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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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旅行の計画とパンフレットの完成―10歳―

 リド暦789年 六の月 一日


 ティモと一緒に旅行出来るのを楽しみにしているわ。

 ティモ、あのね、最近ティモに喜んでもらおうとチョコレートのお菓子作りをもっと進めているの。他にもいろいろとお菓子革命を進めるために前世の記憶を頼りに進めているわよ。

 旅行のおやつに持っていきたいわね。

 お友達たちとも一泊二日ぐらいの旅は出かけているけれど、やっぱりティモと出かけるのが一番楽しみだわ。

 ティモがどんなふうに私をエスコートしてくれるかと考えただけで楽しみだわ。


 ミリセント



 リド暦789年 六の月 四日


 僕も楽しみで仕方ないよ。

 ミリーが作ってくれるお菓子を食べられると思うと、ワクワクする。

 ミリーが友人たちと仲よくしているのを聞くと嬉しいけれど、ミリーが僕以外と仲よくしているのはちょっともやもやする。いつまでも僕を一番にしていてね。

 僕もミリーをエスコート出来るのが楽しみで仕方がないよ。

 母上や父上、キッドに料理を振る舞ったよ。美味しそうに食べてくれて嬉しかった。流石に身内以外には王太子として振る舞えないけど、僕は料理が好きだなと思ったよ。

 そういえばエイブルガンも僕がミリーと出かける話を聞いて婚約者と出かけようかなって言ってたよ。


 ティモ



 リド暦789年 六の月 七日


 私にとっては一番はティモよ。私の前世も含めて受け入れてくれる私の王子様なんてティモしかいないもの。ティモがいてくれたから今の私がいるのよ。ティモ、貴方も私をずっと一番にしていてね。

 ティモは王様になって、私は王妃になる。だから国のために必要があれば側妃だって受け入れられるけど、私の事をずっと一番にしててくれると嬉しいわ。

 ティモの料理はおいしいものね。ティモが楽しそうに料理をしている様子を思い浮かべるだけで楽しいわ。ティモが自分の好きなことを沢山見つけてくれていることが嬉しいと思うの。前にも言ったけれど、前世のゲームの中のティモは何もかもつまらなさそうにしていたから。やっぱりゲームのティモと、私のティモは違うわ。私のティモの方が、誰よりも素敵よ。

 エイブルガン様も婚約者と仲よくしているのね。幼いころから仲良くしていれば婚約破棄なんて事態は起こさないでしょうし、このまま是非、仲よくしていてほしいわ。


 ミリセント



 リド暦789年 六の月 十一日


 僕にとってのお姫様もミリーだけだよ。ずっとずっとミリーだけが一番だよ。

 側妃を娶ることは僕はしないよ。そもそも側妃を抱える必要はないしね。国王として後継ぎがいなければ周りは色々というかもしれないけど、本当に子供が出来なかったとしてもキッドやその子供に繋いでもいいし。僕はミリー以外はいらないからね。そのためにも他国との交友をちゃんとしておかなければならないね。こちらの国の立場が弱くなれば女性を押し付けられることもあるかもしれないし。

 ミリーに出会えなかったらそうだっただろうけどね。僕が今の僕なのは、ミリーのおかげだから、ミリーが今の僕を作ってくれたんだよ。

 正直実家の意向で決められた婚約を簡単に破棄するっていうミリーの前世の話は理解出来ないけどね。普通に考えて何も手回しせずにそんなことをすれば、本人が破滅するだけだしね。ミリーのためにも僕は彼らが破滅しないように誘導しておくよ。

 あとショーの冊子が出来たから送るね。ソロサヘルも手伝ってくれたよ。すっかり魔法具に魅了されているみたいで、国のために貢献してくれたらいいなって思っているよ。


 ティモ



 リド暦789年 六の月 十五日


 ティモは本当に真っ直ぐよね。

 恥ずかしがったりなんてしないで、真っ直ぐに気持ちを伝えてくれて、そうやって真っ直ぐなティモの気持ちが私は嬉しくて仕方ないわ。

 そうね。ティモと二人で幸せになるために、ティモとの将来のために私も頑張るわ。でも本当に国のために必要だったら、その時は考えましょうね。

 それを言うなら、今の私を作っているのもティモだわ。ティモに会えなければ私も前世の記憶がある影響で暴走していたかもしれないもの。

 この世界で生きていれば、婚約破棄を自分の都合でするのは破滅を呼ぶって分かるはずだけど、ゲームの世界ではそういう未来があるのよね。エイブルガン様たちがそのことも分からないぐらい頭が働かないとは思えないけれどやっぱり魅了なのかしらね。魅了対策も進められているけれど、ヒロイン力というのは強いのかなと不安はあるわ。

 ショーの冊子ありがとう。とても素敵だわ。ティモは写真映えするわよね。本当に素敵だわ。


 ミリセント



 リド暦789年 六の月 十八日


 ミリーが真っ直ぐだから、僕はミリーに似て真っ直ぐになってるんだと思う。

 ミリーと結婚できるのは、学園卒業後だけれども何だかはやくそういう未来が来てほしいよ。あと八年? そのころにはミリーの不安がっているゲームの世界も終わっているから、乗り切ろうね。

 僕が今のミリーを作っているって、その言葉凄くいいね。何だか嬉しい。もっともっとミリーが僕でいっぱいになればいいと思うよ。

 魅了の力を持つ魔物や人に協力をしてもらって、魅了対策の魔法具がちゃんと動作しているかの確認を進めているよ。常にそういう魔法具をつけておくようにしたほうがいいねって父上たち話してるよ。

 ショーの冊子のミリーも可愛いよ。やっぱり僕のミリーは世界で一番可愛いって思った。

 ところでミリー、これからそっちに向かうね。迎えに行くからそのまま視察旅行行こう。ミリーに会えるの楽しみにしてるよ。



 ティモ



 リド暦789年 六の月 二十二日


 今、こちらに向かっているのね。ティモ。

 私もティモに会えるの楽しみだわ。こうして数日に一回は交換日記を交わしているのに、私はいつでもティモに会いたいって思っているの。

 そういえばお父様とお母様の許可を得て、私も使い魔を創れることになったの。ティモがこっちにきたときには召喚獣をお披露目出来ると思うわ。楽しみにしていてね。

 ティモを領地でおもてなしするための準備もしているの。


 ミリセント




 リド暦789年 六の月 二十六日


 もうすぐミリーのいる屋敷につくよ。

 それにしてもアグエッドス領は相変わらず栄えているね。前に来た時よりもお菓子屋さんが増えているように見えるのは、ミリーの影響かな? 

 僕もミリーにいつも会いたいって思っているからこれから会えるのが楽しみだよ。

 使い魔を手に入れられることになったんだね。ミリーの使い魔なら可愛いだろうな。お披露目してもらえるの楽しみだよ。



 ティモ




 リド暦789年 六の月 二十九日


 やっぱりティモが私の屋敷にいてくれるととても幸せな気持ちになるわね。

 今日、ティモを沢山おもてなしも出来て私は嬉しかったわ。

 寝る前にこの交換日記を書いているのだけど、エドナに「屋敷にいるティモ殿下にまた書くなんて本当に仲良しですわね」って言われたわ。周りからティモと仲良しだと言ってもらえるとやっぱり嬉しいわね。

 おやすみ、ティモ。また明日もティモと話せると思うと嬉しいわ。



 ミリセント





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