引いたときの荒れた手で触っていたかもしれません。」

「はい。ちなみに力は皮脂、粘液、血液の順で強くなっていきます。まあ皮脂に関してはほとんどというか全く浮かす力はありませんけど。」

「え、でもじゃあおかしいです。こけて膝を怪我した子の止血をするために、ハンカチで押さえつけたとき私の血じゃないのに浮きましたよ。あの時は私の手は怪我していなかったと思います。」

「、、、、。」

「なんですか。」

「いや、それがさっき流した話です。お二人が石が入った水を調理に使ったため、孤児院にいた人がみな軽度の能力者になってしまったと思われます。」

「本当ですか。じゃあ、私最低なことを。」

「あ、別に悲観する必要はありません。軽度なら日常生活に影響を及ぼすことはほとんどありません。」

「いや、あの日からしばらくたって孤児が、全員。死んだでしまったんです。」

「え。」

「シランさん。いいですか、ここに来る前に教えませんでしたけどこの力は分からないことが多いんです。孤児院の子どもたちが石の影響で亡くなってしまったかはわからないんです。いま、後悔して何の意味もありません。」

「はい。ごめんなさい。」

「はい。」

「ごめんなさいね。私が変なこと考えさせちゃって。」

「いいえ。話を遮ってすみません。」

「じゃあ話を戻しますね。中軽度の能力者はシランさんが見つけた法則に従って、浮遊力を使用することになります。カミラさんがその能力者です。」

「そうなんですか。」

「はい。ここに来るまでに何回か見ましたよね。」

「はい。」

「中等度になると場の範囲や形を自在に変えることが出来ます。」

「自在にですか。」

「はい。私がその能力者です。」

「なるほど。」

「重度になると自身を浮遊させることが可能です。また原理は分かりませんが、粉々にした石を意識的に結晶に戻すことも可能です。ミキさんがこの能力者です。ミリーナさんも。」

「ミリーナもなんですね。」

「はい。いづれの場合においても基本的にはシランさんが調べた法則にしたがいます。」

「そうなんですね。」

「はい。だからシランさんがこの法則を見つけたのはすごいんですよ。」

「あ、ありがとうございます。」

「はい、いいですよ。」

「でもまだ分からないことがあります。」

「なんでしょうか。」

「石には傷や病気を治す力もあるんですか。」

「ここは私が教えますよシランさん。」

カミラが言った。

「石は傷ついたもしくは病気に感染した能力者を低い確率で回復させることが分かっています。」

「低い確率ですか。」

「はい。原理も効果もよく分かっていませんが、どうしても助かりそうにない人にのみ私たちは利用しています。」

「そう、ですか。」

「私たちはというよりは私たちの国はこのような不思議で、不明な点が多いこの力を隠しながら使っているんです。」

「私に教えていいことなんですか。」

「この部屋に来た時点でシランさんも知る権利はあります。」

「、、、。」

「暗い話はやめよう。とにかくねシランさん。この力でミリーナさんは助かったことには間違いないんだよ。」

ミリーナは細い腕を伸ばしたまま、目を瞑り胸をあさく上下させて呼吸している。

「シランさん。不安ならもうやめてもいいんですよ。」

「、、、、。いや、大丈夫です。」

「分かりました。じゃあ明日から訓練しましょう。」

「はい。」

「でも今日はミリーナさんと一緒にいたら良いと思いますよ。」

「ありがとうございます。」





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