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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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新年と乙女ゲームの話―11歳―

 リド暦790年 一の月 一日


 年が明けたね。

 おめでとう。ミリー。今年もよろしくね。

 少しずつ学園への入学が近づいてきているね。

 新年のお祝いのために王都ではにぎやかになっているよ。今度、新年も一緒に過ごしたいね。

 ミリーにおめでとうって言いたいから、ちょっと使い魔に無理させちゃった。


 ティモ



 リド暦790年 一の月 五日


 今年もよろしくね。ティモ。

 ティモが隣にいると思うと、学園への入学が楽しみになってくるわ。

 新年のお祝い、一緒に過ごせるといいわね。お父様に相談しておくわ。子供のうちだからこそ無茶を言って相談もしやすいだろうから、我儘を少しずつ叶えていきたいわね。

 モアは私の所でゆっくりしてもらっているわ。代わりに私の使い魔に届けさせているわ。

 お兄様が帰って来ていて、兄妹で仲良く過ごせると楽しいわ。


 ミリセント



 リド暦790年 一の月 八日


 子供のうちだから出来ることが沢山あるから、ミリーとそれが出来るようにしていきたいなと思うよ。まぁ、ミリーと過ごせるならどんな経験だって僕の宝物になるけれど。

 ミリーが楽しそうで僕は嬉しいよ。僕もキッドと仲良く過ごしているよ。父上と母上は国王と王妃だから忙しそうにしているけれど、それでも僕たちのために時間を割いてくれているんだ。僕はそのことが嬉しいと思うんだ。

 そういえば隣国のエルコッペから手紙が届いたよ。今度、こっちに来るってさ。

 隣国との交流もあの疫病以降深まっていて、いいことだよね。他の国とも仲が良好で、戦争の気配がないことに父上は凄いなって思うんだ。


 ティモ



 リド暦790年 一の月 十三日


 私にとってもティモと過ごす日々は宝物だわ。ティモとの交換日記も私にとっての宝物なの。この交換日記があるから、ティモがどれだけ私を大切に思ってくれているか分かったし、交換日記を交わす前よりもずっとティモと仲良くなれたんだもの。

 エルコッペ殿下がこちらに来られるのね。ティモがエルコッペ殿下と仲よさそうで嬉しいわ。ティモが同年代の人たちと仲よくしているのを感じるだけで嬉しいわ。でも誰かと仲よくしても私の事を放っておかないでくれると嬉しいわ。

 陛下は凄いわよね。我が国は資源も多くて、上手く周りと付き合わないとそれを狙ってこられることもきっとあると思うの。なのに戦争らしい戦争が起きていない。それってとてもすごい事だわ。

 私が前世で生きていた国は、私が生きていた時に戦争なんてなかったけれど、国によってはやっぱり戦争があったから。絶対に戦争を起こさせないなんてそう言う事は言えないけれど……私が王妃になった時にはなるべく平和に周りの国と付き合えるようにしたいって思うわ。

 ティモの書いた小説の出版計画も進められていて楽しいわ。あと絵本コンテストの作品の見本が出来たから送るわね。そのうち国に流通するのよ。


 ミリセント



 リド暦790年 一の月 十七日


 本当にミリーは可愛いよね。僕にとってもミリーの言葉は全て僕の宝物だよ。ミリーがいてくれるから、僕はこれだけ幸せなんだよ。

 エルコッペは、王子っていう僕と同じ立場だからね。ハワードたちとはまた違うよ。彼らも僕にとっては友人だけど、立場が一緒だっていう共通点があると話題も多いしね。

 本当に父上は凄いよ。僕も王位を継いだら平和な国をつくれるようにしたいな。もちろん、きれいごとだけなんて言えないし、ただ優しいだけの王になるつもりはないけれど、それでも理想を叶えるために全力は尽くしたいって思うから。

 何だか自分が書いたものが本になって流通すると思うと不思議な気分になるね。でもミリーが楽しそうだから、頑張るよ。絵本コンテストの作品、いいね。

 こうやって絵本分野が発展したら、国の発展にもつながっていくからいいよね。身体に不自由がある人だって絵本の物語を考えたりも出来るだろうし。


 ティモ



 リド暦790年 一の月 二十一日


 エルコッペ殿下がこちらに来る際は、私は領地にいる時期なのよね。ティモとエルコッペ殿下がどんな風な会話を交わすのかとか見れないの残念だわ。

 ティモのそういう所、凄いなって、好きだなって思うのよ。私も自分の望む未来を叶えたいから、そのために勉強も頑張るわ。もちろん、それだけじゃなくて未来の王妃として交流関係を広げることもね。時々話していると疲れるような方もいるけれど、ティモのことを考えていつも乗り切っているの。

 そうよね。少しずつ国を発展させていって、一人でも国民が幸せになれるようにはしたいわ。

 そういえばお兄様はもう帰ってしまったの。大学がよっぽど楽しいみたいだわ。時々しかお兄様は帰ってこないけれど、領主になるための勉強は誰よりもしているみたい。領地のために色んなことを学んでいるお兄様は凄いと思うわ。


 ミリセント


 リド暦790年 一の月 二十四日


 やっぱりはやくミリーと結婚したいなって思って仕方ないよ。ミリーがいつでもそばにいてくれたらって思ってしまうから。

 僕も、ミリーのこと凄くて、大好きだって思っているよ。何か不快なことがあってもミリーのことを思い浮かべるだけで僕だっていつでも笑えるんだから。

 フィガニードは勉強熱心だよね。真面目で一生懸命なところはミリーに似ているよね。兄妹だからやっぱり似るものなんだね。

 来月にはエルコッペがくるから、来た時の話を交換日記に書くね。ミリーも書いてほしいみたいだし。


 ティモ

 

 

 

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