ダンスゲーム
日向は大きなリボンを頭に着けたまま、店を回った。
ゲームコーナーに立ち寄る。
ダンスゲームがあったので、二人でやってみる。ビデオで踊れているか判定するゲームだ。
もちろん俺はダンスが得意なので、難易度を上げる。彼女は初めてなので難易度を一番簡単なのにした。
このゲームは楽しいのだけど、その派手さから衆目を集めるのが難点。いや、俺は目立つの大好きなんだけど、彼女はだいじょうぶだろうか?
うん、だいじょうぶみたい。俺以外に興味がないらしく、ギャラリーを全く気にしていない。
普段ギャラリーなんてたいしていないのに、二曲目の前に周りを見ると、遠巻きにギャラリーが湧いていた。
俺のパーフェクトなダンスが注目を集めたのか。
うん、違うな。
彼女のハデな髪飾りと、セーラー服のコスプレっぽさが目立っている。
二曲目は高得点を取る事を捨てて、彼女を横目にプレーした。
彼女のダンスは、まあひどいね。曲を知らないのもあるのだろうが、リズム感が絶望的だ。そのくせに、身体能力の高さからか、動きがキレてる。
特にステップの早さが、短いスカートを跳ねさせて色っぽいことになっている。
ターンにいたっては、出だしは遅いのに、終点は判定より早く終わっている。おもいっきりスカートが広がっているのですけど。
いや、難易度イージーは決めポーズの判定だけで、ターンする必要もないんだけど。
やってしまった。
「もういいの?」
「違うゲームにしよう」
「どうでしたか?」
「何が?」
「頑張ったって言いましたよね」
「ん?」
「勝負下着です。気に入ってもらえましたか?」
わざとかよ。知ってたよ!
プリクラのコーナーに移動した。
彼女は、「撮るの?」って顔をしたが、そうじゃない。
筐体が大きいので、その影に隠れただけだ。
「日向」
「はい」
俺は彼女の正面から、彼女の目をまっすぐに見る。さて、何と言おうか?
俺は少し考える。
「怒ってますか?」彼女は少し首をかしげる。
うん、可愛い。
でも、怒ってるんだよ俺は。にやけちゃダメだ。
「ひーなーたー」俺はあまり怖くならないように、少しおどけた感じで、怒っているアピールをする。
彼女は少しビクッとする。
怒ってない感を出すために、少しおどけすぎたか。かえって無理に怒りを抑えているのがまるわかりだね。
「ほっぺつねっていい?」
「え? あ、はい。どうぞ」
両手で彼女の頬をつねる。少し強めに。
「日向」
「ふぁい」
「人前でパンツ見せるのダメ」
「ふぁんででぇふか?」
えー。マジで言ってるの?
「ひぁくみが、こっひみてぇるときひか、みせてまふぇんよ」
ああ、1曲目は見せてなかったのね。2曲目に俺が見てたから、パンツ見せたと。
「他の人も見てたでしょ」つねる指に力が入った。
「きにひまひぇん」
「僕が気にします!」
「ひたぎみりゃれたのふぁ、ふぁたしでふから、ひゃくみふぁこむゃりまへぇんよにぇ」
え?何だって?聞き取りにくいな。まあ、俺のせいだけど。
「日向のパンツを見ていいのは僕だけ。わかった?」
彼女は目をパチパチさせた。ビックリしてるのか?
俺、変なこと言った?
「ふぁい。ごめんなひゃい」彼女はしおらしく、あやまった。
俺は頬から手をはなす。
「もういいの?」彼女は赤くなった頬を、両手でさすった。
「痛くない?」
「ん」
「ごめんね」
「ん?」彼女は、何が?って顔をする。
「乱暴に罰みたいな事して、ごめん」
「え?」彼女は本当に何を言っているのかわからないって顔をしている。「拓海はほっぺぷにぷにするのが好きなんですよね?よくやりますよね?」
あー、そうですか。あれ、遊んでもらってたと思ってるんだ。けっこう強くつねったと思うんだけどね。
「私のほっぺたで遊びたいなら、いつでもいいですよ」
「あ、うん」おかしい。
「私の下着姿もみたいときには言ってくださいね」
「え?何でそうなるの?」
「さっき、二人だけの時に、私のパンツ見たいって言ってましたよね」
言ったか? いや、言ってない。でも、それっぽいことは言ったか。
「やっぱり拓海は私の下着姿が見たいんですね。良かった」
しゃべる度に、俺の言った言葉が拡大解釈されてく。もはや捏造レベルなんですけど。
あと、「良かった」て、何?
これは、誘導されたかな。
「写真とりますか?」彼女は隣にある、一般にプリクラと呼ばれる筐体を見て言った。
あ、うん。気に入ったんだ。断る理由もないので、撮ることにする。
榎本さんがやっていたように操作をする。なんとなくできた。
「キスしてください」彼女のなかでは、プリクラは恋人らしいポーズで撮るものになっているようだ。
そして、恋人らしいポーズは、キスですか。
俺はいわれるがままにキスをした。
彼女は勝ち誇ったようにカメラ目線で写真に収まっていた。
何に勝ったのですか?
そしてこの写真はどこに貼るつもりなのか?
いつも読んでくれてありがとうございます。
投稿が遅れたことをお詫びします。反省してます。
そして変な時間の投稿となりました。
読んでもらえるかな?不安。




