誕生日(ティモ・十三歳)―12歳ー
リド暦791年 九の月 一日
王都へと向かっているわ。
この前の出来事で、お父様たちも色んなものを警戒しているわ。
ティモの誕生パーティーだから、色んな人が集まるし、そこで何か起こらなければいいってドキドキしているわ。
ミリセント
リド暦791年 九の月 五日
ミリーがこちらに来るのを楽しみにしているよ。
この前あれだけの出来事が起こった後だからすぐに仕掛けてはこないとはおもうけれど……、断言はできないね。
そういう人たちが僕に何かをしてくる可能性はあるから、気を付けておかないとね。
僕だけじゃなくてミリーの方も気を付けるようにね。ミリーを篭絡して何かしようって人もいるだろうから。
ティモ
リド暦791年 九の月 九日
もうすぐ王都に着くわよ。
ティモに会えると思うと、ワクワクするわ。
王都に近づく間に情報収集したけれど、一部の場所では陛下のことが広まっているみたいだわ。わざわざそのことを広めているってことは、王家に対する求心力を低めようとしている人もいるのではって思うの。
そのあたりのことも、王都で相談するわ。
ミリセント
リド暦791年 九の月 十一日
ミリーが王城にいると思うと嬉しいね。
それにしても噂が広まっているとなると、意図的な可能性が高いね。僕たち王家を蹴落として、下克上をしたいと思っているような存在も少なからずいるからね。
そういう人たちのあぶり出しには今回の件は良かったと言えるかも。宰相たちもあぶり出しに熱心だし。それにしても僕にもミリーにも色んな人たちが寄ってくるね。ミリーとゆっくり話したいのに邪魔をされてちょっと嫌な気持ちになるね。
ティモ
リド暦791年 九の月 十一日
私もティモと話せなくて少し寂しいわ。
それにしても権力を手にしたいという欲望に溢れている人がやっぱり何処にでもいるものね。
私はティモが隣にいてくれればそれでいいってそう思うけれど、何でも手に入れたい人は手に入れたいって思うだろうし。分かり合えない人もきっといるから、そのあたりの人たちとどんなふうに対応することを考えると難しいわね。
ミリセント
リド暦791年 九の月 十三日
なんかややこしい感じで接触をされたりしているけれども、やっぱりティモが隣にいてくれるだけでも嬉しいわね。
明日には、もっとティモは色んな人に囲まれてゆっくりは過ごせないだろうけれど、少しでも私との時間を作ってくれると嬉しいわ。
ミリセント
リド暦791年 九の月 十三日
もちろん、ミリーとの時間はとるよ。忙しかったとしてもミリーとはゆっくり過ごしたいから。
明日の誕生日のパーティーは、色んな人が近づいてくるから疲れそうだけどね。
ティモ
リド暦791年 九の月 十四日
誕生日おめでとう。ティモ。
ティモの誕生日をお祝い出来るのが私は嬉しくて仕方ないわ。
ティモは王太子だから色々大変だと思う。けれど、私も支えるからね。
ミリセント
リド暦791年 九の月 十四日
朝からありがとう。ミリー。ミリーからお祝いしてもらえると僕は嬉しいよ。
誕生日パーティーでは着飾った可愛いミリーが見れると思うと楽しみだよ。
ティモ
リド暦791年 九の月 十四日
今日のパーティーは爽快だったわね。
私もティモが沢山の人に好かれているのを見て誇らしかったわ。
でも嫌な雰囲気でティモに近づいてくる人たちもいてハラハラしたわね。
ミリセント
リド暦791年 九の月 十六日
父上の噂が広まったからというのもあるだろうけれど、僕に近づいて来ようとする令嬢がいて困るね。
何人かは軽い魅了系のものを使ってそうだから、厳重注意に出来たけれど……。僕を篭絡するために悪い存在が令嬢たちに近づいていたりしているみたいだから、ちゃんと気を付けないとね。
令嬢たち自身が知らないうちに魅了の力を手に入れてしまっていたりするみたいだから、本当に面倒だよ。
ティモ
リド暦791年 九の月 十六日
なんだろう、この前の件から魅了の力が私たちの周りに結構あるわね。
やっぱり陛下が魅了の力に惑わされてしまったというのがあるから、もうしばらくはバタバタするかもしれないわね。
それにしてもティモやティモの友人たちにばかり近づこうとするわね。彼女たちも必死なのでしょうけど。
ミリセント
リド暦791年 九の月 二十日
やっぱりミリーが傍に居ると落ち着く。
相変わらず色々と接触して来ようとしている貴族達も多いけれど、宰相が選別した相手としか会ってなくてもやっぱり多いから疲れるね。
やっぱりミリーが癒しで、ミリーを抱きしめると嬉しい。
ティモ
リド暦791年 九の月 二十四日
もう王都を後にしなければならないと思うと寂しいわ。
ティモに沢山抱きしめられて、とても幸せな気持ちになったわ。
次に会う時は私の誕生日の時ね。またティモに抱きしめられる時を楽しみにしているわ。
ミリセント
リド暦791年 九の月 二十六日
僕もミリーがいないのが寂しい。ミリーがいないのに王都に住んでいる面倒な連中は僕に接触してこようとするしね。
やっぱりミリーは可愛い。次にあった時も思いっきり抱きしめさせてね。
また何かあったら交換日記で伝えるね。
ティモ




