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王都へ向かう道中と、王城―15歳―



 リド歴794年 八の月 一日


 宿で交換日記を書いているよ。隣の部屋にミリーが居ると思うとやっぱりいいね。

 馬車でもミリーと一緒だし、なんて幸せなんだろうって思うよ。明日までこの街に滞在するから、少しゆっくりしようね。


 ティモ



 リド歴794年 八の月 六日


 王城にすっかり私の部屋が出来上がっていて嬉しくなるわ。

 夏季休暇中も王妃教育頑張るから、ティモも王太子教育頑張って。

 お茶会をしたりもする予定だから、周りに引けを取らないように気を付けるわ。それとヒロインの情報も集める予定。


 ミリセント




 リド歴794年 八の月 九日


 今日は一日、私のミリーで居てくれてありがとう。

 父上や母上が婚約者との時間を大切にした方がいいと考えてくれる人間で本当に良かったと思うよ。

 国が違えば家族仲が悪い王家も当然いるから、そういう家だとミリーとこんな風に時間がとれることもなかっただろうから、私は恵まれているなと改めて思ったよ。

 気が早い話だけど、ミリーとの間に子供が出来たらその子供達もなるべく望む子達と結婚させたいなとそんなことを改めて思ったんだ。ただ国が揺らいでいる状況だと政略的な結婚を結ばせなければならなかったりするだろうし、そういう無理強いをしなくて済むような国にしていきたい。

 私はミリー以外が婚約者だったらと考えるだけで胸が痛くて仕方がない。ミリーって存在を知ったら他の女の子なんて見てられない。こういう苦しみを子供には出来れば味わせたくないからね。


 ティモ



 リド歴794年 八の月 十日


 私もティモと同じ気持ち。

 子供達が望まぬ結婚で不幸になるのは嫌だと思うわ。王族に嫁ぐ者としてはもっと割り切らなければならないのは分かっているけれど、出来ればそういうことを強要しない国にしたいわ。

 国のためにと思うことと、後々産まれてくるであろう子供のことを考えると難しい部分も大きいかもしれないけれど、そういう国を目指しましょうね。

 今日の夜はパーティーね。着飾ったティモと一緒に踊れるかと思うと楽しみだわ。ユージョンも、楽しみにしていたわ。


 ミリセント



 リド歴794年 八の月 十四日


 パーティーでのミリーはとても素敵だった。年々大人っぽく成長している君に皆、視線を向けていてそれだけ心配にはなったかな。

 同じお城の中には居るけれど、ご飯の時間ぐらいしか今日は会えなかったね。でもミリーと一緒に食事を摂れるだけで嬉しかった。

 王国内でも有名なデザイナーが明日来てくれるそうだから、いっぱいミリーのドレスを選びたいな。


 ティモ




 リド歴794年 八の月 十五日


 今日はデザイナーの方に、沢山のドレスを見せてもらえてよかったわ。私のドレスに合わせたティモの衣装もとても素敵だったわ。毎回ね、私は着飾ったティモを見ると見惚れてしまうの。

 今年はショーに参加することは出来なかったから、学園に戻ったら何か企画したいわね。学園内でやるか、学園都市の規模でするかは悩むけれどね。

 それにしてもこうやって素敵な装いを見ると、とても心が躍るわ。ヒロインのこととか、乙女ゲームのこととか考えるとショーのこととかばかり考えない方がいいかもと思うけれどそういうところも蔑ろにはしたくないとそう思っているわ。


 ミリセント




 リド歴794年 八の月 十九日


 明日には学園都市に戻らないといけないね。

 こうしてミリーと一緒に居られてとても幸せな気持ちになった。学園に戻ってからもミリーの姿を毎日見られるかと思うと本当に嬉しい。学園に入学前はミリーの姿を毎日のように見るなんて出来なかったから。


 ティモ



 リド歴794年 八の月 二十四日


 学園都市に行くまでの間に寄り道をするのもとても楽しいわ。こうしてデートをするといつだって心が躍るわね。

 それに今日は素敵なデザイナーを発掘出来たのも良かったわ。こうやって寄り道をするからこその広い物ってやっぱりあるもの。

 おしゃれが好きな生徒も沢山いるから、学園でお誘いしたら皆が一緒に参加してくれるかもしれないわ。それを成功させることが出来たら生徒達と仲良くなることも出来るだろうし、とても良いこと尽くしだわ。


 ミリセント



 リド歴794年 八の月 二十七日


 ミリーが意気揚々としていて、私はとても嬉しいよ。

 ただ馬車の中で企画を纏め続けるのは、酔う可能性も高いから気を付けてね。


 ティモ



 リド歴794年 八の月 三十日


 学園都市に帰ってきたわね。

 夏季休暇の間だけ王都に居たわけだけど、なんだかかえって来たなという気分でいっぱいよ。

 また学園での生活が始まるかと思うと、楽しみよ。次期王妃として恥じない学園生活を送れるように気を付けるわ。企画途中のショーに関しては学園やこの都市を纏めている貴族に話を通しに行く予定。

 だから実際に開催されるまで頑張るわ。


 ミリセント



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