企み②―7歳―
1月26日二話目
リド暦786年 六の月 三日
ティモのくれた髪飾りに似合うドレスを仕立てるってお母様がはりきっているわ。
ダンスは楽しいわ。先生に教えてもらって踊っているのだけど、リズムに乗って体を動かすのは面白いわ。
ティモと踊るときっともっと楽しいわ。凄く楽しみ。
少しずつ魔力が安定はしてきているそうだわ。だからもう少ししたら魔法の練習も出来るかもって。
ティモはもう魔法も習っているわよね。私がつまずいたら教えてね。モアみたいな可愛い使い魔が欲しいわ。
P.S 秘密よ!!
ミリセント
リド暦786年 六の月 五日
公爵夫人の見立てなら髪飾りに会うドレスになるだろうね。僕は着飾ったミリーをみるのが楽しみだよ。
僕も練習で踊るよりもきっとミリーと踊った方が楽しいのだろうなと思っているよ。
それは良かった。でも魔法は失敗すると大変なことになるから、練習出来るようになったら気を付けるんだよ。
ミリーになら幾らでも教えるよ。何か心配事があったら教えてね。
秘密ね、わかったよ。じゃあ、気づかないふりしているよ。何を企んでいるのか楽しみにしているよ。
そういえば、母上が妊娠したよ。
ティモ
リド暦786年 六の月 八日
私もパーティーでのティモはいつもとはまた違う魅力があるから楽しみだわ。でもティモはとてもイケメンだから、私が隣に並んで釣り合うかしら? とはたまに思ってしまうけどね。
分かっているわ。魔力が暴走したりしたら大変だものね。何かあったらティモに言うわ。
楽しみにしていてね。
王妃様が妊娠したのね。そういえばもうそんな時期か。私はティモが私を捨てない限り、ずっとティモの傍にいるから。
ミリセント
リド暦786年 六の月 十一日
釣り合うに決まってるよ。ミリーはとても可愛いから、そんな心配しなくていいよ。
楽しみにしているよ、ミリー。
ミリーはたまに未来を知っているみたいな言い方するね。弟か妹か分からないけど、生まれるのは楽しみだよ。
だから捨てないと言っているよね? 僕がミリーを捨てることはないのだから、ずっと側にいればいいよ。
ティモ
リド暦786年 六の月 十六日
ありがとう。ティモにそう言ってもらえると嬉しいわ。
未来を知っているというか、説明しにくいから言えたら将来的に言うわ。私もティモに弟が出来るの楽しみだわ。
そうね。ティモは私を捨てないわよね。私ももっと現実を見なきゃね。
お兄様からも手紙が来たわ。お兄様は私とティモが頻繁に交換日記のやり取りをしているのを驚いていたわ。
『ティモ殿下の使い魔を伝書鳩代わりに頻繁に利用するなんて』と書かれていたけど、モアって実はとてもすごかったりするの? あんなに可愛いのに。
ミリセント
リド暦786年 六の月 十八日
いつか教えてくれるのを楽しみにしているよ。まだ性別が分かってない段階だけど、ミリーは弟だと思っているんだね。ミリーが言うなら弟な気になってくるよ。
そうだよ。僕はミリーを捨てたりなんかしないよ。
フィガニードがそんなことを言っていたんだね。確かにモアは色んな事が出来る使い魔だけど、僕の使い魔だから、いいんだよ。それにモアもミリーの元へ行くの楽しみにしているからね。
使い魔というのは可愛い見た目でも驚くような力を持っていたりするから僕の使い魔以外を見かけたら気を付けるんだよ。ミリーは僕の婚約者だからって何かをしようとする人はいるんだから。
ティモ
リド暦786年 六の月 二十一日
ええ。私は弟だと思っているわ。一緒に可愛がりましょうね。私は今も昔も弟なんていなかったから楽しみだわ。
そうよね。混乱してごちゃまぜにしてしまっていたけど、ティモと私は実際仲良しだものね。
そうなのね。あんなに可愛いのに色んなことが出来るなんてモアは凄いわね。モアはとても可愛いわ。私もモアのような使い魔が欲しいなとモアを見るたびに思うわ。
分かっているわ。ティモも王子様なんだから変な人に近づいたりしないようにね。私も気を付けるわ。
ミリセント
リド暦786年 六の月 二十三日
『ミリセント様の所へ行きますよ』と従者たちに馬車に乗るように言われたのだけど、これが企んでいたことかな?
父上にもちゃんと話を通してあるんだね。ミリーはたくらみ事の手際が本当にいいよね。
僕はミリーに会えるのは嬉しいからいいけど、どんなたくらみごと?
ティモ
リド暦786年 六の月 二十六日
今は馬車の中かしら? まだ秘密よ。ついてからのお楽しみよ。
楽しみにしていてね。私はティモを楽しませるために全力を尽くすわよ!
ミリセント
リド暦786年 六の月 二十九日
じゃあ楽しみにしておくよ。もうすぐ公爵領に辿り着くよ。
ミリーに会えるの楽しみにしている。
ティモ
リド暦786年 六の月 三十一日
じゃじゃじゃーん、というわけで企みは『ティモと旅行に行こう』企画でした。
どう、びっくりした?
私が横断幕持って歓迎したらティモの珍しい驚く顔を見れて私は満足だわ!!
ミリセント
リド暦786年 六の月 三十一日
僕がミリーとどこか回ったりしたいって言ったからだよね。ありがとう、ミリー。
ティモ