噂 11
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「ほら、着いたよ。」
「ありがとうござい、ます。」
「なに、不貞腐れてるんですか。」
「違います。行くときもこれでよかったんじゃないかって。」
「我儘言わないでください。いいから傷口見せてください。」
「はい。」
カミラがゆっくり包帯を外していく。
「痛い。」
「うわー。すごい出血してるじゃないですか。」
「だから、歩いて行ったからですよ。」
「分かりましたって。でも、もう止まってるみたいなので新しい包帯まきますね。」
「はい、お願いします。」
包帯を取り出して交換していく。
「痛い。きつくしましたか。」
「いいえ。じゃあもう行きますね。」
「待ってください。次はいつリンさんに会えますか。」
「分かりません。でも機会があれば教えてあげますから、安静にしていてください。」
「はい。」
「えらいですね。」
カミラが頭をなでてきた。
「やめてください。血がついてるじゃないですか。」
「そこですか。」
床に落ちている血がついた包帯を持って部屋を出ていった。
次の機会は二日後か三日後かと考えている内に、その日はやってきた。
「ダン、ダン、ダン、ダンだだだ。」
「急いで、急いで。」
次の日の朝のことだった。怒号と凄まじい足音で目が覚めた。何が起こっているんだ。ベッドから這い上がり、ドアに近づく。
「ガタ、ガタタッタタ。バタバタ。」
「逃げろ。逃げろ。急げ。」
何か大変なことが起きている。私も急いで逃げたほうがと思い、扉を開けようがまったくドアノブが動かない。カミラが昨日鍵を閉めて帰ったんだ。
「ガチャ、ガチャ。」
「助けて。開けて。」
「ドン、どんどん。」
後ろから何かが当たった音がした。ゆっくりと振り返ると
「おーい、ごめんなさい。開けてください。」
カミラが窓に張り付いていた。
「なにしてるんですか。」
「いいから、早く開けて。」
「は、はい。」
右足をかばいながらなるべく急いで、窓に向かう。
「どうしたんですか。」
「話はあとです。早く開けてください。」
窓を持って引いてもびくともしない。ごみでも詰まっているんだろう。
「開きません。」
「ちょっと待って、開けなくてもいいから隙間を作って。」
「は、はい。」
窓をもう一度もって勢いよく引く。窓の上が動いて、窓が斜めに軽くずれた。しかし手からはなれてしまい手を窓枠に挟みそうになる。
「痛い。」
「ありがとうございます。」
目を開けるとカミラの足が窓に挟まっている。
「じゃあ、危ないから手をどかしてください。」
「はい。」
窓から手を放した瞬間、カミラが片足で窓を蹴っ飛ばした。
「ダン。」
と音が鳴る。カミラは反動をつけて体を振って、窓が戻らないうちに両足を隙間に挟みこんだ。そして膝を使って窓を強引に開けた。
「よし。ありがとうございました。」
「何があったんですか。というかなんでここから入ってきたんですか。」
「説明はちょっと待ってください。ドアを開けますからね。」
カミラはそのまま走ってドアに向かった。
「少し近寄らないでくださいね。」
カミラは左手でポケットから何かを取り出した。そのまま左手を地面と平行になるように、正面に伸ばした。次に右手を握りしめて、脇を閉め腕を曲げた。アーチェリーみたいな格好だ。
「ちょっと大きな音がしますからね。」
すると、左手を軽く緩めたと思った瞬間。
「バアアアアアン。」
鋭い空気がきれる音とともに、ドアノブが吹っ飛んだ。
「よし開きましたね。」
「え。」
「じゃあ、ほら背中に乗ってください。」
「え、え。」
「歩いてまた傷を開きたいですか。早く乗ってください。」
よくわからないが、とにかくカミラさんに飛び込んだ。
「よし。行きますね。」
廊下に出ると人が階段に集まっているのが見えた。
「どうなってるんですか。」
「うん。端的に言いますね。今ここは何者かに襲われています。」
「襲われている。」
「はい。正直私もよく分かっていません。とにかく今は逃げましょう。」
「待ってください。ミリーナ、ミリーナは。」
「ミリーナさんは仲間がちゃんと守っています。安心してください。」
「じゃ、じゃあリンさんは。リンさんたちは。」
「、、。」
「待ってください。どういうことですかリンさんたちは守っていないんですか。」
「落ち着いてください。いいですか、相手が狙っているのは恐らくあなたたちです。ここで働いている人ではありません。なので無暗に手を出さないと思います。」
「思いますって。」
「とにかく、今は逃げないといけないんです。」
「待って。待ってください。リンさんだけでも助けられませんか。お願いします。昨日、いい人だってカミラさんも言ってたじゃないですか。」
「、、、。分かりました。行くだけ行きましょう。」
カミラは再び私の部屋に戻って、窓に向かって走り出した。
「な、なにする気ですか。」
カミラは窓から飛び降りた。町の建物が下から上に勢いよく目の前で流れる。髪の毛が重力に逆らって上に上がる様子を見た瞬間、下にものすごい力で押し付けられた。次に
「ビュー。」
と音が聞こえ、また空に投げ出せられた。その間空中で半回転し、娼館の4階の高さまでたどり着いた。
「パリン。」
カミラは足を前にして窓をたたき割りながら、部屋に入った。
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