噂6
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「おい、もう着いたぞ。医者。急いでくれ、重症だ。早く。」
「こっちを優先にしてください。」
「あああああ。」
「待ってください。順番です。」
「はやくきて、主人が死んじゃう。」
意識がもうろうとしてくる。
「はい。早く診てください。」
「もう助かりますよ。」
声が遠くなってくる。
うわっと起き上がるとベッドの上にいた。体中に包帯がまかれてあり、首から下が上手く動かせない。
腕を無理に持ち上げようとしても痛くて毛布をどかすこともできない。何回か体を起こすことを試みた後疲れて諦めた。そして、周りを落ち着いて観察すると見覚えがあることにきがついた。娼館だ。私が働いていた娼館のベッドに違いない。どうしてここで寝ているのか全く記憶にない。あの後、誰かに助けられてからどうなったんだろう。いや待って。血の気がいっきにひいた。
「ミリーナはどこにいるの。」
直前まで隣にいたミリーナは助かったのだろうか。でも助けられたときは一緒じゃなかった。もしかしたら。探しに行かないと。
「ああああああ。」
無理やりに痛みを我慢して体を動かす。
「ダン、ダン、ダン。」
「おい、なにしてるんだ。」
扉から人が入ってきた。
「起き上がろうとするな。」
「あ、あんた。」
ブルースーツの男だった。髪の毛がぐちゃぐちゃで変な表情をしている。
「まで寝ているんだ。」
男が私の肩を押さえつけてくる。
「やめて。ミリーナを探さないと。」
「ミ、ミりーな?。ミリーナか。」
「知ってるの。どこにいるの。」
「この娼館の別室にいるよ。」
「無事なの。」
「ああ、無事だ。私の部下が君と一緒に助けたんだ。」
「そう。」
力が抜けた。
「やっと落ち着いたか。」
男はベッドの横の椅子に座った。
「何があったんですか。」
「ああ、教えてあげたいんだが何から話せばいいか。正直今も調査中で分かっていないことだらけなんだ。」
男はしばらく沈黙した後に話し出した。
「4月1日の12時、カントーリ大統領を乗せたパレードカーが軍先導のもと出発する。12時30分、3本目のとおりを通るころに聴衆が多くなりはじめる。12時35分、何者かがカントーリに向けて発砲する。発砲音をきいた聴衆がパニックを起こし、軍が身動きが取れなくなる。」
「ちょっと待ってください。カントーリに銃弾は当たったんですか。」
「大統領の身体については話すことができない。」
「そうですか。」
「すまないが決まりでね。そして12時40分ごろ、寝ていた君たちを発見し近くの病院に運ぶ。」
「なるほど。」
「まあおそらく君が見たまんまだろうけどね。」
「はい。そのあとなんで、ここに運ばれることになったんですか。」
「ああ。それはね君も知っているだろうが、この娼館のオーナーが怪我人を受け入れてくれたんだよ。」
「え、オーナーが。」
「ああ。君たちの名前を出したらすぐに協力してくれたよ。」
「じゃあ、今日は何日なんですか。」
「4月11日だよ。」
「11日ですか。十日間も眠って。」
「ああ。心配していたよ。」
「ミリーナは目を覚ましているんですか。」
「ああ。まだ君と同様起きられないがねすぐに良くなるよ。」
「よかった。あのランは。ランもここにいますか。」
「、、、、。」
「あの聞いてますか。ランは。」
「ラン。ランさんは行方不明なんだ。どこにいるか分からない。」
「どういうことですか。」
頭を起こして男を見る。男は顔に手を当てて、下を向いている。私が起きたことに気づいたのか手を膝の上において私の顔を見てくる。
「どうしたんですか。」
男は椅子の下に手を伸ばした。
「君に聞かれなければ、話すのはもっと後にしようと考えていたんだ。」
「どういうことですか。」
「これが何かわかるかな。」
男のごつごつした手に薄汚れたレースがのっている。
「これ。まさか。」
首をできるだけ伸ばしてレースをよく見る。
「これ、ランのランのレースです。ミリーナが作った。」
「やっぱりそうなのか。」
男はレースをベッドの上に載せた。
「カントーリの近くでこれが見つかったんだ。」
「え。」
「君たちを運んだとき、同じような独特な刺繍があったことに気づいたんだ。それで君たちの知り合いかと思って持ってきていたんだ。」
「どういうことですか。ランはいったいどこに。」
「だから分からないんだよ。」
「あなたはランや私たちを疑ってるんですね。だからこんなに丁重に看病してるんじゃないんですか。」
「それは。」
「図星ですか。私は何も話しませんよ。」
「違う。少なくとも私はきみやミリーナを疑っていない。」
「ランのことは疑ってるんですね。」
「、、、。正直。状況的に疑わない理由がないんだ。しかし犯人と決めつけているわけじゃない。」
「じゃあなんで私たちはここにいるんですか。」
「だから言ったじゃないか。ここのオーナーの親切だよ。」
「嘘をつかないでください。」
「、、、。今日はとにかく休みなさい。君が気になることはミリーナさんと一緒に話してあげるから。」
「待ってください。」
男はベッドの上のレースを持って部屋から出ていった。追いかけようとしたがそんな力はなく、頭が枕に落ちた。
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エピソードタイトルが分かりにくいので”こうしたほうがいい”という案がある方は教えていただけないでしょうか。
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