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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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バレンタインと、隣国の王子―11歳―

 リド暦790年 二の月 一日


 二月になったわね。

 私はティモへのバレンタインの準備をしているわ。楽しみにしていてね。

 エルコッペ殿下とどんなふうに交流をしているか教えてもらえるの楽しみにしているわ。

 そういえば、ユージョンがチョコレートに興味津々なのよ。男の子だけどチョコ作りに興味を抱いているみたいで、一緒に作っているわ。

 バレンタインの文化は広まってきているけれど、もっと楽しい文化だって広めていきたいし、私の家から領民たちにチョコレートを配ることにしたの。

 甘い物は女性陣なら絶対に好きだろうから、もっと広めていきたいわ。

 エルコッペ殿下にも色々広めておいてね。隣国にもこういう文化が広まると楽しいもの。


 ミリセント



 リド暦790年 二の月 四日


 ミリーからもらえるバレンタインのチョコレート、楽しみにしているよ。

 エルコッペはこっちにやってきたよ。婚約者の女性とのことを沢山話しているよ。

 ユージョンはチョコレートに興味津々なんだね。僕も来月のホワイトデーでは、キッドと一緒に色々作ろうかな。もちろん、ミリーにあげる分だよ。キッドはまだ幼いからそういう相手がいないけど、婚約者が出来たら大切にするように言い聞かせているよ。

 バレンタインの文化がもっと広まったら、そういう文化の発祥の地としてもこの国が有名になって良い効果があらわれそうだね。


 ティモ



 リド暦790年 二の月 八日


 エルコッペ殿下も婚約者の方と仲がよさそうでよかったわ。

 やはり仲が良い方がいいわよね。合わない婚約関係もあるかもしれないけれど、政略結婚だろうとも歩み寄ることは大切だもの。

 私の可愛い弟のユージョンにもいつか婚約者が出来るのかしら。ユージョンは次男だし、ある程度好きに恋愛は出来るだろうけれど、両親にユージョンの結婚相手はどうするつもりなのか聞いておかないとね。可愛い弟には幸せになってほしいもの。

 そうやって有名になったら私と同じような生まれる前の記憶がある人とも会えるんじゃないかと少し期待しているの。そういう仲間に会ったことがないから、会って仲良くなれたら素敵だなって思うから。


 ミリセント



 リド暦790年 二の月 十二日


 僕とミリーも政略で結ばれた婚約関係だけど、僕は婚約者がミリーで良かったと思っているよ。寧ろミリー以外は考えられない。エルコッペも婚約者がそう言う相手になったらいいなって言ってたよ。

 そうだね。弟たちには幸せになってほしいから、性格が合って、仲良く過ごせる相手を婚約者に選んであげたいよね。

 ミリーはそう言う相手がいたら会いたいんだね。ミリーがそういうなら僕も見つけたら王城で保護してみるよ。でもそういう相手が見つかっても僕の事を一番にしてね?

 そういえばエルコッペは同年代の友人がいなかったみたいで、楽しくしているよ。側近候補はいるけどそれは友達じゃないなんて言ってたから、出来る限り仲よくした方がいいよってアドバイスしておいた。

 友達としての関係じゃなくたっていいけれど、側近候補とはそれなりにでも仲良くしていたほうがいいからね。



 ティモ



 リド暦790年 二の月 十四日


 ハッピーバレンタイン!

 私もティモが婚約者で良かったわ。ティモ以外考えられないし、ティモがヒロインに惹かれてしまったらどうしよう! ってずっと思っているもの。

 どんな人が現れても私の一番はティモよ。

 エルコッペ殿下とティモが仲良くしていて、私は嬉しいわ。エルコッペ殿下も自国で親しい人がもっと増えたらいいわね。

 そうだ、ティモの書いた小説が出版されたわね。侍女たちが読んだら結構大人向けの暗い話だけど楽しかったといっていたわ。そういう暗い物語に心惹かれている侍女もいたわ。

 あとね、今日のチョコレートを配るパーティーは大成功だったわ。こういう風に領民たちと交流を深められるのは楽しいわ。

 

 ミリセント



 リド暦790年 二の月 十九日


 ミリー、チョコレートありがとう。とても美味しかったよ。

 何度もいっているけど、僕はミリー以外に興味はないからね? ミリーがまだ心配だっていうなら今度会った時にいくらでも分からせるから。

 エルコッペがもうすぐ帰国だって寂しそうにしているよ。僕が平然としているからなんか文句は言われたけど、どうせまた会う事になるし、そんなに寂しがらなくていいのにって思った。

 僕の周りでも読んでくれる人が多くて、色んな感想をもらえたよ。気に入ってくれる人がいてよかった。

 写真もありがとう。いっぱいチョコレートを配ったんだね。ミリーの笑顔を見れると幸せな気持ちになるよ。


 ティモ



 リド790年 二の月 二十四日


 美味しかったなら良かった!

 分からせるって……お手柔らかにね、ティモ。私は恋愛初心者なんだから。

 ティモは人に対する関心が相変わらず低いわね。エルコッペ殿下とティモの温度差を想像すると笑っちゃったわ。

 あとね、ティモ、今年のショー用にティモにきてほしい服をデザインしたの!


 ミリセント



 リド暦790年 二の月 二十七日


 僕だって恋愛初心者だよ。ミリー以外と恋愛なんてする気ないし。

 ミリーと離れる時は毎回寂しくなってるけどね。ミリー以外の人には、確かにそこまで関心はないかもしれない。父上にも僕はミリーの前だとよく感情が出ているって言われたんだよね。

 素敵なデザインだね。僕もミリーに着てほしいものを沢山用意しているよ。



 ティモ




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