諦めの悪い他国の者たち―13歳―
リド暦792年 五の月 一日
ティモと一緒に過ごせることが嬉しいわ。
でも結構用事もないのに、他国の王女殿下たちは、ティモに接触しようとしてくるわね。
私はティモの婚約者として、負けないようにするわ。
だって私はティモのことを誰かに渡す気なんてないから。
ミリセント
リド暦792年 五の月 四日
本当に僕のミリーは可愛いね。
僕は周りにミリーと過ごす時間を邪魔されることがもやもやしてしまう。王族としてそういう嫌な付き合いもしなければならないことは分かっているけれどね。
ティモ
リド暦792年 五の月 七日
まさか、私を傷物にしようとしてくるなんてびっくりしたわ。護衛がいたから問題はなかったけれど、成功していたらと思うとぞっとするわ。私はしばらく部屋で大人しくしているわ。あの王女殿下たちが何をしでかすか分からないもの。
ミリセント
リド暦792年 五の月 七日
僕のミリーに手を出そうとした報いはちゃんと受けてもらわなきゃね。
ティモ
リド暦792年 五の月 十日
きっちり証拠を集めて、追い詰めるなんて流石ティモだわ。自分が襲われそうになった時よりも、やり方がえげつないのだけど……私が何かされそうになったからよね。やっぱりティモは私のことがとっても大好きね。
今日も抱きしめられて、とても幸せだわ。ティモが私の事を好きだと実感したらとても嬉しいの。
ミリセント
リド暦792年 五の月 十三日
ミリーがもうすぐ帰ってしまうと思うと僕は寂しいよ。
他国の連中がいたからミリーと過ごす時間も少なかったし、もっとミリーと一緒に居たいなと僕は思ってならないよ。
学園を卒業して、ミリーと結婚するのが楽しみで仕方がないよ。
ティモ
リド暦792年 五の月 十五日
領地へと帰宅中よ。
ティモが私のために時間を割いてくれたから、最後の数日はずっと一緒に居れて嬉しかったわ。
私と一緒に居るためにティモが他のことをきっちり終わらせてくれていて、本当にティモらしいなと思ったわ。
また次に会える日がとっても楽しみだわ。
ミリセント
リド暦792年 五の月 十七日
ミリーが帰って本当に寂しいよ。キッドや父上、母上も寂しがっているよ。
次にミリーに会える日が本当に楽しみ。
そういえば、あのやらかしていた王女殿下たちだけど、父親に注意されても帰宅中に色々噂を広めようとしているみたい。馬鹿だよね。僕の国で、僕のミリーを貶める発言なんて許せないから、もっと抗議するよ。
まだ子供だからって、ちょっとした処罰で終わっていたけれど……流石に見過ごせないからね。
ティモ
リド暦792年 五の月 十九日
あら、噂まで広めようとしていたのね。未遂で、まだ子供だからってそこまでの処罰をされなかったけれど、ティモは次はないって言っていたのに、それをちゃんと理解していなかったのかもしれないわね。
ティモは見た目は優しい王子様だけど、結構周りに容赦のない冷たさもあるのに……それを理解していなかったのね。
不謹慎かもだけど、ティモが私のために怒っていてくれていると思うとうれしいわ。
ミリセント
リド暦792年 五の月 二十二日
僕はミリー以外には優しくないって自分で思っているけれど、ちょっと良い顔をしたら勘違いする人も多いよね。王族として外面は大事だから、それなりにしているだけなのにさ。
僕はミリーに何かしようとする存在は許せないからね。僕にとってミリーは一番大事な宝石だから。
ミリーを失うことになったら僕はきっと生きていけないと思う。だからずっと傍に居てね、ミリー。
ティモ
リド暦792年 五の月 二十四日
領地に帰ってきたわ。
領民たちが私のことを温かく迎えてくれて、とても嬉しい気持ちになったわ。
ティモがそんな風に言ってくれるのが私は何よりも嬉しいわ。私にとってもティモは、一番で唯一の私の大切な存在よ。私にとって、太陽みたいな存在がティモだと思うわ。
もちろん、ティモが許してくれる限りずっと私は貴方の傍にいるわ。私がティモの側に居たいのだもの。
ミリセント
リド暦792年 五の月 二十七日
ミリーが僕を太陽何て言ってくれて僕は嬉しいよ。ミリーの言葉一つ一つが僕の宝物だなと思う。
キッドが僕とミリーの交換日記を見たいと言ってきたけれど、流石に見せなかった。この交換日記は僕とミリーだけが見れる大切な宝物だから。
そういえば前から言っている反乱の芽だけど、まだまだ尻尾を出さないんだよね。
数年後とかに動き出すものかもしれないから気を付けておかないと。
ティモ
リド暦792年 五の月 二十九日
私にとってもティモの言葉一つ一つが宝物だわ。ティモが与えてくれる言動が、私にとっては何よりの宝物なのよ。
私も誰かに日記を見せることはないわ。だってこれは私とティモの二人だけの大事なものだから。
反乱の芽については、どうにかできればいいけれど……尻尾を出されないと結局どうしようもないものね。頭に留めておいて気を付けないと。
ミリセント




