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緑の石  作者: ナニカ
娼館
14/42

娼館13

ここまでご覧いただきありがとうございます。面白ければ評価、ブックマークよろしくお願いします。

 娼婦と会話しているあいだにあることを思いついた。場を利用して浮く現象を上手く使うという方法だ。掃除用具をカートに入れて四方に、十分に濡らした雑巾をいれる。そうすることで、カートが浮く。よって、摩擦や掃除用具自体の重さをゼロに出来る。

 早速、娼婦の部屋を出てカートと濡らした雑巾を取りに行った。持ってきた雑巾をカートの右下に挟んでみる。しかし、浮かない。水にぬれたものは浮くはずなのに。そこで、もう一度浮いた時のことを思い出すことにした。

 実験のときは芋一個分しか浮かなかったのに、血が付いたハンカチは明らかにそれ以上に浮いていた。重さが違うのか。いや、濡れた頭巾と血が付いたハンカチでそんなに重さが違うとは思わない。重さよりも決定的な違いがあるはずだ。そういえば、怪我のとき血が止まらなくて長いこと抑えていた。もしかしたら水をずっと触っていると、浮く時間が延びるのかもしれない。

 早速実験してみることにした。濡れた雑巾を5秒握ってはなす、芋三分の一個分浮いた。次は10秒握ってみる。芋三分の二個分浮いた。このあと、30秒観察してみる。どちらも浮き続けていて、落ちる気配はなかった。本来はもっと長く観察したほうがいいが、さすがに時間がないのでやめた。なので、結果は参考までにしかならないが、握る時間によって浮く時間はおそらく変わらないだろうということが分かった。しかし、浮く時間は変わらないが浮く高さが変わることが分かった。つまり、場の考えでいくと握る時間によって場が広がっていくということだ。

 よって、10秒程度雑巾を握りカートの四つ角に入れてみた。少し浮いた。成功だ。これで楽にものを運べる。早速カートの取っ手を握り引いてみると動いた。よかったと思った瞬間、

「ゴトン。」

カートが落ちた。なんでだと思い振り返ってみると、雑巾だけが浮いていた。途中まではカートと雑巾の摩擦力で運ぶことはできたが、その摩擦力が逆にカートを落とす結果になったのだ。つまり、手でカートを引いているので進行方向に力が働く。その力で雑巾も動く。しかし、手押し相撲したときに相手を押すと自分ものけぞるように、雑巾が前方に行こうとする力の反対の力、戻ろうとする力が働いたのだ。加えて、そもそも浮遊物は場の作用によって中心に戻ろうとする力が働く。だから、途中でカートが落ちたんだ。これでは、使い物にならない。諦めていつものように運ぶようにした。

 そのあとは実験をしたり考えていたりしたので時間がかかってしまい、無駄なカートと雑巾4枚を持って掃除しなければならなくなった。けれど、いつもより焦って掃除をしたおかげで早く終わることができた。掃除が終わるころ、リンが話しかけてきた。

「おつかれ、シラン。」

「お疲れ様です。」

「あれ、カートなんか使ってたっけ。」

「まあちょっと、使ってみたいなと思いまして。」

「へええ、珍しいね。」

「まあ、はい。あのところで、右奥の部屋の娼婦と何かあったんですか。」

「それがね。」


ここまでご覧いただきありがとうございます。面白ければ評価、ブックマークよろしくお願いします。そして、もし宜しかったら次も見てください。

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