婚約者候補だった令嬢たちとの関係―9歳―
リド暦788年 六の月 一日
ミリーと子供の話をしていると、もっと大人になりたいなと思うよ。
大人になってミリーと結婚するというその将来を考えるだけでワクワクする。
そういえば、隣国へ向かう護衛や侍女たちの選別を父上と母上がしてくれたよ。ミリーは誰を連れて行きたいとかある? あるなら公爵を通して伝えてね。
ティモ
リド暦788年 六の月 四日
私も大人になってティモの傍に立つのが楽しみだわ。
でもそれまでに大人になって、きっともっと素敵になっているティモの隣に並び立つのにふさわしい私になりたいわ。
今の私のまま大人になっても大人になったティモに釣り合わないって言われるかもだもの。
ティモは釣り合うとか釣り合わないとかどうでもいいというかもしれないけれど、私はやっぱり胸を張ってティモの傍に居たいもの。
ミリセント
リド暦788年 六の月 八日
僕も気を抜かずにミリーの誇れる僕で在れるように頑張りたい。ミリーの想像している未来の僕に負けるのは悔しいからね。ミリーの想像する未来の僕よりもかっこよくなって、ドキドキさせてあげたいな。
ミリーもきっと大人になったらもっときれいで、素敵な女性になるだろうね。
ミリーが素敵な女性になるために頑張っている報告は聞いているよ。最近は隣国の言葉の勉強と復習を頑張ってるんだってね?
ミリーは僕の自慢の婚約者だよ(隣国語で記載)。
ティモ
リド暦788年 六の月 十一日
想像の中のティモもかっこいいのに、もっと素敵になったらドキドキしすぎてティモの顔を見れないかもしれないわ。今だってティモにドキドキしているのに。
私は大人になったらもっと女性らしい身体付きになって、妖艶な女性になるのよ!! ティモのことを悩殺出来たらいいわね。ティモってどんな女性に惹かれるとかある? 初恋の女性がこういうタイプだったとか。
隣国の言語は難しいけれど、少しずつ話せるようになって嬉しいわ。でも書くのは難しいわね。(隣国語記載)
あとお茶会に最近よく参加しているの。ティモの婚約者候補だった令嬢たちと仲良くなれたわよ。険悪よりも仲良くやった方が将来のためになるもの。相変わらず敵視してくる令嬢もいるけれども、それでも嬉しいわ。
ミリセント
リド暦788年 六の月 十四日
今もミリーをドキドキさせられていると思うと嬉しいよ。
なんだか決まっているみたいな言い方だね。でもミリーがそう言う女性になったら他の男たちがミリーを見そうだし、ちょっともやもやするかも。
僕も今もミリーにドキドキしているから大人になったミリーがもっと素敵になったら僕はもっと悩殺されるだろうね。
僕は生まれてからこの方、ミリーにしか惹かれていないよ。僕がこんなに興味を持ったのも、大切だと思うのもミリーだけだから。
逆に聞くけどミリーは誰かに憧れたこととかある?
頑張り屋さんのミリーなら、きっとすぐに書くのも上手になるよ。(隣国語記載)
ミリー以外の婚約者候補だった令嬢たちと仲良くなったんだね。流石だよ、ミリー。僕はミリーの他の婚約者候補にあったらちょっと嫉妬しちゃうかもしれない。
ティモ
リド暦788年 六の月 十七日
私も今も素敵なティモがもっと素敵になったら誰かに取られちゃうのではないかと心配だわ。
ティモが私を大切にしてくれていることは知っているし、ティモが私との未来を楽しみにしていることは知っているけど、ちょっと不安にもなるわ。
ティモはそうなのね。私は……えっと、正直な話を言うと、ティモに会う前に護衛にかっこいいなぁぐらいは思ったことはあるわ。
ティモは隣国の言葉を書くのも上手よね。綴り間違えたり私はしてしまいそうなのに。(隣国語記載)
上の一文書くのも大変なのよ。何度も何度も練習して書いているの。
私ももし彼女たちがティモの婚約者だったらと思うと嫉妬するわよ。でも今ティモの婚約者は私だもの。私が色々思い出すのがティモと婚約した後で良かったって思うわ。
そうじゃなかったらもしかしたら違う未来があったかもしれないと今は思うもの。仲良くはなったけど、ライバルのようなものなのだけど、凄いわよね。私よりも良い旦那さんを見つけるんだって張り切っているわよ。
ミリセント
リド暦788年 六の月 二十日
そんなに心配なら幾らでも心配はいらないよって態度で示すよ。僕もミリーが僕と一緒に居たいって思ってくれるように全力を尽くすよ。
そっか。護衛の騎士か。そっちいったら是非とも手合わせしたいな。
ミリーに上手と褒められると嬉しいよ。(隣国語記載)
僕との交換日記ために何度も練習してくれているのは嬉しいよ。
ミリーが嫉妬してくれていると思うと嬉しいよ。色々思い出すのがって、交換日記始めた頃の様子がおかしかった時のことかな?
違う未来……ってそんなの考えるだけで嫌だな。いつか何で様子がおかしかったのかも教えてね。
僕よりも良い旦那さんを見つけるねぇ……ミリーが侮られないためにも僕ももっと頑張らなくちゃね。
ティモ
リド暦788年 六の月 二十五日
ティモの全力ってちょっと怖いわ。私が絶対に恥ずかしいじゃない。嬉しくないわけじゃないけれど、人前だと恥ずかしくて仕方ないのよ。
護衛の騎士と戦う気なの? ティモは本当に私のことが大好きね。怪我はしないようにしてくれるなら良いとお父様も言っていたわ。
ティモは察しが良いわよね。そうね。あの頃より前に思い出していたらもっと色々違ったかもしれないわ。
もうちょっと大人になってから話すわ。少なくとも学園に入学する前までには。
ミリセント




