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悪役令嬢と王子殿下の交換日記  作者: 池中織奈


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誕生日(ティモ・十歳)―9歳―

 リド暦788年 九の月 一日


 もうすぐ国に戻れるね。このままミリーを一緒に王城に連れて帰れると思うと、楽しみで仕方がないよ。

 隣国でも交流が出来て良かったね。ミリーが一生懸命な様子を見ていて楽しかったよ。


 ティモ


 リド暦788年 九の月 一日


 連れて帰るって何よ。

 ティモの誕生日を祝うために王城にそのまま向かうだけでしょう。

 でもそうね。こんなにずっとティモと一緒に居れるのは楽しいわね。


 ミリセント




 リド暦788年 九の月 五日


 ミリーは本当に可愛いね。

 顔立ちはきつい性格をしているように見えるけど、ミリーは可愛い。誰よりも可愛い。

 皆がミリーの可愛さを理解しなければいいんだけど。


 ティモ



 リド暦788年 九の月 五日


 ねぇ、何で口にもするのに相変わらず交換日記にも書くの?

 本当に恥ずかしいのだけど!!


 ミリセント



 リド暦788年 九の月 十日


 王城に帰ってこれたね。僕の誕生日に間に合って良かったよ。

 まぁ、僕は道中でミリーにお祝いしてもらえるでも全然良かったけどね。


 ティモ


 リド暦788年 九の月 十日


 確かに二人きりのお祝いも楽しいかもしれないわね。まぁ、ティモは王太子だからそんなこと出来ないだろうけど。でもそうね……いつか、即位する前にそういう我儘を言ってみてもいいかもしれないわね。

 私だけがティモの誕生日をお祝いする、そして私と一緒に過ごしてパーティーとかにも出ないって日があってもいいかも。


 ミリセント



 リド暦788年 九の月 十日


 それ、凄くいいんだけど。是非とも一度ぐらい実現したい。父上に言ってくる。



 ティモ




 リド暦788年 九の月 十四日



 誕生日おめでとう。ティモ。

 今年も朝一番にティモにおめでとうと言えて、プレゼントを渡せて嬉しいわ。

 本当に生まれてきてくれてありがとう、ティモ。私はティモが私の隣にいてくれて嬉しいわ。

 今日のパーティーも楽しかったわね。ティモのことを狙う令嬢たちの多さにはびっくりしたけれど、ティモがかっこいいから当然よね。エスコートしてくれたティモはとてもかっこよかったわ。

 もうティモも十歳だと思うと、何だか不思議ね。


 ミリセント



 リド暦788年 九の月 十四日


 ありがとう。ミリーにお祝いされるのが一番嬉しいよ。

 それは僕の台詞だよ。ミリー、僕の隣にいてくれてありがとう。僕は君が隣にいて、おめでとうと言ってくれるだけで幸せなんだから。

 それにしても令嬢たちはちょっと邪魔だったね。折角僕が綺麗に着飾ったミリーを見て嬉しくなってるのに、間に入ろうとしてくるし。ミリーに成り代われる人なんて世の中にいるわけないのにさ。

 ミリーも凄く可愛かった。綺麗で、可愛くて、ずっとミリーを見て居たくなったよ。

 何が不思議なの?



 リド暦788年 九の月 十四日


 何だか読んでいて赤面してしまったわ。

 本心から言ってくれていることが分かるから余計なんというか、嬉しいけど恥ずかしいわ。

 ティモは私の事を買いかぶりすぎね。

 少しずつ時期が近づいてきてるって思って。

 ねぇ、ティモ。私が言えていないこと、ティモに言いたいの。ただ心の準備をしたいから私の誕生日の後でいい?


 ミリセント



 リド暦788年 九の月 十四日


 赤面しているミリーは可愛いんだろうね。

 ミリーが書いた文章読んでいるだけで僕のミリーは可愛いなと実感するよ。

 買いかぶりじゃないよ。ミリーだけだよ、僕がこんなに可愛いって思うの。

 いつでもいいよ。ミリーが僕に秘密を話してくれるなら僕は嬉しいから。



 ティモ




 リド暦788年 九の月 十八日


 今日のプレゼンはとてもよかったわね。

 こういうプレゼン能力を高めることは将来の王と王妃として重要な事だと思ったわ。

 あとティモの作ってくれた料理、本当に美味しかったわ。



 ミリセント



 リド暦788年 九の月 十八日


 そうだね。こういう能力を高められたら将来のためになるだろうね。

 やっぱり僕のミリーは凄いなと思うよ。

 ミリーのために愛情をこめて作ったからね。


 ティモ




 リド暦788年 九の月 二十日


 領地に帰るから、またね。ティモ。

 私が話すのを待っててくれると言ってくれてありがとう。

 幾らでもティモは私に疑問を投げかける事が出来るのに、私の心の準備が出来るまでと待っていてくれるのはやっぱりティモはかっこいいわ。

 次に会うのは私の誕生日の時かしら。その時を私は楽しみにしているわ。


ミリセント




 リド暦788年 九の月 二十二日


 今は道中かな。気を付けて帰ってね。

 ミリーが待ってほしいというのなら待つのは当然だよ。

 僕はミリーの望みはなんだって叶えたいのだから。

 ミリーの誕生日に会えることを楽しみにしてる。僕はミリーが何を話そうとしているかは分からないけれど、どんな話だって聞くし、信じるから。


 ティモ



 リド暦788年 九の月 二十五日


 本当にティモは良い男ね!!

 いちいち文章を読んで、ときめいちゃうわよ。

 誕生日までに話す心の準備をちゃんと整えておくわ。



 ミリセント




   

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] あーまーいー!甘い甘い甘すぎる……! 今の時点でこうなら、ゲーム開始時点にはどんなことになってるんでしょう……想像するだけで砂が吐けそうです。
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